ホッケー・スティック曲線の虚実

Solar variability and climate change: is there a link?
図6-1 「Astronomy&Geophysics,43(2002)5.09」より

 6.1 太陽活動の不都合な真実

前章で解説したとおり、20世紀の気温上昇0.8℃のうちの半分は自然要因であるが、では、自然要因とは一体何か?
それは太陽である。
上図に見えるとおり、20世紀前半、太陽の放射が増加していたのだ。
第7回 大気化学勉強会ノート」の(11)式に依れば、アルベド(A)を0.3とすると、地球が太陽から受け取るエネルギーが1平方メートル当たり1363Wから1366Wに増加したことに伴う気温の変化は、

(6-1)    \displaystyle \sqrt[4]{\frac{\,0.7 \times 1366}{4\,\sigma }} - \sqrt[4]{\frac{\,0.7 \times 1363}{4\,\sigma }} = 0.14

第2章で説明したとおり「feedback that amplifies any initial forcing by a typical factor of three」だから、もちろん、この値もフィードバックで3倍に増幅される。
であるから、太陽活動の増大に因る気温変化は0.4℃。[注1]
これが20世紀前半における温暖化の正体である。

このことを考慮すれば、前章で解説したとおり、産業革命時における赤外吸収・射出の平均回数は175。
従って、大気中CO2濃度が産業革命時の倍になれば、赤外吸収・射出の平均回数は350になる。
その時、15μm帯域の温室効果は

(6-2)    \displaystyle \sqrt[4]{\frac{\,350 \times \left( 255^4 - 0.21 \times 215^4 \right)}{1 + 0.79 \times 350 }} - 255 = 7.761

式(5-1)との差は0.236℃。
であるから、フィードバックを考慮すれば、3×0.23=0.71℃温暖化する。
しかし、既に0.4℃上昇しているから、今後は0.3℃温暖化するだけ。
しかも、温暖化するとは限らない。
太陽の活動が低下する可能性が出てきたからである。[注2]


地球は「ミニ氷河期」入りか、2030年までに-科学者が警告
By Shawn Langlois
2015年7月14日 19:14 JST
今から15年かそこらすれば、「極渦」(北極上空を取り囲む強い気流)もそれほど悪く聞こえないかもしれない。
欧州の科学者たちは、2030年までに過去370年ほど経験したことのない「ミニ氷河期」が訪れる可能性があると警告している。
バレンティーナ・ザーコバ教授率いる英ノーサンブリア大学の研究者たちは、数学モデルに基づき、太陽活動が60%低下し、地球の気温が急低下すると予想した。[The Astrophysical Journal,795(2014)46] 英インディペンデント紙によると、前回こうした状況が起きたのは1645~1715年のことだ。
この説にはもっと多くの検証が必要だが、ザーコバ氏は自身の見解に確信を持っている。
同氏は、太陽内部にある異なる層を伝わる「2つの波を総合し、太陽の現在の活動周期の実際のデータと比較することによって、われわれの予想が97%の確率で正確であることが分かった」と説明した。
覚えているだろうか?米航空宇宙局(NASA)のコンサルタントやスペースシャトル・エンジニアを務めた経験のあるジョン・ケイシー氏も同じような懸念を表明したことで知られている。ケイシー氏は「ダーク・ウインター」というタイトルの著書で、穀物の不作や食糧暴動が起きる可能性について警告している。
ケイシー氏は以前に、米メディア、ニューズマックスに対して「われわれに10年は残されていない」とし、「われわれはオバマ政権の8年間を無駄にしている。8年も無駄にする時間はないのに」と話していた。


(ウォール・ストリート・ジャーナル)

図6-1で見たとおり、20世紀は太陽の活動が強かったけれど、強い状態が何時までも続くはずは無い。
しかも、強かったと言っても、実は、0.2%の変化だから、その程度の変動ならば絶えず起こると考えてよい。
従って、太陽の活動が1900年時の水準にまで低下する可能性は十分にある。
その場合、気温は0.4℃下がるから、大気中CO2濃度が倍増しても気温は上がらない。
もし、太陽の活動がマウンダー極小期並に低下するとどうなるか。

fig 07-02
図6-2 「Astronomy&Astrophysics,529(2011)A67」より

マウンダー極小期以降(17世紀末以降)、地球が太陽から受け取るエネルギーが1平方メートル当たり1360Wから1366Wに増加した。
(これでも0.5%未満の変動にすぎない。)
式(6-1)と同様に計算すれば、それに伴う気温変化は

(6-3)    \displaystyle \sqrt[4]{\frac{\,0.7 \times 1366}{4\,\sigma }} - \sqrt[4]{\frac{\,0.7 \times 1360}{4\,\sigma }} = 0.28

これがフィードバックで3倍に増幅されるから、太陽の活動がマウンダー極小期並に低下すると気温は0.8℃下がる。
大気中CO2濃度が倍増しても気温は現在よりも0.5℃下がる。
そうなると、農業は打撃を受け、世界中で多くの人々の命が危機に晒されるだろう。
この観点からすれば、温暖化対策は不必要と言うよりも害悪でしかない。

6.2 イングランドの不都合な真実

もちろん、IPCC学派は頑として認めない。
気候を支配しているのはCO2であり、太陽活動の変動は気候に殆ど影響しない、と言い張る。
それが有名なホッケー・スティック曲線である。

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図6-3 「RealClimate」より

だから、太陽の活動がマウンダー極小期並に低下しても、人為的温暖化を抑える効果は殆ど無いと言い張る。[注3]


太陽活動低下で地球温暖化は鈍らない=専門家報告
2012年1月24日 11:14
英気象庁と同国レディング大学の専門家は23日、今世紀の太陽活動の低下によって地球温暖化が大幅に鈍ることはなさそうだとの研究報告J.Geophys.Res.,117(2012)D05103を発表した。
報告は、太陽活動は2100年まで減少するが、これによる地球の温度低下はセ氏0.08度にとどまるとしている。
科学者らは、今世紀に地球の温度が高まる中で、世界全体で異常気象が発生する公算が大きくなると警告している。地球の温度は、温室効果ガスの排出増加を反映して今世紀中に2度以上高くなると予想されている。世界各国は二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガス排出量を減らす約束をしているが、気温の上昇を食い止めるには不十分と見られている。
今回の研究に参加した気象庁のガレス・ジョーンズ氏は「太陽活動の変化は地球の温度に大きな影響を与えず、温室効果ガス排出で予想される温暖化のペースを大きく鈍らせることはできないだろう」と指摘した。
20世紀の間に太陽活動は極大化し、最近の研究では極大期の終わりに到達したか近づいていることが示唆されている。ジョーンズ氏らの研究では、極大のレベルを起点として今世紀の太陽活動の変化を予測した。
報告によると、太陽活動がマウンダー極小期(1645-1715年)のレベルを下回れば、地球の温度は0.13度低下する見込みだという。レディング大学の太陽研究専門家マイク・ロックウッド氏は、最も公算の大きいシナリオは、太陽活動が1820年ごろに起きたダルトン極小期のように低下するというものだと述べた。ダルトン極小期はマウンダーほど目立ったものではなかった。同氏によれば、マウンダー極小期ほどの低下が起きる確率は8%程度だという。


(時事ドットコム)

実は、マウンダー極小期以降の寒暖計の記録が一つだけ残っている。
それは、太陽活動がマウンダー極小期のレベルを下回っても全球平均気温は0.13℃低下するだけ、と言い張っている連中が住んでいる国、イングランドである。

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図6-4 1660年以降のイングランドの年平均気温

最小二乗法を使って評価してみると、それが上図の橙色の線だが、1900年から今日(2012年)までの気温上昇は100年間当り0.8℃。
これは20世紀における全球平均気温の上昇と完全に一致している。
(但し、年々の気温変動は全球平均気温のそれよりも激しいが、特定の地域の気温だけを見れば、それは当たり前。)
一方、1900年以前の気温上昇を調べると、それが上図の青色の線だが、1659年以降の約240年間で0.31℃。
しかし、この勾配は、明らかに、マウンダー極小期の著しい低温が原因であり、もし、マウンダー極小期の気温変動がもっと弱ければ、青い線は殆ど水平になるだろう。
図6-3が正にそれである。[注4]
つまり、ホッケー・スティック曲線はマウンダー極小期の変動を正しく反映していないのだ。

そこで、マウンダー極小期が終わった後、1695年から1734年までの40年間を調べてみると、それが上図の赤線だが、気温上昇は1.5℃。
もちろん、IPCC学派は、それは一地域の気温変動にすぎない、と言い立てるだろうが、上で説明したとおり、20世紀におけるイングランドの気温変動は全球平均気温の変動と完全に一致していたのである。
確かに、100年よりも短い期間では、イングランドの気温変動が全球平均気温の変動よりも大きい可能性は高い。
それでも、5、6倍も高い(図6-3では高々0.3℃の上昇)ことはあり得ない。
高くても2倍であろう。
実際、イングランドにおける1961年から2000年までの40年間の気温上昇は、それが図6-4の緑色の線だが、1.06℃で、一方、図5-5の橙色の線より、この間の全球平均気温上昇は0.52℃だから、イングランドの気温上昇は全球平均の倍になっている。
であるから、マウンダー極小期後の全球平均気温は0.7℃~0.8℃上昇したと見積もれる。
誤差を考慮すれば、図6-2から得られた値と一致するとみなしてよい。
太陽活動の変動が気候に大きな影響を及ぼすことはもはや明らかである。
そして、図6-2に見える20世紀における太陽活動変動は図6-1と一致しているから、20世紀前半の気温上昇が太陽活動に因ることも明らかである。

6.3 マウンダー極小期の不都合な真実

それでも、IPCC学派は肯んじない。
マウンダー極小期の気温低下は太陽活動が低下したからではなく、火山の噴火が原因と言い張る。[注5]


「気候変動の原因は太陽」という説を覆す研究結果が発表される
2013年12月25日 6時00分32秒
By Jason Major
2013年は砂漠気候帯に属するエジプトで1979年以来となる雪が降ったり、日本でも西日本の夏平均気温が1946年以降で第1位の高温を記録の高温を記録するなど、極端な気候変動が確認されています。過去にもたびたび発生している気候変動の原因は諸説あるものの、今まで太陽活動によって発せられる熱が主な原因と考えられていましたが、エディンバラ大学が過去1000年分のデータを調査をしたところ、原因は他にあることが判明しました。
エディンバラ大学の地球科学科の研究チームは、樹木の年輪やサンゴ礁などあらゆる記録から集めた過去1000年間の気候の変化を可視化し、太陽の活動変化や火山活動、温室効果ガスとの関連性を調査。調査の結果、地表面の温度変化は太陽の活動による影響をほとんど受けていない、ということが判明し、今までの説を覆すことになりそうです。
14世紀半ばから19世紀半ばにかけて続いた、過去1000年の間でも最も長い気候変動の1つである小氷期は、主に火山の噴火によって大気中に噴出されたエアロゾルにより、地球に届く太陽光が遮断されていたことが主たる原因であることがわかり、1900年以降続いている気候変化についても、太陽ではなく人間が排出している温室効果ガスが大きく影響していることも同時に判明しました。
1900年以降の気候変動の原因とされている温室効果ガスは、地表から放射された赤外線の一部を吸収して温室効果をもたらす気体。世界気象機関が公表しているグラフを見ると、1900年頃から二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量が急激に増加しており、また、2013年には温室効果ガスの平均濃度が過去最高の値を記録したこともわかっています。
エディンバラ大学の研究チームを率いたAndrew Schurer博士は「太陽活動の気候変動に対する影響について、我々科学者は大きな間違いを犯してきたようです。今回の発見が、過去や今後の地表面の温度変化の研究について大きな手助けになると期待しています」と語っています。


(GIGAZINE)

「火山の噴火によって大気中に噴出されたエアロゾルにより、地球に届く太陽光が遮断されていたことが主たる原因である」の論拠は下図である。

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図6-5 「Nature Geoscience,7(2014)104」より

パネル(a)の灰色の縦線を見ると、1640年頃と1670年頃、そして、1600年代末に噴火があったということになっているが、ウィキペディアの「噴火」を見ると、1600年末に世界的な気温低下を引き起こすような噴火(火山爆発指数6以上の噴火)は見当たらない。
1670年頃の噴火はインドネシアのムラピを指していると思われるが、日本語版のウィキペディアに依れば、火山爆発指数は不明である。
1600年代における火山爆発指数6の噴火は、1つは、エーゲ海のKolumboだが、これは海底火山だから、著しい気温低下を引き起こさない。
もう一つは、ニューギニアのLong Islandだが、日本語版のウィキペディアに依れば、噴火の年はハッキリしない。
火山爆発指数5の噴火であれば、下図に見えるとおり、1663年の有珠山、1667年の樽前山があるが、上図のパネル(a)には記されていない。(「J.Geophys.Res.,87(1982)1231」の表3も参照。)

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図6-6 我国における火山噴火の歴史

以上から、図6-5のパネル(a)の赤線が全くの虚構にすぎないことは明らかであろう。
実際、小氷期の原因が火山の噴火なら、19世紀末から20世紀初頭にかけても、1883年のクラカトウ、1902年のサンタマリア、1912年のノヴァラプタと火山爆発指数6の噴火が続いているから、20世紀前半は気温が上がっていないはずである。

しかも、図6-5のパネル(b)を見ると、温室効果ガス(GHG)だけなら、2000年までに気温は1.6℃上がったが、エアロゾル(Aerosols)に因って0.9℃低下し、土地利用(Land use)に因ってさらに0.3℃低下したから、人為的要因の気温上昇は0.4℃に止まる。
観測データは0.8℃だから、残り半分は自然要因。
つまり、「1900年以降続いている気候変化についても、人間が排出している温室効果ガスだけでなく、太陽が大きく影響していることも同時に判明しました」
[注4]で紹介している記事にも見えるとおり、IPCC学派は第3次報告書以来ずっとホッケー・スティックを握り締めてきたくせに、「太陽活動の気候変動に対する影響について、我々科学者は大きな間違いを犯してきたようです」と白を吐いているが、この論文は「人間活動の気候変動に対する影響について、我々IPCCの科学者は大きな間違いを犯してきたようです」を満天下に曝け出してしまっただけである。

しかし、IPCC学派は尚も抗う。
英国気象庁とレディング大学が、またしても、このような論文を発表した。


【気候科学】将来の太陽極小期に地域的な気候寒冷化が起こる可能性
2015年6月24日
将来太陽活動が大きく低下すると、北ユーラシアと米国東部の冬の気温が影響を受ける可能性のあることを明らかにした研究についての報告「Nature Communications,6(2015)7535」が、今週掲載される。太陽から放射される紫外線が地球に到達する量は太陽活動によって決まるが、太陽活動は時間の経過に伴って変動する。
太陽活動は、最近まで比較的活発だった(太陽極大期)。しかし、過去数年間の太陽活動は平均レベルを下回っており、この太陽極大期が終わりに近づいている可能性が示唆されている。太陽極小期には英国とヨーロッパが厳冬になることが明らかになっており、マウンダー極小期(1645~1715年)にはテムズ川に霜がおりるのが普通だった。統計的予報によれば、太陽活動が今後40年間にマウンダー極小期のような活動レベルに戻る確率が15~20%とされ、全球の気温に対する影響は非常に小さいものの、地域的な影響は大きくなるとされる。
今回、Sarah Ineson たちは、マウンダー極小期のような極小期が再来するというシナリオにおける地域的影響の可能性を調べるため、今後起こり得る紫外線放射量の減少幅に対応した2つの実験を実施した。その結果、北ユーラシアと米国東部の冬の気温が最大摂氏0.75度低下する可能性のあることが明らかになった。ただし、この程度の寒冷化では気候変動に対抗できない。また、このモデルの結果からは、冬の降水域が南方のヨーロッパ南部に移動し、ヨーロッパ北部と米国南東部において冬日が増えることも示唆されている。こうした変化は多めの見積りと考えるべきだが、今後、新たな気候強制力シナリオを作成する場合には、温室効果ガスとともに太陽活動の変化を考慮に入れるべきことが、今回の研究結果によって示唆されている。


(natureasia.com)

この論文には「The relative annual global mean near-surface temperature change for the period 2050-2099 is a cooling of 0.13 and 0.12°C for EXPT-A and EXPT-B, respectively」と書いてあるから、その点は先の論文と全く同じだが、「全球の気温に対する影響は非常に小さいものの、地域的な影響は大きくなる」ので、イングランドの気温を盾にホッケー・スティック曲線を否定することはできない、と言うのである。
では、どれほど「地域的な影響は大きい」のか?

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図6-7 「Nature Communications,6(2015)7535」の図2より

イングランドの気温低下は0.5℃以下。
上図は21世紀後半の予測値ではあるが、太陽活動が20世紀後半の状態からマウンダー極小期並みに低下した場合の値だから、マウンダー極小期から回復する17世紀末以降のイングランドの気温上昇も0.5℃以下のはず。
しかし、図6-4の赤線に見えるとおり、寒暖計に記録された気温上昇は1.5℃。
図6-2で示したような太陽活動の変動を考慮しない限り、マウンダー極小期の気候を再現できないことは明らかである。
この論文は太陽放射の変動は極めて小さい(0.1%未満)ことを示そうとしたものの、全く逆に、太陽放射の変動はずっと大きい(それでも0.5%未満ではあるが)ことを立証してしまったのである。

IPCC学派が何と喚き立てようとも、寒暖計の記録である図6-4とそうでない図6-3では、その信頼性は比べ物にならない。
英国気象庁と同国レディング大学が、世界最古を誇る自国の記録をも顧みずに、「太陽活動がマウンダー極小期のレベルを下回れば、地球の温度は0.13度低下する見込み」などと言い立てたのは、まことに恥知らずと言えよう。
なぜ、このように破廉恥なことが起こるのか?
太陽活動の変動は気候に殆ど影響しないと、始めから決めつけているからである。
なぜ、始めから決めつけているのか?
20世紀の気温上昇は偏に人為的排出CO2が原因と、始めから決めつけているからである。
太陽活動が気候に影響することが分かると、IPCCの人為的温暖化説が全くの虚構にすぎないことが露呈してしまうからである。

6.4 マイケル・マンの自白調書

しかし、遂に、ホッケー・スティック曲線を捏造したマイケル・マン本人が、太陽活動が気候に影響することを、認めてしまったのである!

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図6-8 「Scientific Reports,6(2016)19831」の図3より

この図の赤線は全球平均気温。
青線は「natural variability component」、つまり、自然変動要因である。
人為的排出CO2が原因で気温が下がる、ということはないから、20世紀前半において、青線が赤線より上にずれているのは明らかにおかしい。
そこで、青線を少し下にずらすと、20世紀前半は赤線と青線がほぼ一致する。
つまり、20世紀前半の気温上昇は自然要因である。
しかも、気候の内部変動なら、上がったり下がったりを繰り返すが、青線の20世紀後半はほぼ一定であり、それは図6-2と一致しているから、その自然変動は太陽活動に他ならない。
[注4]で紹介している記事にも見えるとおり、IPCCの人為的温暖化説はホッケースティック曲線が拠り所だが、マイケル・マンは「人間活動の気候変動に対する影響について、我々IPCCの科学者は大きな間違いを犯してきたようです」と自白してしまったのだ。

6.5 それでもホッケー・スティック、そして、終焉

しかし、ホッケー・スティック曲線はIPCCの生命線であり、その虚構が露呈すれば、IPCCも一巻の終わりだから、言いだしっぺの本人が白旗を揚げたにもかかわらず、下図に見えるとおり、IPCC学派は尚もホッケー・スティック曲線を正当化し続けている。[注6]

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図6-9 「Nature,536(2016)411」の図1より

論文の著者はこのように言い立ててる。


Humans have caused climate change for 180 years
25 August 2016
An international research project has found human activity has been causing global warming for almost two centuries, proving human-induced climate change is not just a 20th century phenomenon.
Lead researcher Associate Professor Nerilie Abram from The Australian National University (ANU) said the study found warming began during the early stages of the Industrial Revolution and is first detectable in the Arctic and tropical oceans around the 1830s, much earlier than scientists had expected.
“It was an extraordinary finding,” said Associate Professor Abram, from the ANU Research School of Earth Sciences and ARC Centre of Excellence for Climate System Science.
It was one of those moments where science really surprised us. But the results were clear. The climate warming we are witnessing today started about 180 years ago.”
The new findings have important implications for assessing the extent that humans have caused the climate to move away from its pre-industrial state, and will help scientists understand the future impact of greenhouse gas emissions on the climate.
“In the tropical oceans and the Arctic in particular, 180 years of warming has already caused the average climate to emerge above the range of variability that was normal in the centuries prior to the Industrial Revolution,” Associate Professor Abram said.
The research, published in Nature, involved 25 scientists from across Australia, the United States, Europe and Asia, working together as part of the international Past Global Changes 2000 year (PAGES 2K) Consortium.
Associate Professor Abram said anthropogenic climate change was generally talked about as a 20th century phenomenon because direct measurements of climate are rare before the 1900s.
However, the team studied detailed reconstructions of climate spanning the past 500 years to identify when the current sustained warming trend really began.
Scientists examined natural records of climate variations across the world’s oceans and continents. These included climate histories preserved in corals, cave decorations, tree rings and ice cores.
The research team also analysed thousands of years of climate model simulations, including experiments used for the latest report by the UN’s Intergovernmental Panel on Climate Change (IPCC), to determine what caused the early warming.
The data and simulations pinpointed the early onset of warming to around the 1830s, and found the early warming was attributed to rising greenhouse gas levels.
Co-researcher Dr Helen McGregor, from the University of Wollongong’s School of Earth and Environmental Sciences, said humans only caused small increases in the level of greenhouse gases in the atmosphere during the 1800s.
“But the early onset of warming detected in this study indicates the Earth’s climate did respond in a rapid and measureable way to even the small increase in carbon emissions during the start of the Industrial Age,” Dr McGregor said.

The researchers also studied major volcanic eruptions in the early 1800s and found they were only a minor factor in the early onset of climate warming.
Associate Professor Abram said the earliest signs of greenhouse-induced warming developed during the 1830s in the Arctic and in tropical oceans, followed soon after by Europe, Asia and North America.
However, climate warming appears to have been delayed in the Antarctic, possibly due to the way ocean circulation is pushing warming waters to the North and away from the frozen continent.


(Australian National University のプレスリリース)

「the earliest signs of greenhouse-induced warming developed during the 1830s in the Arctic and in tropical oceans」は下図の太い黒線に基づいている。

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図6-10 「Nature,536(2016)411」の図2より

しかし、それは、実際のデータである茶色の線から目を逸らすための、目くらましにすぎない。
前章で解説したとおり、IPCCの人為的温暖化説に従えば、(人為的排出CO2)温暖化による「Arctic」の気温上昇は世界平均の倍の速さで進む。
「The new findings have important implications for assessing the extent that humans have caused the climate to move away from its pre-industrial state, and will help scientists understand the future impact of greenhouse gas emissions on the climate」のためには、実際のデータである茶色の線から、その点を見定めねばならない。
そうすると、20世紀前半はかなり急激に気温が上がっていたが、1950年前後の気温は2000年前後の気温と変わらないことに気づく。
人為的なCO2排出は20世紀後半に激増したのだから、「the Earth’s climate did respond in a rapid and measureable way to even the small increase in carbon emissions」なら、20世紀後半の気温は、20世紀前半の急激な気温上昇をも遥かに上回る、ものすごい勢いで上がり続けていたはずだが、全く逆に、ほとんど上がっていない。
その意味においては、正に「It was an extraordinary finding」であり、「It was one of those moments where science really surprised us」である。
ということは、前章で解説したとおり、「the earliest signs of greenhouse-induced warming developed during the 1830s in the Arctic」ではなく、少なくとも20世紀前半までの気温上昇は自然要因ということであり、図6-2に見える太陽活動の活発化が原因、ということである。
またしても、「人間活動の気候変動に対する影響について、我々IPCCの科学者は大きな間違いを犯してきたようです」と自白してしまったのだ。

[注1] 太陽の放射に関しては、下図のように、図6-1よりも低い値を示すデータがある。

2014042501
図6-11 太陽放射の推移(黒線)

しかし、これを使っても結果は(6-1)と同じ。

(6-4)    \displaystyle \sqrt[4]{\frac{\,0.7 \times 1361}{4\,\sigma }} - \sqrt[4]{\frac{\,0.7 \times 1358}{4\,\sigma }} = 0.14

[注2] これ以前にも「Journal of Geology & Geophysics」で論じられている。

[注3] その後の論文「Geophys.Res.Lett,40(2013)1789」も、2025年から2065年までの間に太陽活動が図6-9の1900年の水準に下がっても、気温は下図の青線のようになる、と言い張っている。

2016051902
図6-12 「Geophys.Res.Lett,40(2013)1789」の図2

始めの10年間を除けば、青線は黄色の線と同じペースで上がり続け、2080年頃には黄色の線と一致している。
つまり、青線は黄色の線が10年ほど後ろにずれただけである。
しかし、太陽活動が図6-9のように変動するということは、20世紀前半の気温上昇は太陽活動の活発化が原因ということであり、人為的要因の気温上昇は0.4℃にすぎないということであり、IPCCの気候モデル、すなわち、橙色の線は人為的要因の気温上昇を著しく過大評価しているということだから、そんな結果になるはずがない。
全く非論理的である。
IPCC学派は太陽活動は気候に殆ど影響しないと言い張っているけれど、実のところ、気候モデルは太陽活動の変動が大きくても気候に殆ど影響しないように設計されているのだ。

[注4] もちろん、それは1700年までの話。
IPCCの人為的温暖化説に依れば、20世紀の気温上昇は偏に人為的排出CO2が原因だから、IPCCの人為的温暖化説が正しいためには、19世紀以前の気温はほぼ一定でなければならず、そのために恣意的なデータ処理を行って、1400年までがほぼ平坦なグラフを導き出した結果が図6-3なのである。


■短いメールが波紋呼ぶ
ことの発端は11月中旬、英イーストアングリア大学で起きたデータ盗難だった。同大の気候研究ユニット(CRU)は世界の気候研究の中心の一つで、そのコンピューターから、同ユニットの研究者たちが送受信したメール約1000通とデータやプログラムの含まれたファイルが、ネットワーク経由でごっそり盗まれたのだ。
犯人は確信犯だった。彼(彼らかも)は、そのメールやデータの束を世界の複数のネットワークに送信。
そのデータは、なんと検索機能付きのデータベースにおさまり、誰でも見られるWEBに公開されていた。
問題はメールの中身だった。中でも、1999年11月16日付のCRU所長フィリップ・ジョーンズが、レイモンド・ブラッドレー(マサチューセッツ大アムハースト校教授、同気候システム研究センター長)、マイケル・マン(ペンシルベニア州立大教授)、マルコム・ヒューズ(アリゾナ大教授)の3人の気候学者に宛てた1通の短いメールが波紋を呼んだ。
その3人は前年、英科学誌「ネイチャー」に画期的な論文Nature,392(1998)779を発表していた。「過去6世紀にわたる地球規模の気温傾向と気候強制」という題名で、世界のあちこちに埋もれた古い樹木の年輪を調べて、時代ごとの気温を推定。今に至る600年間の変化をグラフに表したのだ。
データは数十年間ではアップダウンの凸凹があるが、均してみれば、15世紀から19世紀まではほぼ横ばい、20世紀に入ってからは急な上昇を示しているように見える。さらに3人は、99年にも400年分のデータを加え1000年間の気温傾向を発表「Geophys.Res.Lett.26(1999)759」している。
このデータは、産業革命以後の温暖化を主張する IPCCの目にとまった。IPCC第2次報告書(95年)の時点では、20世紀に入って気温が上昇傾向にあるかどうかについて、論議は尽くされていなかった。きちんとした気温測定のデータがあるのはせいぜい最近の200年ほどで、それ以前と比較できなかったからだ。それゆえ、マンたちのデータは画期的で、IPCCの主張の正当性を裏付けることになった。
・・・中略・・・
■米国議会で追及の動き
ところが、問題はこれだけではなかった。ジョーンズらが、IPCC の見解に反対する学者に対し、論文の専門誌掲載を拒否するなどの圧力をかけていたと推察されるメールも流出データに含まれているという。
例えば、04年7月8日付のジョーンズからマンに宛てたメールだ。
「MMのその他の論文はまったくクズだ……こういう論文はIPCCの次の報告書ではあるわけない、査読付き論文の定義を変えなければならなくても、ああいうのは追い出してやる」
MMの論文Energy & Environment,14(2003)751とは、その前年マンたちの主張に対し「データ処理が間違っている」と反論したカナダの社会科学系の研究者マッキンタイアとマキトリックの論文だ。必ずしも気候研究の専門家ではないが、方法論の違いなどで論争になっていた。それを意図的に「無視」するのはフェアでない、というわけだ。
その後、二人の論文は地球科学専門誌「Geophys.Res.Lett.32(2005)L03710」に掲載され、マンらと同じ土俵で議論されるようになったため、問題はとりあえず解決はしている。


(AERA2009年12月14日号より)

マッキンタイアとマキトリックが正しいデータ処理を行った結果は下図である。

2016042801
図6-13 「Energy & Environment,14(2003)751」より

1500年以前は20世紀後半と同じほど気温が高かったという結果になったが、その後、それを裏づける論文が現れた。

fig 07-05
2013年6月5日の朝日新聞夕刊紙面より(当該論文は PNAS,110(2013)9839

朝日新聞は、「地球温暖化の影響で20世紀以降、解けつつあり、最近は年3~4ミリずつ後退している」と言い立てて、人為的温暖化を煽っているつもりだろうが、「外部からの侵入ではなく、400年以上も前の小氷河期(1550~1850年)に閉じ込められたことがわかった」ということは、1500年以前は、氷河が現在と同じかそれ以上に後退していたということであり、従って、現在と同じかそれ以上に気温が高かった、ということに他ならない。
(氷河は動くから、コケは見つかった地点よりも高いところに、つまり、現在も氷河に覆われている地点にあったはずである。そのことを鑑みれば、1500年以前は現在よりも気温が高かった可能性が高い。)
これは文字通りの「生き証人」であり、図6-3の虚構は明らかである。

[注5] 同年に別の論文も同じことを言い立てていた。

2013102101
図6-14 「Nature,496(2013)201」より

[注6] もちろん、これ以外にも出ている。

2016051901
図6-13 「Quaternary Science Reviews,134(2016)1」より

しかし、西暦1000年頃の気温が現在よりもずっと高かったことを示す歴史的な証拠が残っている。


中世グリーンランドでのバイキング消滅、気候の寒冷化が背景
2011.5.31 17:54
デンマーク領グリーンランドで中世にノルウェーのバイキングの集落が突如消滅したことをめぐり、12世紀に起きた気候の急激な寒冷化が背景にある可能性があることが、「米国科学アカデミー紀要」に発表された米英の科学者チームの研究「Proc.Nati.Acad.Sci.,108(2011)9765」で明らかになった。
米ブラウン大学のウィィアム・ダンドレア氏らがまとめた報告書によると、科学者チームはグリーンランド西部にある湖沼堆積物の中核部を調査し、過去の気温の変動を復元。その結果、これまで知られていなかった12世紀の寒波が明らかになり、気候の寒冷化がバイキングの集落消滅につながった可能性があることが分かった。
バイキングは980年代にグリーンランドに上陸。当時の気候は現在と同じように温暖だった。
米ブラウン大学は声明で「グリーンランドからのバイキングの集落消滅には気候が大きな役割を果たした」との考えを示し、1100年頃からの80年間で平均気温が摂氏4度低下していたことを発表した。
これは現在のスコットランドのエディンバラの気温がアイスランドのレイキャビクの水準まで下がることとほぼ同じ変化となり、大幅な気温の変化が当時の穀物栽培や家畜に多大な悪影響を与えたとみられている。
これまでの調査では、グリーンランドのバイキングの集落は、西海岸側が1300年代半ばに、東海岸側が1400年代初頭に消滅していることが分かっているものの、その理由についてははっきりしておらず、先住民イヌイットとの衝突やより良い狩り場を求めての移動、経済的なストレスや気候変動などが原因と考えられている。


(ロイター)

現在はグリーンランドにも人が定住しているけれど、年がら年中、暖房しているはずで、冬季は暖房がなければ生存不可能な厳しい環境であることに変わりはない。
1000年前には現在のような暖房設備が無いにもかかわらず、バイキングが定住していたということは、「当時の気候は現在と同じように温暖だった」ではなく、「当時の気候は現在よりもはるかに温暖だった」ことを示している。


氷に覆われてるのに「グリーンランド」、なぜ?
アイスランドとグリーンランドは名前を交換したほうがいいのか
2016.7.6
不思議に思ったことはないだろうか? どうして、「氷の大地」という名前のアイスランドが緑に覆われていて、「緑の大地」グリーンランドは氷に覆われているのかと。
よく耳にするのは、これらのネーミングには意図があるというもの。アイスランドに移住したバイキングが、自分たちの緑豊かな島への過剰な移住を阻止するために、わざと魅力的でない名前を付けた。その一方、氷に覆われたグリーンランドへの移住は誰も気に留めなかったというものだ。ところが真実はもう少し複雑で、古代スカンジナビア人の習慣と地球の気候変動が関係しているらしい。
グリーンランド、8割以上が氷
グリーンランドの8割以上が氷に覆われている。しかし、「赤毛のエイリーク」として知られるバイキングが島の南西部に初めて降り立った西暦982年の夏は、おそらくもっと草が青々としていただろう。グリーンランド南西部のその地は、アイスランドよりも南に位置し、現在でも牧羊とジャガイモ栽培が盛んだ。
一方、メキシコ湾流の影響で、アイスランドの海面温度はグリーンランドよりも6℃ほど高くなることがある。気候が穏やかなため、夏のアイスランドは至るところで緑が生い茂る。ただし、面積の11%は常に氷河に覆われたままだ。ヴァトナヨークトル氷河は欧州最大の氷河で、プエルトリコの面積とほぼ同じ広さがある。
名前の違和感はこうして生まれた
現在の名称はともに、バイキングによって付けられたものだ。古代スカンジナビアでは、物に見たままの名前を付けるのが一般的だった。例えば、赤毛のエイリークの息子であるレイフ・エリクソンは、野生のブドウ(おそらくブラックベリーだろう)が沿岸で生えているのを見つけたため、現在のカナダの一部に「ブドウの大地」という名前を付けた。
氷床コアと軟体動物の殻のデータから、西暦800年から1300年にかけて、グリーンランド南部は現在よりもずっと暖かかったことが示唆されている。つまり、バイキングが初めてこの地を訪れたとき、グリーンランドという名前は辻つまが合っていたと考えられる。しかし、14世紀までに、グリーンランドの夏の最高気温は低下した。気温の低下は作物の減少と海氷の増加を意味し、そこに暮らしていた古代スカンジナビア人は、植民地を去らざるを得なかった。


(ナショナルジオグラフィックより)

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