地球は水の惑星

fig 03-00

前章で見たとおり、(2-1)式はIPCCの温暖化説を包含しているが、それ故に、IPCCの温暖化説が非科学的・非現実的な代物にすぎないことを示せるのだ。

なぜIPCCの温暖化説は非科学的・非現実的なのか?
地球の大気は水蒸気で満ちているからである。
水蒸気も15μm帯域で赤外線を吸収するから、実際の赤外吸収・射出の平均回数nはCO2のみを考えた場合よりもずっと多いはずだからである。
そこで、水蒸気を含んだ実際の大気の産業革命時における赤外吸収・射出の平均回数は気候モデルの倍になると、つまり、80であると仮定してみよう。
水蒸気量が圧倒的に多いことを考えれば、この値はむしろ過小評価であるが、気候モデルの虚構を明瞭に示すことができる。

図2-1と同様に、まずは20世紀の気候変動を調べてみよう。
但し、今回は「Journal of Atmospheric and Solar-Terrestrial Physics,80(2012)124」に従って、20年周期と60年周期の自然変動を加える。[注1]
つまり、次式を計算する。

(3-1)    \displaystyle 3 \left[ \sqrt[4]{\frac{\,n_0 \left( d/d_0 \right) \left( 255^4 - \delta \times 215^4 \right)}{1 + n_0 \left( d/d_0 \right) \left( 1- \delta \right)}} - \sqrt[4]{\frac{\, n_0 \left( 255^4 - \delta \times 215^4 \right)}{1 + n_0 \left( 1-\delta \right)}} \: \right ] + c \\ + \, 0.1 \times \cos \left[ \frac{\,2\,\pi \left( y-2000.8 \right)}{60} \right] + \, 0.04 \times \cos \left[ \frac{\,2\,\pi \left( y-2000.8 \right)}{20} \right]

(ここで、dは西暦y年の大気中CO2濃度、産業革命時のCO2濃度はd_0=280。)
n_0=80、c=-0.49に選ぶと、20世紀の気温上昇を概ね再現できる。

2016061201
図3-1

そこで、2014年以降はCO2濃度が毎年2.1ppmずつ増加すると仮定して、21世紀の気温を予測してみよう。
この場合、2090年頃にはCO2濃度が産業革命時の倍になる。

2016061202
図3-2

IPCCの人為的温暖化説ではCO2濃度が倍増すれば気温は3℃上がるから、20世紀の気温上昇0.8℃を差し引いても、今世紀末には2℃以上も上がるはずだが、0.6℃しか上がらない。
IPCCの気候モデルは破綻しているのだ。
なぜならば、水蒸気があるから、つまり、地球は水の惑星だからである。

もちろん、IPCC学派は、気候モデルは水蒸気を考慮している、と言い立てている。
実際、IPCC第5次報告書政策策定者向け要約の執筆者に唯一人の日本人として名を連ねている江守正多はこのように述べている。


ではなぜ水蒸気は問題にならないかというと、人間活動によって増えたり減ったりするものではないからです。一方で吸収量を上回って排出されたCO2は出せば出すほど大気中に貯まっていってしまいます。
・・・中略・・・
ところが人間が化石燃料を燃やしてCO2濃度を上昇させることで大気の温度が上がると、飽和水蒸気量が増えて、その増えた分の水蒸気の温室効果によってさらに地球が温まるという、水蒸気によるフィードバックが生じてしまいます。もちろんこれは温暖化の予測の中で考慮されています。
・・・中略・・・
一方懐疑論の中で問題なのは、間違ったことが書いてある点です。例えば実は考慮に入っているのに、「IPCCは先の水蒸気の効果が入っていない」とか、「石油の枯渇を考慮に入れていない」とか書かれています(それも自信満々に書いてあったりする・・・)。


(「CASA Letters 66号」の15頁及び16頁より)

しかしながら、水蒸気をフィードバックの中でのみ考慮していること、産業革命時において地球の大気は既に十分な水蒸気を含んでいたが故に、CO2の吸収帯域における赤外吸収・射出の平均回数を大幅に押し上げていることを考慮せずに、CO2が倍増すれば(それだけで)気温は1℃上がると言い張っていることを、自ら認めてしまっただけである。
にもかかわらず、「一方懐疑論の中で問題なのは、間違ったことが書いてある点です。例えば実は考慮に入っているのに、『IPCCは先の水蒸気の効果が入っていない』とか」などと、「それも自信満々に書いてあったりする」のだから呆れてしまう。

地球は水の惑星ゆえにCO2の効果は増幅されるが、地球は水の惑星ゆえにCO2の影響は制限されるのである。

[注1] 20年周期は太平洋十年規模振動(PDO)、60年周期は大西洋数十年規模振動(AMO)に因ると考えられる。
但し、ここでの扱いは全く現象論的である。

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