温暖化対策の愚

fig 06-00

5.1 1.5℃目標

冒頭で紹介した2013年5月22日の朝日新聞記事に見えるとおり、これまでは「2℃目標」が声高に叫ばれてきたが、2015年のCOP21では、さら「1.5℃目標」が追加された。
それに関して、朝日新聞はこのように言い立てている。


温暖化対策の新合意 危機感共有の第一歩だ
「今日、私たちは人類にとって最大級の試練、気候変動に直面して、ここにいる。ツバルのような国の生き残りはこの会議の決定にかかっている」
こんな悲痛な首脳演説で幕を開けたフランス・パリでの国連気候変動会議(COP21)が、2020年以降の地球温暖化対策に関する新しい国際枠組みでようやく合意に達した。
複雑に絡む利害を反映し、各国が折り合いをつけた結果だけに、不足はいろいろある。
それでも、平均気温の上昇を2度未満に抑えるというこれまでの目標だけでなく、「1.5度未満に抑えるよう努める」と明記した意義は大きい。
二酸化炭素など温室効果ガスの排出をできるだけ早く減少に転じ、今世紀後半には森林や海による吸収以下にする「実質ゼロ」の長期目標も盛り込んだ。
「数カ月前まで考えられなかった」と環境団体も驚く。
2度と1.5度では温暖化による海面上昇で決定的な差が生じるという数値予測がある。国土の水没を恐れるツバルなど小さな島国の懸命な訴えを、大国も軽んじられなかったのだ。
6年前に温暖化交渉は一度決裂した。だがその後、先進国を含む世界各地で記録的な熱波や大雨、干ばつ、強烈な嵐など気象異変が相次ぎ、多くの人々が気候変動への懸念を強めたことが交渉の原動力になった。
■京都議定書を超えて
核兵器による突然の破滅が人類にとって急性疾患とすれば、温暖化はじわじわと苦痛や危機をもたらす慢性疾患といえる。
合意された排出の削減や抑制は自主的な取り組みとはいえ、途上国も参加する。先進国だけに削減を義務づけた京都議定書から大きく前進した。
温暖化への危機感を世界が共有して踏み出す第一歩である。
世界が地球益の下に結束して「共通だが差異ある責任」を果たそうと誓ったのがパリ協定であり、各国は様々な被害軽減などにもこぞって乗り出す。
今回の最大の推進役は、皮肉にも共和党政権下で京都議定書を離脱した米国だった。
オバマ民主党政権は、首脳会談を通じて世界最大の排出国になった中国やインドを巻き込んだ。さらに、削減機運を高めようと島国や欧州連合(EU)などがつくった「野心連合」に電撃的に参加を表明し、合意への流れを確実にした。
来年の大統領選もにらんだ積極的な動きだった。
■後悔しない政策を
米国の共和党支持層には温暖化懐疑論が根強い。
確かに温暖化の研究は進んでいるが、完璧には程遠い。人類の知恵が十分及ばぬほど地球環境システムは複雑だからだ。
だが産業革命以後、石炭や石油などの化石燃料を人類が大量に燃やし始め、大気中の二酸化炭素が急速に増えたことは確かだ。この濃度の急上昇により、近年の温暖化は説明できる。
この先も二酸化炭素濃度が上がれば気温も上がると予想される。しかし、どのぐらいの濃度になると何度気温が上がると正確に予測する精度はない。
さらに言えば、温暖化の原因はほかにあるかも知れない。それでも、国際社会は現時点では温室効果ガスが最も疑わしいと判断し、排出削減で温暖化を抑えようと決意したのである。
温暖化の科学に不確実さがあっても、将来に向けて「後悔しない政策」を選択したのだ。

■日本も決意が要る
そんな決意の乏しい日本政府は、パリでほとんど存在感を示せなかった。米国の野心連合参加も寝耳に水だったという。
会場の展示で各国は競うように自国の立場をアピールした。だが、日本のブースは四方を壁で囲っただけの空間。世界の流れに目や耳をふさぐかのような、象徴的な造りだった。
世界は脱化石燃料・脱炭素社会に大きくかじを切る決意をした。今回、長期目標が従来よりずっと野心的なものになったことで、世界経済の潮流も急速に変わっていくだろう。
国内総生産で世界3位、ガス排出量でも5位の日本が、この変化に受け身のままでいいはずがない。社会や産業の構造を、もっと積極的に脱炭素に切り替えていくべきである。
パリ協定は高い目標を掲げたとはいえ、達成の道筋や仕組みの検討はこれからだ。日本は政府も企業も様子見をやめて、今後の過程で貢献することが重要だ。ここで追いつかなければ、まさに化石になりかねない。
協定が変革を迫っているのは政府や企業だけではない。
家庭や自治体、さらには社会も、従来のエネルギー多消費型から省エネを考えたものに変わっていかなければいけない。
海外に比べて日本で弱いのは、個を超えた共同での省エネ化だ。個人や家庭、企業がつながることで、無理なく、より効率的に省エネが進む。
案じるよりも、みんなで一歩を踏み出す決意を持ちたい。


(2015年12月15日の朝日新聞社説)

「どのぐらいの濃度になると何度気温が上がると正確に予測する精度はない」けれど、「この先も二酸化炭素濃度が上がれば気温も1.5℃までは上がると予想される」。
その理由は以下のとおり。
IPCCに依れば、人為的なCO2排出に因る気温上昇は(北半球の)高緯度ほど大きく、全球平均の2倍の速さで進行するという。


フィンランド、世界最速の気温上昇 世界平均のほぼ2倍
2014年12月23日 13:22 発信地:ストックホルム/スウェーデン
北欧フィンランドの気温が過去166年間に、世界平均のほぼ2倍のペースで上昇していたことが分かった。フィンランド気象庁が22日、東フィンランド大学の研究に基づいて発表した。地球温暖化の影響は高緯度ほど大きいとの説を裏付けるものとなった。
フィンランド気象庁によると、同国の平均気温は1847年から2013年までの166年間で2度以上も上昇した。10年ごとの気温上昇は平均0.14度で、世界平均のほぼ2倍だという。
実際、冬に湖が凍結する時期が遅くなったり、春に花が咲く時期が早くなったりするなど、気温上昇の影響は日常の生活でも目に見えて表れ始めている。月別にみると気温上昇が最も顕著なのは11、12、1月で、3、4、5月はそれほどではないという。


(AFP)

ところが、当該論文を見ると、1940年前後の気温が2000年以降と同じほど高かった。

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図5-1 「Stochastic Environmental Research and Risk Assessment,29(2015)1521」より

フィンランドだけではない。
下図に見えるとおり、アイスランドでも1940年前後の気温は2000年以降と同じほど高かった。

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図5-2 「Arktos,2(2016)24」より

グリーンランドも然り。[注1]

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図5-3 「Geological Survey of Denmark and Greenland Bulletin,35(2016)71」より

以上の3地域以外も同様であり、北半球高緯度全般で1940年前後の気温が2000年以降と同じほど高かった。

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図5-4 北緯70度から90度の平均気温推移(「Climate4you」より)

CO2の排出は20世紀後半に激増したから、IPCCが正しいのなら、つまり、20世紀の気温上昇はCO2の排出が原因であり、「地球温暖化の影響は高緯度ほど大きい」のなら、21世紀の気温は20世紀前半の気温よりもずっと高いはずである。
ところが、20世紀前半と大差ない。

確かに、下図に見えるとおり、全球平均気温は20世紀前半よりも21世紀が0.4℃高いけれど、人為的排出CO2の影響が一番大きいはずの北半球高緯度ですら、CO2の影響がハッキリと認められないのだから、「この濃度の急上昇により、近年の温暖化は説明できる」はずがない。
「かも知れない」ではなく、確かに「温暖化の原因はほかにある」。

fig 06-03
図5-5 「STOP THE 温暖化 2012」より(原典はIPCC第4次報告書のFAQ3.1の図1)

北半球高緯度の気温を見れば、少なくとも、20世紀前半までの気温上昇は自然要因であり、それを考慮すれば、次の結論が下せる。[注2]

過大に評価しても、1940年前後と2000年以降の気温差0.4℃が人為的排出CO2に因る気温上昇である。

過大評価して0.4℃だから、実際には、それよりも小さい可能性が高い。
その意味では「温暖化の科学に不確実さ」がある。
しかし、「将来に向けて『後悔しない政策』を選択」するために、過大に評価した値を用いよう。
そうすると、フィードバックで3倍に増幅されるから、産業革命から今日までCO2単独の温室効果は0.13℃上がっただけである。
再び(2-1)式を用いて、この事実を考察しよう。[注3]

第3章図3-1の赤線は20世紀の気温上昇を概ね再現できるように見えるけれど、自然変動は20年周期と60年周期だから、1880年と2000年の気温差は専らCO2が原因であり、人為的要因の気温上昇は0.4℃にすぎないという事実に反している。
ということは、産業革命時における赤外吸収・射出の平均回数  n_0 は80よりずっと多い、ということである。
そこで、産業革命時における赤外吸収・射出の平均回数を175に採ると、15μm帯域の温室効果は

(5-1)    \displaystyle \sqrt[4]{\frac{\,175 \times \left( 255^4 - 0.21 \times 215^4 \right)}{1 + 0.79 \times 175}} - 255 = 7.525

大気中CO2濃度が産業革命時の280ppmから現在の390ppmに増えると、赤外吸収・射出の平均回数が(390÷280)×175=244に増えるから、今現在の15μm帯域の温室効果は

(5-2)    \displaystyle \sqrt[4]{\frac{\,244 \times \left( 255^4 - 0.21 \times 215^4 \right)}{1 + 0.79 \times 244}} - 255 = 7.658

(5-1)との差はちょうど0.133℃。
フィードバックで3倍に増幅されると0.4℃。
産業革命時における15μm帯域の温室効果は既に7.5℃を超えていたのである。
第1章で解説したとおり、15μm帯域の温室効果の上限は8℃だから、上がる余地は0.5℃も残っていない。
フィードバックで3倍に増幅されるけれど、人為的なCO2排出が続いても気温上昇は1.5℃以内に止まる。
「将来に向けて『後悔しない政策』を選択」した結果がこれである。
「脱化石燃料・脱炭素社会に大きくかじを切る決意を」しなくても1.5℃未満に収まるのだ。

5.2 CO2排出で豪雨?

もちろん、IPCC学派や朝日新聞は、気温上昇が1.5未満でも既にCO2の甚大な影響が現れている、と騒ぎ立てている。
CO2に因る温暖化が原因で異常気象が頻発している、と言うのだ。

2013090902
2013年9月8日の朝日新聞朝刊紙面より


相次ぐ台風 経験超える想定が必要
台風10号が日本列島に接近している。上陸すれば1カ月で4個目で過去最多タイとなる。
今回の台風は南の海上からUターンするという、異例の進路をたどった。東北地方の太平洋側に上陸すれば1951年の統計開始以来初となる。
東日本大震災で海岸線がダメージを受けた所も多く、警戒が必要だ。
沿岸での高潮や暴風、河川の氾濫(はんらん)には十分に気をつけたい。自治体や交通機関は、必要な情報を迅速に提供してほしい。
廃炉作業が進む福島第一原発への影響も心配だ。2013年には汚染水タンクを囲む堰(せき)から台風などによる雨水があふれ、対応が後手に回った。見回りを強化するなど、東京電力は緊張感をもって臨んでほしい。
9号上陸の際は、東日本の広い範囲で避難勧告が出された。首都圏でも地盤がゆるみ、土砂災害の危険や河川が増水しやすい所がある。勧告が出ていなくても早めの避難を心がけたい。
今年の夏の天気は異例続きだった。大阪では8月の猛暑日が計23日と、1883年の統計開始以来の最多記録となった。台風は1号が7月3日に発生、統計開始の51年以降で2番目に遅かったが、8月に入ってたて続けに7個が発生。北海道には初めて三つも上陸した。
昨年は関東・東北豪雨で鬼怒川(茨城県)が決壊し、8千戸以上が被災。14年には広島の土砂災害で75人が亡くなった。
相次ぐ極端な気象は、地球温暖化との関係も指摘される。海水温の上昇が、より強い集中豪雨や台風をもたらすとの予測もある。経験値では推しはかれない現象が、常に起こり得る時代だと考える必要がある。

防災の観点から気をつけたいのは、自分がなじみのない場所では、災害に巻きこまれるリスクが高いということだ。
台風の「当たり年」だった04年には、10個目に上陸した台風23号の豪雨で、京都府舞鶴市で由良川が氾濫して観光バスが水没、乗客がバスの屋根で一夜を明かしたことがある。一方で、いち早く自宅に避難して無事だった地元住民もかなりいた。
不要な外出を控え、出先では無理をしないことが大切だ。
9月1日は「防災の日」だ。最近は台風の襲来後に巨大地震が発生するといった複合災害を想定した訓練をする自治体もある。孤立集落への対応、電気・ガスなどライフラインの代替手段確保など、準備しておけば起きた時に対応しやすくなる。
一人ひとりが自分の身は自分で守ることを心がけて、被害を最小限に食い止めたい。


(2016年8月30日の朝日新聞社説)

しかし、海からの蒸発はひっきりなしに続くから、蒸発が止まりはしないから、「温暖化に伴う気温の上昇で、大気が抱えていられる水蒸気量(飽和水蒸気量)は増える・・・飽和水蒸気量の増え方のほうが大きいため、雨の頻度は減る一方で、1回当りの降雨は激しくなる」という理屈は全く成り立たない。
その証拠に、「昨年は関東・東北豪雨で鬼怒川(茨城県)が決壊」では、下図に見えるとおり、我国の気温は平年よりもかなり低かったし、近海の海水温も高くなかった。
(「14年には広島の土砂災害で75人が亡くなった」に関しては、第14章の第5節で解説する。)

2015091104
図5-6 2015年9月1日から10日の東アジアの気温偏差(NOAA・NCEP)

その豪雨のメカニズムは下の記事に見えるとおりだが、気温が低かったから、台風からの暖かく湿った空気が流れ込み続けたのである。


同じ地域で断続的に積乱雲が発生 大雨のメカニズム
2015年9月10日15時20分
大雨は関東地方を中心にした南北の帯状の範囲で降り続いている。
気象庁によると、東海―北陸地方を縦断して日本海に抜けた台風18号が変わった温帯低気圧に向け、太平洋側から非常に湿った空気が流れ込んでいる。このため、積乱雲が断続的に発生している。
記録的な大雨になったのは、同じ地域に積乱雲がかかり続けていることが大きい。温帯低気圧を取り巻く南西から南の風と、太平洋の台風17号を取り巻く東風がぶつかり合っているためで、行き場のない空気が上昇することで積乱雲を発達させている。こうした状況が東西約200キロの幅の範囲で続いているという。
気象庁の弟子丸卓也予報課長は記者会見で「台風の風がぶつかりあい、せきとめられるような形で帯状につながる例は珍しい。記憶にない」と話した。

2015091105
大雨のメカニズム


(朝日新聞デジタル)

そして、「温暖化に伴う気温の上昇で、大気が抱えていられる水蒸気量(飽和水蒸気量)は増える」から豪雨になったのではなく、全く逆に、「気温の低下で、大気が抱えていられる水蒸気量(飽和水蒸気量)が減った」から、つまり、大気が水蒸気を抱えていられないから、大雨が降り続いたのである。
その証拠に、その後の研究に依れば、19世紀以前の気温が低かった時代に異常気象がより多く発生していた。


地球の気候予測に誤りがある可能性、研究
2016年4月7日 14:41 発信地:パリ/フランス
地球温暖化の影響で、20世紀には前例がないほど異常な降水量となるとした予測は誤りだとする研究論文が6日、発表された。将来の傾向を予測する方法についても、疑問視している。
英科学誌ネイチャー(Nature)に掲載された論文Nature,532(2016)94によると、北半球の過去1200年の降水量について大規模な調査を実施した結果、化石燃料に起因する地球温暖化が始まる以前の、平均気温がより低かった時代に、こうした極端な現象がより多く発生していたことが明らかになったという。
これにより、地球温暖化が原因で1900年代に記録的な降水量となると予想された際に使用されたデータモデルが、今後を予測する際の基礎になっていることは、問題だとしている。
地球温暖化とその影響について各国政府に報告を行っている国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は、温室効果ガスの排出によって地球の平均気温が上昇するにつれて、乾燥地帯ではより乾燥が進み、雨の多い地域ではより降水量が多くなると主張している。
一方、今回発表された論文では、20世紀の世界の平均気温の上昇は、多くの人々の予測とは異なり、記録的な豪雨や干ばつの直接の原因ではないと指摘。
論文の主執筆者であるスウェーデン・ストックホルム大学のフレデリク・リュンクビスト(Fredrik Ljungqvist)氏は、「変動の大半は気温だけではなく、どちらかというと内在的な、より不規則的な変動によって生じる」と説明した。
今回の研究にあたっては、歴史や気象、地質学、数学などの専門家チームが、欧州や北アジア、北米の干ばつと降水量のデータをまとめ、12世紀分の「水の歴史」を作成。流出量や湖の水位、海底・湖底堆積物、木の年輪、歴史的な記録など、地質学的に保存された証拠も考慮した。
リュンクビスト氏によると、「過去には、より長期的な年代区分で見ると、大きな変動もあった」という。
米カリフォルニア州立大学地質科学学部のマシュー・カービー(Matthew Kirby)氏は、こうした相違は間違いなく、温暖化と極端な降水量との関連性についての激しい議論に油を注ぐことになると、同誌でコメントした。


(AFP/Mariette Le Roux)

「温暖化に伴う気温の上昇で、大気が抱えていられる水蒸気量(飽和水蒸気量)は増える・・・飽和水蒸気量の増え方のほうが大きいため、雨の頻度は減る一方で、1回当りの降雨は激しくなる」が「CO2で干ばつ&豪雨」の基本原理であるにもかかわらず、それが成り立たないのだから、CO2の排出と異常気象との因果関係は無い、または、あったとしても弱いことは明白である。

5.3 CO2排出で山火事?

にもかかわらず、尚も、人為的(排出CO2)温暖化に因る干ばつで森林火災が増加している、と言い立てている。


米西部の森林火災、気候変動により30年で面積倍増 研究
2016年10月11日 15:00 発信地:マイアミ/米国
地球の温暖化と乾燥化を進行させている気候変動により、過去30年間に米国西部で発生した森林火災の延焼面積が約2倍に拡大したとの研究結果が10日、発表された。
査読審査のある学術誌の米科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載された論文「PNAS,113(2016)11770」によると、1984年以降、乾燥度と気温の上昇が原因の火災による延焼面積が4万1500平方キロ増加したことが分かった。これは、カリフォルニア州ロサンゼルス市の面積の約30倍に匹敵するという。
論文は、「1984~2015年に米西部の森林火災面積は、気候の自然変動のみから予測される水準を超えて、ほぼ倍増した」としながら、今後さらに猛烈な森林火災が起きることが予想されると警告している。
共同執筆者で、米コロンビア大学ラモントドハティ地球観測研究所(Lamont-Doherty Earth Observatory)の生物気象学者、パーク・ウィリアムズ(Park Williams)氏は「どれほど懸命に取り組んでも、森林火災の規模は拡大し続ける見通しで、その理由は実に明白だ」と述べた。森林火災は1980年代以降、増加傾向にある。
2016年に入ってから米西部では約1万2000平方キロに及ぶ森林が焼失した。過去最悪の年とはなっていないが、今後2か月の間に最も危険な状態に見舞われる恐れもある。
論文によると、2015年に米全土で起きた森林火災の延焼面積は約4万900平方キロに達し、全米省庁合同火災センター(NIFC)が1983年に原野火災面積の記録を開始して以来、最大となった。
同年の火災シーズンの消火活動に要した連邦政府の費用も、過去最高の21億ドル(約2200億円)に上った。
研究チームは森林の乾燥状態について、パルマー渇水指数(Palmer Drought Severity Index)、マッカーサー森林火災危険指数(MacArthur Forest Fire Danger Index)、カナダ森林火災危険評価システム(Canadian Forest Fire Danger Rating System)などを含む8種類の評価システムを分析して、今回の数字を算出した。
しかし、害虫による樹木枯死の影響や雪解けの早期化に起因する土壌水分の変化、温暖化で発生頻度の増加が予想される雷による火災など、その他の要因は考慮されていないため、今回の推定値は実際より低い可能性があると研究チームは指摘している。


(AFP)

しかし、その後、同じ「査読審査のある学術誌の米科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載された論文『PNAS,113(2016)13684』によると」、森林火災増加の原因は土地利用の変化(乱開発)であり、(CO2の排出に因る)気候変動ではないことが分かった。
もちろん、それも人為的要因だが、人為的排出CO2(に因る気候変動)が原因ではない。
その論文の著者はこのように述べている。


Forest fire activity in California’s Sierra Nevada since 1600 has been influenced more by how humans used the land than by climate, according to new research led by University of Arizona and Penn State scientists.
For the years 1600 to 2015, the team found four periods, each lasting at least 55 years, where the frequency and extent of forest fires clearly differed from the time period before or after.
However, the shifts from one fire regime to another did not correspond to changes in temperature or moisture or other climate patterns until temperatures started rising in the 1980s.
“We were expecting to find climatic drivers,” said lead co-author Valerie Trouet, a UA associate professor of dendrochronology. “We didn’t find them.”
Instead, the team found the fire regimes corresponded to different types of human occupation and use of the land: the pre-settlement period to the Spanish colonial period; the colonial period to the California Gold Rush; the Gold Rush to the Smokey Bear/fire suppression period; and the Smokey Bear/fire suppression era to present.
“The fire regime shifts we see are linked to the land-use changes that took place at the same time,” Trouet said.
“We knew about the Smokey Bear effect ? there had been a dramatic shift in the fire regime all over the Western U.S. with fire suppression. We didn’t know about these other earlier regimes,” she said. “It turns out humans - through land-use change - have been influencing and modulating fire for much longer than we anticipated.”


(「Forest Fires in Sierra Nevada Driven by Past Land Use」より)

さらに、その後、やはり同じ「査読審査のある学術誌の米科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載された論文」はこう述べている。


Fighting wildfires in the United States costs billions of dollars annually. Public dialog and ongoing research have focused on increasing wildfire risk because of climate warming, overlooking the direct role that people play in igniting wildfires and increasing fire activity. Our analysis of two decades of government agency wildfire records highlights the fundamental role of human ignitions. Human-started wildfires accounted for 84% of all wildfires, tripled the length of the fire season, dominated an area seven times greater than that affected by lightning fires, and were responsible for nearly half of all area burned. National and regional policy efforts to mitigate wildfire-related hazards would benefit from focusing on reducing the human expansion of the fire niche.


(「PNAS,114(2017)2946」の「Significance」)

これは先の論文の結果と矛盾しない。
2つの原因は表裏一体である。
「地球の温暖化と乾燥化を進行させている気候変動により、過去30年間に米国西部で発生した森林火災の延焼面積が約2倍に拡大した」は全くのデタラメである。

5.4 CO2排出で豪雪?

にもかかわらず、尚も、人為的(排出CO2)温暖化に因る干ばつで積雪が減った、と言い立てている。


シエラネバダ山脈の雪塊量、過去500年で最低に 米加州干ばつ
2015年9月15日 13:07 発信地:パリ/フランス
米カリフォルニア州の都市や農地に水を供給しているシエラネバダ山脈の雪塊量が、過去500年で最低水準を記録しているとの研究論文が14日、発表された。
英科学誌ネイチャー・クライメート・チェンジに掲載された論文「Nature Climate Change,6(2016)2」によると、「天然の貯水池」である雪塊の量は、2015年4月1日に測定された時点の数値が、1950~2000年の平均値の5%程度しかなく、同州の住民数千万人と500億ドル(約6兆円)規模の農業分野に慢性的な水不足をもたらすとの懸念が持ち上がった。
カリフォルニア州中部に位置する全長650キロのシエラネバダ山脈の雪塊は、同州で供給される給水量の60%以上をまかなっている。これには、ロサンゼルスとその周辺地域やサンフランシスコ湾の湾岸地域も含まれており、州内約2300万人分の飲料水に関係している。
同山脈における雪塊量は例年4月に最も多い。しかし皮肉なことに、2015年4月1日、カリフォルニア州のジェリー・ブラウン州知事は、同州初となる給水制限を発令した。
同論文の主執筆者で、米アリゾナ大学のバレリー・トルーエ(Valerie Trouet)教授は、このことついて、今年1~3月までの記録的な高温と、極端に少ない冬季の降水量が組み合わさったことが原因と説明している。
2015年の雪の量をめぐっては、1930年代に始まった観測調査以降、最低を記録していることがこれまでの調査ですでに明らかになっている。しかし今回の研究では、さらに時代をさかのぼって調査が行われた。
今回の研究では、毎年の冬季降水量を調べるため、シエラネバダ山脈と平行に走るセントラル・バレーに生育するブルーオークの老木約1500本の年輪が測定された。同州では年間の降水量が冬季に集中している。
過去に、これら木々に大量の水分を供給したであろう嵐は、同時に並列するシエラネバダ山脈にも降雪をもたらしたと考えることができるため、年輪の幅は、特定の年の雪塊の規模を知るための手がかりとなる。
研究チームは、こうして得た年輪のデータを、1500~1980年の期間における冬季の推定気温と比較し、年ごとの雪塊量のデータを作成した。
今回の研究から導き出されたデータから、「過去80年間どころか、過去500年間でも類をみない」ほど雪塊量が減少していることが分かったとトルーエ教授は指摘している。
米地質調査所(US Geological Survey、USGS)によると、現在、同州の貯水池120か所以上で、水位が満水時の5分の1以下となっており、190か所で半分を下回っているという。


(AFP/Marlowe HOOD)

そして、全く逆に、温暖化で豪雪、と言い張っている。

20140212012014年2月9日の朝日新聞朝刊紙面より

「温暖化が進んで気温が上がると、雪雲の中に大気が抱えていられる水蒸気の量(飽和水蒸気量)が増え、多くの雪を降らせる原因になる。このため、局所的に大雪となる『ゲリラ豪雪』となるケースが増加する」という理屈は、先の「温暖化に伴う気温の上昇で、大気が抱えていられる水蒸気量(飽和水蒸気量)は増える・・・飽和水蒸気量の増え方のほうが大きいため、雨の頻度は減る一方で、1回当りの降雨は激しくなる」と全く同じであり、飽和水蒸気量が増えるから、シエラネバダの降雪が減る一方で、我国では降雪がゲリラ化した、と言い張っているのだが、気温が上がれば雪ではなく雨になるはずであり、雪が降るということは気温が低いということだから、従って、飽和水蒸気量も減るのだから、「温暖化が進んで気温が上がると、雪雲の中に大気が抱えていられる水蒸気の量(飽和水蒸気量)が増え・・・」は噴飯物と言えよう。

下図を見ると、確かに、グラフの右端、2015年は「『過去80年間どころか、過去500年間でも類をみない』ほど雪塊量が減少している」けれど、1500年から2000年までの500年間では、そして、1930年から2010年までの80年間でも明瞭な減少傾向は認められない。

2016092302
図5-7 「Nature Climate Change,6(2016)2」より

図5-5の橙色の線から判断すると、CO2の排出に因る干ばつで雪塊量が減少しているのなら、1970年以降に雪塊量の減少傾向が表れているはずだが、2015年を除けば、過去500年間で雪塊量の減少は認められない。
しかも、2015年の記録が最新の観測機器を用いて得たデータであるのに対し、100年以上前の記録にそんな精度はない。
2015年と同じ精度なら、過去500年間でも2015年と同じレベルにまで減少していた可能性が高い。
2015年の記録は過去にも繰り返された自然変動にすぎない。
その証拠に、2017年の冬季には積雪量が回復した。

「CO2の排出で積雪減少&豪雪」に科学的根拠は全く無い。

にもかかわらず、IPCC学派と朝日新聞は尚もこのように言い立てている。


今世紀末、温暖化で雪減っても一部で豪雪は増 気象庁
2016年9月23日22時52分
地球温暖化が進むと、今世紀末ごろの降雪量は減る一方、北海道や北陸の内陸部では大雪の頻度と規模が増える可能性が高い、とする研究成果を23日、気象庁気象研究所が発表した。大気中の水蒸気量が増え、冬型の気圧配置になると日本海上で雪雲の帯が発達しやすくなるのが理由という。
気象研が行った精密なシミュレーション実験によると、2080年から2100年ごろに気温が今より年平均約3度上昇した場合、日本列島全域で冬季の積算降雪量は減少。だが、10年に1度クラスの大雪に限ると、主に新潟、石川、富山各県の内陸部や長野・岐阜両県の一部、北海道の内陸部で、頻度と1日あたりの降雪量が増えることが判明した。
例えば、豪雪地帯で知られる新潟県津南町付近では、現在10年に1度規模の降雪が4~5年おきに発生する、との予測になったという。
温暖化した場合、日本海の海面温度が上昇し、水蒸気量が増加。ユーラシア大陸から吹く冷たい風が日本海で合流してできる空気の集まり「日本海寒帯気団収束帯」の勢力が強くなり、沿岸部で雨になるが、気温が低い地域で大雪になるという。北海道は、温暖化が進んでも冬季の気温が十分低いことも一因になる、という。
気象研の川瀬宏明研究官は「全体的に降雪量は減るが、地域によっては豪雪への備えが必要になるだろう」と話す。(吉田晋)

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21世紀末、大雪が増える地域


(朝日新聞デジタル)

ところが、「気象研が行った精密なシミュレーション実験」に反して、北海道の日本海側では降雪量が減っている。


北海道 日本海側の雪は史上最少?
2017年1月29日 18時55分
岡本 肇
[日本気象協会北海道支社]気象予報士 防災士
27日~28日にかけて北海道は大荒れの天気となり、上川地方の音威子府では2日間で39センチの雪を観測するなど、雪の量も多くなりました。しかし、今回のような大雪が今年は少なく、北海道の日本海側では28日までの降雪量は平年の半分しかありません。このまま経過すると、史上最も雪の少ない1月となりそうです。
過去の記録は64%
1月1日から28日までの降雪量を地域ごとに平年と比べると、北海道の日本海側は50%、太平洋側は85%、オホーツク海側が65%となっています。
全体的に平年と比べて雪が少ない今月の北海道ですが、特に日本海側の雪が少なく、平年の半分にすぎません。1月の降雪量の平年比は、1951年の統計開始以来最も少なかった年で2015年の64%ですので、このまま経過すると大幅に記録更新することになりそうです。

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(tenki.jpより)

しかも、「気象研が行った精密なシミュレーション実験」は「2080年から2100年ごろに気温が今より年平均約3度上昇した場合」だが、先に解説したとおり、過大に評価しても気温上昇は1.5℃までだから、「全体的に降雪量は減るが、地域によっては豪雪への備えが必要になるだろう」は全くの戯言にすぎない。

5.5 CO2排出で台風?

先の社説にも見えるとおり、IPCC学派と朝日新聞は、CO2の排出に因る温暖化で台風のリスクが増した、と騒ぎ立てている。

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2016年8月29日の朝日新聞朝刊紙面より

しかし、強い台風の発生数は1970年代後半と変わらない。

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図5-8 「異常気象レポート2014」の118ページの図1.3.11

これでは「CO2で異常気象」のデタラメが露呈してしまうので、上図は間違っている、と言い出した。


中国や日本を襲う台風、気候変動で強大化か 研究
2016年9月6日 09:45 発信地:パリ/フランス
中国、台湾、日本、朝鮮半島を襲う台風は近年の海水温上昇により勢力が強まってきており、今後さらに激しさを増すとみられるという研究成果が5日、英科学誌ネイチャー・ジオサイエンス(Nature Geoscience)に発表された。
科学者らはこれまで、太平洋北西部における台風の強度と頻度の変化を特定するのに苦戦してきた。それらの変化に地球温暖化が果たす役割を正確に突き止めることはさらに難しかった。
米国を拠点とする執筆者の梅偉(Wei Mei)氏と謝尚平(Shang-Ping Xie)氏によると、台風研究で最も広く用いられている米海軍合同台風警報センター(JTWC)と日本の気象庁(JMA)のデータからは相反する傾向が現れていた。
しかし入手可能な記録データについて方法論の違いを補正した結果、単一の明確な傾向が見いだされた。 「この37年間で、東アジアおよび東南アジアを襲った台風の強度は12~15%増大している」という。
こうした台風強度の増大は、海面水温の上昇と関連していることが、データで示された。海面水温上昇は気候変動に起因する可能性があるが、これはまだ証明されていない。
研究チームによると、地球温暖化の原因となる温室効果ガスを人間が排出し続けた場合の海面水温上昇の予測は「中国本土東部、台湾、朝鮮半島、日本を襲う台風が今後、さらに強度を増すことを示唆している」という。「激しい台風によって相当大きな損害が出ることを考えると、これは、この地域の人々や資産に対する脅威が高まることを示している」
これら沿岸地域の人口は急速に増大しており、海水面も上昇を続けていると研究チームは指摘した。
2015年12月、気候変動の進行阻止を目標とする「パリ協定」が採択された。気候変動は、暴風雨の強大化、干ばつの長期化、海面上昇による陸地の水没などを引き起こす恐れがある。
気候変動の進行阻止は、化石燃料の使用で発生する温室効果ガスの排出量を抑制することで達成されると考えられる。


(AFP)

「台風研究で最も広く用いられている米海軍合同台風警報センター(JTWC)と日本の気象庁(JMA)のデータからは相反する傾向が現れていた。しかし入手可能な記録データについて方法論の違いを補正した結果、単一の明確な傾向が見いだされた」は下のグラフである。

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図5-9 「Nature Geoscience,9(2016)753」の図1より

しかし、「方法論の違いを補正」したからといって、(赤色の実線が緑色の実線の)数倍の値になり、僅かに減少傾向を示していた(緑色の破線)のが、全く逆に上昇傾向(赤色の破線)を示す、などということがあり得るだろうか?
明らかに「補正」の域を超えている。
「単一の明確な傾向が見いだされ」るように「補正」、つまり、データを改竄したことは明白である。
その証拠に、「近年の(人為的排出CO2に因る)海水温上昇により勢力が強まってきており」なら、台風の発生数も接近数も上陸数も増加しているはずだが、1950年代と変わらない。

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図5-10 「異常気象レポート2014」の116ページの図1.3.7

「近年の(人為的排出CO2に因る)海水温上昇により勢力が強まってきており」なら、台風が発生する場所は北上しているはずだが、していない。

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図5-11 「異常気象レポート2014」の117ページの図1.3.9

「近年の(人為的排出CO2に因る)海水温上昇により勢力が強まってきており」なら、強い勢力のまま北上した台風の数は増加しているはずだが、変わらない。

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図5-12 「異常気象レポート2014」の118ページの図1.3.12

下図に見えるとおり、台風の発生数(青い棒グラフ)、及び、強い台風の発生数(赤い棒グラフ)が変わらないことは別の研究でも示されている。

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図5-13 「J.Clim.25(2012)4729」より

さらに、強い台風は20世紀前半に多かったことが新たに分かった。


強い台風、20世紀前半にも日本上陸 横浜国大が分析
2016/10/9 23:43
横浜国立大学の筆保弘徳准教授らは、気象庁が統計を取り始める前の20世紀前半に、強い台風が何度も日本に上陸していたことを独自の手法で明らかにした。[天気,63(2016)855] 当時は海面水温が現在より低かったため、台風の強さと海面水温の関係がそれほど深くない可能性が出てきた。
中央気象台(現気象庁)が刊行した「気象要覧」など4つの資料を分析し、1900~50年の上陸数が174個(年平均3.4個)と推定した。気象庁の統計によると…


(日本経済新聞 電子版)

CO2の排出が原因で台風が強まった、台風の被害が増大しているという科学的根拠は全く無い。

先の朝日新聞社説は「台風10号が日本列島に接近している。上陸すれば1カ月で4個目で過去最多タイとなる。今回の台風は南の海上からUターンするという、異例の進路をたどった。東北地方の太平洋側に上陸すれば1951年の統計開始以来初となる」と騒ぎ立てていたけれど、そして、その後、実際に「東北地方の太平洋側に上陸」し、豪雨災害をもたらしたけれど、その原因は強い寒気である。


台風10号方向転換、西日本の「寒冷渦」が影響
2016年8月30日 14時38分
北東に進んでいた台風10号は30日未明、伊豆諸島の東の沖合で進行方向を変え、東北地方に近づき始めた。
これは、西日本などの上空に停滞している「寒冷渦」と呼ばれる冷たい空気の塊の影響が大きい。寒冷渦による北西方向の風の流れが10号を引っ張るようにして進行方向を変えさせ、太平洋側からの東北接近という異例の事態を招いた。
東北の太平洋側に上陸すれば、1951年の統計開始以来初となる。
「この時期に日本付近にできるのは非常に珍しい」(気象庁)とされる寒冷渦を作り出したのは、北極側の寒気を伴って大きく蛇行した偏西風だ。この蛇行があまりに大きかったために、寒気の流れが偏西風の流れからちぎれて切り離され、西日本などの上空に寒気の渦として停滞した。
寒冷渦が周囲に反時計回りの空気の流れを作り、太平洋側から日本に近づいてきた10号は引っ張られるようにして大きく旋回。


(YOMIURI ONLINE)

強い寒気が台風を引き寄せ、第2節で解説したとおり、豪雨を招いたのである。
CO2の排出で台風の被害が増加、と言い張るのは全く愚かであるのみならず、無意味な温暖化対策のために防災の労力と資金を奪い、市民の生活・命を脅かす以外の何物でもない!

5.6 アフリカの不都合な真実

それでも尚、IPCC学派と朝日新聞は、CO2の排出に因る深刻な干ばつで、アフリカの民が生死の境に立たされている、と騒ぎ立てている。

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2017年1月24日の朝日新聞朝刊紙面より

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2017年1月31日の朝日新聞朝刊紙面より


南スーダンなど「2千万人が食糧危機」 国連事務総長
ニューヨーク=鵜飼啓
2017年2月23日9時16分
国連のグテーレス事務総長が22日記者会見し、南スーダンなどの4カ国で「2千万人余りが深刻な食糧危機に直面している」と強い危機感を示し、国際社会に支援を呼びかけた。支援には3月末までに44億ドル(約5千億円)が必要といい、同氏は「今動けば最悪の状況は防げる」と訴えた。
会見は米ニューヨークの国連本部で行われ、クラーク国連開発計画総裁やオブライアン人道問題担当次長らも同席した。事務総長と担当高官らが居並んでの会見は極めて異例で、危機感の強さをうかがわせた。
4カ国はほかにアフリカのソマリア、ナイジェリア北西部、中東のイエメン。日本の自衛隊が国連平和維持活動(PKO)に参加する南スーダンをめぐっては、グテーレス氏は「一部地域で飢饉(ききん)がすでに現実になっている。行動しなければ他地域や他国に影響が広がるのは時間の問題だ」と指摘した。同国では10万人が飢饉に直面しており、ほかに100万人が飢饉に陥る瀬戸際にあるという。
グテーレス氏は、食糧危機の背景には紛争と気候変動で干ばつが進んでいることがあると説明。一方で、国連機関が現地で危機への対応を進めており、十分な資金があれば「(悪化の)予防が可能」と訴えた。


(朝日新聞デジタル)

しかも、アフリカの民を苦しめているのは日本国民、と言わんばかりに我国を罵っている。


パリ協定 出遅れ危機の大失態
あまりに情けない、大きな失態である。
地球温暖化対策の新しい国際枠組み「パリ協定」が11月4日に発効する。先進国か新興国、途上国かを問わず、世界全体で温暖化と向き合う画期的な取り組みだが、その第1回締約国会合に日本が参加できず、出遅れる恐れが強まっている。
締約国会合は、11月7~18日にモロッコである国連気候変動会議(COP〈コップ〉22)に合わせて開かれる。締約国会合に正式メンバーとして参加するには今月19日までに協定を批准しなければならないが、日本はまだだ。
批准に必要な国会承認に向け、ようやく11日に承認案が閣議決定される予定だが、日程を考えると状況は極めて厳しい。
締約国会合では、協定の運用ルール作りが始まる見通しだ。それに乗り遅れ、不利をこうむりかねないだけではない。温室効果ガス排出量で上位5カ国のうち、批准していないのはロシアと日本だけで、「消極派の旗頭」ともされかねない。
昨年末の協定採択から1年足らずで発効すると予想できなかったのは確かだ。「55カ国以上が締結し、その国のガス排出量の合計が世界全体の55%以上」という発効条件に達するには時間がかかると見られていた。
流れが一変したのは9月上旬。世界1位と2位の大排出国でありながら温暖化対策に積極的とは言えなかった中国と米国が、そろって協定締結の手続きを終えた。排出量4位のインドや仏独など欧州勢も続き、一気に発効条件を満たした。
そうした世界の動きを安倍政権はつかめなかったのか。米中やインドに関する情報を得られていなかったのなら、収集力に不安を覚える。察知しながら傍観していたのなら、判断を誤った。欧州連合(EU)は「全加盟国そろって締結」という原則を変えてまで対応しただけに、そう言わざるをえない。
アフリカ諸国や小さな島国も批准を急いだ背景には、干ばつや海面上昇、熱波など温暖化との関連が疑われる異常気象への強い危機感がある。日本は、そうした国々から「我々の困難に冷たい国」と見られかねない。
臨時国会の所信表明演説で、首相はパリ協定にひと言も触れなかった。1990年代の「京都議定書」とりまとめなどで築いてきた国際的な地位や支持がゆらぎかねない事態なのに、危機感はないのだろうか。
協定を早く批准し、国際的な協力や情報発信を強化する。そうした取り組みを積み重ねて挽回(ばんかい)していくしかない。


(2016年10月10日の朝日新聞社説)

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2016年11月5日の朝日新聞朝刊紙面より

ならば、「米気象学会紀要に発表された最新の研究」を見てみよう。

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図5-14 「BAMS,97(2016)S75」より

この図は1980年以降とそれ以前(のエルニーニョ期間)の降雨量の差を示している。
1980年以降に降雨量が減ったのなら黄色から赤色、増加したのなら緑色から紫色、変化が無ければ白で表される。
図5-5の黄色の線に見えるとおり、1980年以降の気温上昇が急激だから、そして、IPCCに依れば、それはCO2の排出が原因だから、「人為的要因により引き起こされた気候変動がエルニーニョ現象を激化させ、アフリカ南部の雨量を著しく減少させた」のなら赤色になっている。
「だが、アフリカ南部沖に浮かぶマダガスカル」は白色。
「気候変動が起こっていないことは誰の目にも明らかだ」。
もちろん、上図は気候モデルの結果にすぎない(1980年以前に上図のような降雨量のデータは存在しない)けれど、気候モデルを盾にして「相次ぐ極端な気象は、地球温暖化との関係も指摘される」だの、「アフリカ諸国や小さな島国も批准を急いだ背景には、干ばつや海面上昇、熱波など温暖化との関連が疑われる異常気象への強い危機感がある」だのと喚き立てているのだから、「だが、アフリカ南部沖に浮かぶマダガスカルでは、気候変動は誰の目にも明らかだ」の嘘は「誰の目にも明らかだ」。

しかも、観測データを見ても「誰の目にも明らかだ」。

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図5-15 「BAMS,97(2016)S75」より

右下がりの直線は、エルニーニョが強ければ降雨量が減少することを意味しているだけで、「人為的要因により引き起こされた気候変動がエルニーニョ現象を激化させ、アフリカ南部の雨量を著しく減少させた」ことを意味しない。
「人為的要因により引き起こされた気候変動がエルニーニョ現象を激化させ」たのなら、上でも述べたとおり、1980年以降に「アフリカ南部の雨量を著しく減少させた」はずだけれど、1982年と2015年はほぼ同じ。
「IPCC学派と朝日新聞が『気候変動は非現実である』という、教育を受けていないマダガスカルの村民さえも理解していることを認めることだ」。

しかも、「Geology,29(2001)83」に依れば、アフリカ南東部、マダガスカル対岸のモザンビークとマラウイ、タンザニアの国境をなすマラウィ湖の湖面は小氷期(西暦1570年から1850年まで)に過去150年間より120mも低かった。
アフリカ南東部ではエルニーニョ時に降水量が著しく減るのなら、小氷期の干ばつは現在よりも遥かに酷かったはず。
気温が上がって降水量が増えているから、エルニーニョ時の干ばつは緩和されているのだ。
「人為的要因により引き起こされた気候変動がエルニーニョ現象を激化させ、アフリカ南部の雨量を著しく減少させた」は全くのデマであると「認めることだ」。

「彼女が子どものころ海だと思っていた琵琶湖の40倍もある大きな湖は、今は温暖化と灌漑の影響で消滅の危機にあります」に対しても、某研究者がこのように批判している。


The likelihood of confict and consequent need for cooperation are soaring with increasing pressures on scarce and often exploited water resources in shared hydrologic units. Questions of equitable water allocation and distributions of social-ecological costs and benefits—who gets what, how much, and why—are important for fostering cooperation and managing conflict in transboundary water management. Hydropolitics is an analytic tool for understanding how power shapes water claims and uses in transboundary hydrologic units. Through the lens of hydropolitics, I show how various forms of power explain water claims and uses by riparian nations within the Lake Chad Basin (LCB). I explain how rhetoric, including the rhetoric of climate change, mask local human-driven causes of social-ecological degradation, thereby misappropriating agency and responsibility for sustainable water management within the LCB. I show that water is a security issue within the basin and closely related to other regional security issues, and argue that the inter-linkages of security issues, together with the differential evolution of state capabilities, may facilitate the emergence of a hydro-security complex within the basin. A more nuanced understanding of hydropolitics, including rhetoric and hydrosecurity, is necessary for sustainable transbounadry water management and water use security.


(「WIREs Water,2(2015)37」のabstruct)

この批判は理の当然であろう。
図5-14を真に受けると、サハラ砂漠の南部は濃い青色(降雨量が激増)で、その直ぐ南では黄色(降雨量が減少)になっている。
チャド湖はその境界にまたがっている。
従って、「彼女が子どものころ海だと思っていた琵琶湖の40倍もある大きな湖は、今は温暖化の影響で消滅の危機にあります」のなら、南側の湖が干上がり、北側の湖では水位の劇的な低下は無いはず。
ところが、実際は全く逆。

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図5-16 「Hydrol.Earth.Syst.Sci.,20(2016)1599」より

しかも、CO2の排出がチャド湖縮小の原因なら、1980年以降に水位が急激に低下しているはずだけれど、水位の低下は1960年代の後半から始まり、南側では1980年以降は水位低下が止まっている。
チャド湖の縮小とCO2との因果関係は認められない。
あったとしても弱いことは明白である。

確かに、図5-14ではスーダンの一部が赤色に染まっている。
しかし、その直ぐ北側のサハラ砂漠南部一帯では降水量が著しく増えている。
砂漠に雨が降って緑化すれば、アフリカの生活環境は大きく改善する。


サハラ砂漠、気候変動で緑化が進行か
James Owen
July 31, 2009
地球温暖化はアフリカ大陸に砂漠化、干ばつ、そして絶望をもたらすといわれているが、実際の筋書きは大きく異なるのかもしれない。気温上昇によって、同大陸の最も乾燥した地域に住む人々の暮らしが豊かになるという研究結果が出たのだ。
サハラ砂漠とその周辺地域は現在、降雨量の増加で緑化していることが確認されている。これが一時的な傾向でなければ、干ばつで苦しめられてきた地域に農村が復活することも考えられる。

サハラ砂漠は約1万2000年前にも緑豊かなサバンナに変化したことがあるが、研究モデルではそのときの気候が再来し、砂漠が減少するという予測が立てられている。
衛星画像によって、サハラ砂漠南縁部を3860キロにわたって東西に広がるサヘルという半乾燥地域に、緑化の兆しが見られることが確認された。
「Biogeosciences」誌に掲載された新しい研究論文「Biogeosciences,6(2009)469」によると、1982年から2002年に撮影された画像から、サヘル全域で緑化が進んでいることが確認できるという。また、チャド中央部やスーダン西部などでも植生が非常に豊かになっている。
ドイツにあるマックス・プランク気象研究所のマルティン・クラウセン氏は、「気温が上がれば大気の保水性も上がり、結果として雨が多くなる。取りざたされている変化は、結局はそういうことなのではないか。主な要因は大気の保水力ということだ」と第三者の立場でコメントしている。
最近の植生変化は、単に雨が降って一時的に雑草が生えただけなのか、あるいは樹木が根付いたものなのか、衛星画像では確認できないが、地上の実地調査では後者であると確認されている。
ドイツにあるケルン大学アフリカ学研究所の気象学者シュテファン・クレペリン氏によると、北アフリカでは広範囲にアカシアなどの新しい樹木が繁茂しているという。
アフリカ大陸北西部の大西洋岸に、モロッコが領有権を主張しているがまだ帰属が定まっていない西サハラと呼ばれる地域がある(旧スペイン領サハラ)。クレペリン氏が2008年に同地を訪れ、遊牧民に話を聞くと、「最近は雨が多く、放牧地もかつてないほど広がっている」と話していたという。
同氏はエジプト南西部からスーダン北部をまたぐサハラ砂漠東部でも20年前から調査を行っている。西サハラから遠いこの地も状況は同じであるようだ。「あの辺りは数百年から数千年もの間、まったく人の手が入らなかった土地で、以前はサソリ一匹、草一本見あたらなかったのに、今はラクダが放牧されている。ダチョウやガゼル、両生類まで戻ってきた。この傾向は間違いなく20年以上前から続いている」と同氏は説明する。

サヘルで緑化が進むことは、一部の気候モデルで以前から予測されていた。例えばオランダ王立気象研究所のレインデール・ハーズマ(Reindert Haarsma)氏率いる研究チームは2005年、サヘルの将来的な降雨量を予測し、その研究成果を「Geophysical Research Letters」誌(Geophys.Res.Lett.,32(2005)L17702)で発表した。その中で同氏は、サヘルの雨季(7月~9月)の降雨量は2080年までに1日当たり最大で2ミリ増加すると予測している。同氏は「この10年でサヘルの緑化が進んでいることは、衛星データを見れば明らかだ」とも述べる。
しかし、気候変動が今後サヘルにどのような影響を与えるかについては、すべての気象学者の意見が一致しているわけではない。一部では降雨量が減少するという研究結果も出ているのである。ハーズマ氏も、「まだ確かなことが言える段階ではない」と認めている。
前出のマックス・プランク気象研究所のクラウセン氏は次のように解説する。「北アフリカはとにかく気候変動の予測が難しい。面積が広大な上、モンスーン雨を引き起こす高高度の風も予測が困難だからだ。発表された気候モデルの半分は湿潤化を示しているが、半分は乾燥化を示している」。


(ナショナルジオグラフィック)

緑化が進んでいるのは、単に、降雨量が増えたからではない。
大気中のCO2の増加が決定的に重要である。


植物の水分吸収量、温暖化で低下か 研究
2016年8月30日 11:37 発信地:マイアミ/米国
温暖化が進行しても、地球の干ばつは従来の予測ほど拡大しないかもしれないとする研究結果が29日、発表された。その理由は、大気中の二酸化炭素(CO2)の増加に伴い、植物が必要とする水分量が減少するからだという。
米科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載された研究論文「PNAS,113(2016)10019」によると、今後の約100年間で、CO2濃度が産業革命前の水準の4倍に増加するにつれて、世界の70%以上が干ばつの増加に見舞われることが、これまでの研究で予測されていたという。だが、これらのモデルの多くは、温暖化が進む世界で植物の挙動がどのように変化するかを説明できていない。
植物は、気孔と呼ばれる葉の開口部からCO2を取り込み、同時に水蒸気を放出する。だが、CO2が豊富にあると、気孔が開放される時間が短くなり、失われる水分が減少するため、土壌から吸収する水分量は少なくてすむ。
論文の主執筆者で、米ワシントン大学のアビゲイル・スワン(Abigail Swann)助教(大気科学・生物学)は、多くの研究は植物の水の必要量が常に一定であることを前提としているが、CO2が大量にある環境で生育している植物に関する今回の研究は水の必要量が変化することを示唆していると話す。
CO2が増加する環境からの恩恵を植物が受けるため、気候変動に起因する干ばつに直面するのは、世界の37%にとどまることをスワン助教は明らかにした。
地球の高温化と、降雨量の減少により、北米南部、南欧、南米北東部などで干ばつが増加する可能性が高い、と論文は指摘する。
「だが、アフリカ中部と、中国、中東、東アジア、ロシアの大半などを含む温帯アジアでは、植物の水分保持により、気候変動に起因する干ばつの影響が大きく弱められることを、今回の結果は示している」と論文は述べている。
さらに、気候変動が進むにつれて干ばつは増加するが、その影響は一部で予測されているほど広範囲には及ばないことを、今回の研究結果は示している。
「とりわけ、高温による干ばつについては分かっていないことが多い」とスワン助教は指摘する。「たとえ干ばつ発生の地域と頻度が極端に増えなくても、実際に発生した場合の影響はより甚だしくなる恐れがある」


(AFP)

降雨量が増えたと言っても、砂漠では土壌の水分の絶対量が少ないから、せっかく植物が根付いても、植物が土壌の水分を吸収すれば、土壌は再び乾燥し、緑化は遅々として進まない。
「CO2が豊富にあると、気孔が開放される時間が短くなり、失われる水分が減少するため、土壌から吸収する水分量は少なくてすむ」から、砂漠の緑化が進んでいる。
図5-14の気候モデルが正しいとしても、スーダンの一部では降雨量が大きく減少したとしても、紫色に染まった地域の方が赤色に染まった地域よりもずっと広いから、CO2の増加は恩恵の方が遥かに大きいことは明らかである。
(太平洋の赤道上でも降雨量が大きく増加し、逆に、その北側では減っているけれど、海の上だから、何の問題も無い。)

因みに、IPCC学派と朝日新聞は、シリアの内戦はCO2の排出に因る干ばつが原因、とも言い張っていた。

20151031012015年10月17日の朝日新聞朝刊紙面より

しかし、図5-14を見ると、北半分は表示されていないけれど、シリアで降雨量の明らかな減少は認められない。
にもかかわらず、内戦の原因はCO2の排出などと騒ぎ立てるのは、戦争の真の原因を覆い隠して、多くの人間を殺す以外の何物でもない!

5.7 CO2排出で大穴?

朝日新聞は、温暖化で異常気象、と騒ぎ立てるだけでなく、温暖化で異常現象、と騒ぎ立てている。

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2015年7月19日の朝日新聞朝刊紙面より

しかし、下図に見えるとおり、ヤマル半島でも20世紀前半の気温は2000年以降と同じほど高かった。

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図5-17 「Quaternary Science Reviews,72(2013)83」より

しかも、1.5℃までの気温上昇ならば、過去の自然変動の範囲内である。


温暖化で環境激変か、地中海沿岸地域 研究
2016年10月28日 11:34 発信地:マイアミ/米国
地中海沿岸地域では、地球温暖化によって過去1万年で経験したことのないような環境の変化が起こる可能性が高いと警告する研究結果が27日、発表された。これにより、森林の樹木構成に変化が生じ、欧州の一部が砂漠化するという。
生物多様性が脅かされている「ホットスポット」の一つとして知られる地中海地域では、温暖化が急速に進行している。
米科学誌サイエンスに掲載された論文「Science,354(2016)465」によると、現在の地中海沿岸地域の気温は1880~1920年の期間に比べ、すでに1.3度上昇しているという。世界の他の地域では、産業革命以前比で平均約0.85度上昇となっている。
世界の指導者らは昨年仏パリで、世界平均気温の上昇幅を産業革命前の水準から2度未満にとどめる目標を掲げ、その上でさらに厳しい水準となる1.5度に向け取り組むことで合意した。
研究チームは、地中海沿岸地域が将来的にどのように変化するかをシミュレートするため、堆積物に含まれる花粉の芯を分析。ここで得られるデータからは、過去1万年にわたる気候と生態系の変化を知ることができるのだという。
研究では、化石燃料の使用とそれに関連する温暖化の勢いが弱まらず、今世紀末まで「現状維持」になるとの条件の下、広範囲の地形がどのように変化するかを予測した。
仏エクス・マルセイユ大学のウォルフガング・クラマー(Wolfgang Cramer)氏とジョエル・ギオ(Joel Guiot)氏が主導した研究論文によると、シミュレーションの結果は「スペイン南部全域が砂漠化する」というものになったという。
他方で、山地の大半では落葉樹が繁茂するようになり、また同地域に現存するの落葉樹林の大半が低木地の草木に取って代わられることも予想された。
これらの変化は、地球が過去1万年間に経験した水準を「大幅に上回る」と考えられる。「生態系の変化が過去1万年に経験された上限の範囲内にとどまるのは、世界気温の上昇を産業革命前より1.5度に抑えるシナリオに従う場合に限られる」と研究者らは述べている。
ただ、1.5度未満に抑えられた場合でも、状況は予測よりはるかに悪化する可能性がある。今回の最新分析では、都市化や土壌侵食、土地利用の変化などの、生態系に対するその他の人為的影響が考慮されていないためだ。


(AFP)

先に述べたとおり、人為的排出CO2に因る気温上昇は0.4℃だから、「地下のメタン 温暖化で爆発」なら、ヤマル半島はとっくの昔から穴ぼこだらけになっているはず。
始めに引用した社説は「だが産業革命以後、石炭や石油などの化石燃料を人類が大量に燃やし始め、大気中の二酸化炭素が急速に増えたことは確かだ」と言い立てていたけれど、「特に心配されているのが、温室効果ガスの大量放出だ」なら、「産業革命のずっと以前から、大気中の二酸化炭素が急速に増えていたことは確実だ」。[注4]
そうなっていないということは、1.5℃未満の気温上昇では「地下のメタン 温暖化で爆発」は起こり得ないということであり、CO2を排出し続けても気温上昇は1.5℃未満だから、CO2排出で「地下のメタン 温暖化で爆発」は起こり得ないということである。
ヤマル半島はロシアでも有数の天然ガスの産地。
先に紹介したとおり、米国西部の森林火災は「土地利用の変化」が原因だが、ヤマル半島の「大穴」も無軌道な天然ガス開発が原因であろう。

5.8 乱開発

「スペイン南部」も地下水の汲み上げが原因で乾燥化が進んでいる。


気温の上昇と、米や小麦といった穀物の需要増加によって、世界の地下水は今後数十年のうちに激減する可能性があるとする研究結果が発表された。
我々の食料のほぼ半分が、地球上の温暖で乾燥した地域で生産されている。そうした場所では、穀物に水を供給するために地下水の過剰なくみ上げが行われており、帯水層と呼ばれる地下の貯水層の水量が急速に減少している。最新の研究によると、今世紀半ばには、インド、パキスタン、ヨーロッパ南部、米国西部の広い範囲で帯水層が枯渇する可能性があり、そうなれば食料供給が打撃を受け、また18億人もの人々がこの貴重な水源を利用できなくなる。
米国コロラド鉱山大学の水文学者インゲ・デ・グラーフ氏は、具体的にいつ、どこの帯水層の水が限界に達するのかを予測するため、1960年から2100年にかけての地域ごとの地下水の動向をシミュレートするモデルを開発した。
その結果、カリフォルニア州の農業の中心地であるセントラルバレー、トゥーレアリ盆地、サンホアキンバレー南部では、早くも2030年代には利用可能な地下水がなくなることがわかった。インドの上ガンジス盆地やスペイン南部、イタリアでは、2040年から2060年の間に地下水が底をつく。さらには米カンザス州、オクラホマ州、テキサス州、ニューメキシコ州の地下に位置するオガララ帯水層南部は、2050年から2070年の間に枯渇する可能性がある。


(「地下水が危機、今世紀半ば18億人に打撃」より)

その一方で、スペイン南部では太陽熱発電が盛んである。


アメリカ、カリフォルニア州モハベ砂漠のアイバンパ・バレー(Ivanpah Valley)で、世界最大規模の太陽熱発電所が竣工を迎えている。この地域は、剣状の葉を持つ植物「ユッカ」、トカゲの仲間「ロングノーズ・レパード・リザード(long-nosed leopard lizards)」、アメリカオオモズのほか、希少なカメ類の生息地としても知られている。
プロジェクト開始から6年以上を経て、秋口には運転開始の予定だ。設計は地元カリフォルニアのブライトソース・エナジー(BrightSource Energy)社。17万枚以上のヘリオスタット(平面鏡)を地上に設置し、中央タワー上部の受熱器に集光する。3基のタワーの高さは約150メートル。太陽熱で作った蒸気でタービンを回す方式で、一般家庭14万世帯以上の電力をまかなえる。
◆太陽熱発電の推進
アイバンパ発電所の発電容量は377メガワット。スペインで稼働中のアンダソル(Andusol)ソルナバ(Solnava)、あるいはエクストレソル(Extresol)の2倍以上を誇る。同じモハベ砂漠にあるSEGS(Solar Energy Generating System)は354メガワットだが、9基のプラントの合計出力だ。SEGSは、アイバンパの南西約160キロで1980年代に操業を開始している。


(「モハベ砂漠に世界最大の太陽熱発電所」より)


伊藤忠、太陽熱発電に参入 スペインで発電大手と
12年に発電所稼働、アジアでも共同展開
2010/12/20 2:03
伊藤忠商事は太陽熱発電事業に参入する。スペインの有力企業と共同で2012年に同国南部に発電所を建設し、稼働させる。総事業費は5億ユーロ(約550億円)を超え、伊藤忠の投資額は約80億円となる見通し。プロジェクトには三井住友銀行など邦銀が融資するほか、日本貿易保険(NEXI)も保険を付与する。太陽熱発電は安定した収益が見込めるため、伊藤忠は欧州のほかアジアでも事業を展開する。
太陽熱発電は多数の鏡…


(日本経済新聞 電子版)

緑の豊かな地域で太陽熱発電は不可能。
乾燥し砂漠化した地域でのみ可能。
自分達が地下水を汲み上げて乾燥化させた土地で、温暖化対策のために太陽熱発電と言い立てているのだから、救いようが無いほどに愚かである。
しかも、「国土の水没を恐れるツバルなど小さな島国の懸命な訴えを、大国も軽んじられなかったのだ」と喚き立てているけれど、第12章の第8節で解説しているとおり、実のところ、海面上昇の4割は地下水の汲み上げが原因なのである。

先に引用した2016年8月30日の朝日新聞社説は「今年の夏の天気は異例続きだった。大阪では8月の猛暑日が計23日と、1883年の統計開始以来の最多記録となった」と騒ぎ立てていたけれど、京都では「統計開始以来の最多記録とならなかった」。


8月の猛暑20日 過去最多に迫る 熱中症搬送 京都府内1118人
2016年8月31日 22時10分
連日うだるような暑さに見舞われた今年の夏。京都、滋賀とも気温が35度を超える猛暑日が続いた。熱中症で病院に搬送される人や、海や川で遊泳中に溺れて亡くなる事故も相次いだ。
昨年より6日早い7月18日に梅雨明け発表となった近畿地方。特に7月末からは昼夜を問わず連日の酷暑となり、京都地方気象台が発表する高温注意情報は7月28日から8月26日までの連続30日に達した。最高気温は京都市で37.9度(8月6日)、東近江市で36.6度(同)を記録したのを筆頭に、8月の猛暑日回数は京都市で計20日を数え、過去最も多かった1995年(計22日)に迫った。
熱中症で倒れる人も続出した。総務省消防庁の調べでは、7月1日~8月28日の熱中症による救急搬送は京都府で1118人(前年同期1287人)、滋賀県で512人(585人)。うち3週間以上の入院が必要な重症者は京滋で計21人に上った。7月5日に京都市伏見区で畑作業をしていた男性(75)が意識を失ったほか、8月19日夜には京都市南区の男性(49)が自宅で意識がもうろうとなり、救急搬送された。
京都府警によると、7~8月の水難事故は前年同期より1件少ない9件で、5人が死亡した。海では7月、舞鶴市で磯釣りをしていた南丹市の男性(41)や、京丹後市の海水浴場で遊泳中だった大阪府枚方市の男性(40)ら計4人が溺れて亡くなった。8月7日には、京都府笠置町の木津川で泳いでいた兵庫県の男性(19)が流されて死亡した。
関西電力によると、新電力も含めた管内の電力供給力に対する需要の比率を示す使用率は、8月5日午後3時台の94%が今夏の最高だった。節電の定着などで電力が切迫する状況はなく、関電は「電力需給は安定していた」(広報室)としている。


(京都新聞)

「大阪では8月の猛暑日が計23日と、1883年の統計開始以来の最多記録となった」のはCO2の排出が原因ではない。
大阪は既に著しく都市化が進んでいるとは言え、乱開発は止まるところを知らない。
イチョウ並木の美しかった御堂筋の建築高さ制限を緩和した結果、ヒートアイランド化が一層酷くなった。
中之島では朝日新聞社が巨大なツインタワーを建設している。


国内最高峰のツインタワーへ上棟式 大阪・中之島
2016年3月24日12時08分
大阪・中之島で朝日新聞社と竹中工務店が建設中の超高層ビル「中之島フェスティバルタワー・ウエスト」(西棟)の鉄骨が地上41階の最上階まで組み上がり、24日、現地で上棟式があった。2017年春の完成予定で、4年前に完成した「中之島フェスティバルタワー」(東棟)と併せ、国内最高峰の高さ200メートルのツインタワーとなる。
朝日新聞社の渡辺雅隆社長、竹中工務店の竹中統一会長、日建設計の岡本慶一会長ら関係者約50人が参列。最上部に組み込む鉄骨の梁(はり)にボルトとナットを入れる「鉸鋲(こうびょう)の儀」、梁を引き上げる「曳綱(ひきづな)の儀」を執り行い、これまでの工事の安全を感謝し、建物の無事を祈った。
「ウエスト」の地下1階~地上2階にはレストランやカフェ、セレクトショップなど約20店舗が展開。4階には中之島・香雪美術館(仮称)が入り、東棟のフェスティバルホールとともに文化の発信拠点となる。最上部にラグジュアリーホテルを構え、東棟と合わせ1万2千人が働く「フェスティバルシティ」が誕生する。

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最上階まで鉄骨が組み上がった中之島フェスティバルタワー・ウエスト(左)。右の東棟と併せ国内最高峰のツインタワーとなる=24日午前、大阪市、井手さゆり撮影


(朝日新聞デジタル)

「大阪では8月の猛暑日が計23日と、1883年の統計開始以来の最多記録となった」のは朝日新聞が原因である。

5.9 中華人民共和国の不都合な真実

ここまで解説してきたとおり、人為的排出CO2と異常気象との因果関係は無い、または、あったとしても弱いにもかかわらず、異常気象が増加しているのであれば、その原因は他に求めねばならない。


巨大嵐、大寒波…中国の大気汚染が原因 地球の裏側まで影響、衝撃広がる
2014.4.17 16:45
中国で深刻化している微小粒子状物質「PM2.5」などによる大気汚染が、北半球における異常な巨大嵐や大量降雨、大寒波などの重大な気候変動の原因になっているとする研究論文が16日までに、全米科学アカデミー紀要に発表された。論文PNAS,111(2014)6894は、昨年末から今年初めにかけて米国の東部を襲った異常な寒波にも影響していると指摘した。大気汚染が人体に深刻な影響を及ぼすことは多数報告されてきたが、地球規模の異常気象との関係が科学的に指摘され、衝撃が広がっている。
■米科学者らが解析
「(北半球で発生した)分厚く巨大な雲やおびただしい降雨を伴う嵐は、大気汚染の結果として生み出されたものだ」
研究論文の主著者で、米カリフォルニア工科大学ジェット推進研究所のユアン・ワン博士研究員はこう断言し、北京を中心とする中国の大気汚染が気候変動に重大な影響を及ぼしているとの認識を示した。
英BBC放送米CNNテレビなどの報道によると、米国のテキサス、カリフォルニア、ワシントン各州から集まった科学者が研究チームを結成。中国のほか、インドなどの新興国で排出量が増加している、石炭火力発電所や自動車からの排ガス、空気中の微小粒子状物質などが大気に与える影響を最新のコンピューター技術で解析した。
論文では、異常気象の原因として、排ガスや微小粒子状物質から生まれた大気中を浮遊する粒子状物質「エアロゾル」を挙げた。エアロゾルは雲の元になり、大量に発生すると、嵐も巨大化するとしている。
さらにエアロゾルは日光を吸収するため、温室効果によって地球の温暖化と冷却化の両方の作用をもたらすという。
■地球全体に広がる恐れ
論文では、こうした現象が複合的に作用し、北半球の中緯度の地域でより巨大な嵐やより多量の降雨をもたらしている可能性を指摘。さらに、北極へ流れ込む空気の流れもより速くなっているとし、北極からの寒気の吹き出しがもたらした米国での異常寒波との関係も指摘した。
ワン博士研究員は「米国やカナダを含む北半球の中緯度の地域で起きた異常気象と関連づけることができる」と明言。テキサスA&M大学で大気科学を専攻するレンイー・チャン教授は「米国で異常気象が起こっていることはほぼ確実で、さらなる研究が必要だ」と語った。
このほか、論文は、エアロゾルは嵐やモンスーンに乗って、地球全体に広がり、より広範囲な気候変動を招く恐れもあると警告した。
中国は、地球温暖化の原因とされる二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスの世界最大の排出国。CO2だけでなく、PM2.5による大気汚染そのものが、より直接的に気候変動の原因となっている可能性があり、世界的に改善を求める声が一段と高まるのは確実だ。


(MSN産経ニュース)

しかも、第8章で解説するけれど、北極圏の温暖化を招き、海面上昇を引き起こしている最大の原因は大気汚染なのだ。

中国の大気汚染が日本国民の健康を害しているのみならず、異常気象を招いて日本国民の生活・命をも脅かしているにもかかわらず、しかも、北極圏の温暖化を招いて海面上昇を引き起こしているにもかかわらず、あべこべに、世界自然保護基金(WWF)の中国メンバーが我国を罵っている。[注5]


日本名指し、来年3月までに温暖化目標案を 環境保護団体が主張
2014.6.15 00:12
2020年以降の新たな地球温暖化対策の国際枠組み作りを議論しているドイツ・ボンの気候変動枠組み条約会合の会場で、世界の環境保護団体の連合組織「気候行動ネットワーク」が14日記者会見し、温暖化対策の新たな目標案の提出時期を明確にしない日本を名指しし「来年(15年)3月末までに提出すべきだ」と訴えた。
各国は、29年以降の目標案を、基本的に15年3月末までに国連に出すことに昨年、合意した。だが日本は国内検討が始まっておらず、出す時期を明言していない。
今回の会合では、米国や欧州連合(EU)が期限を守る意向を表明。中国も「来年の早い段階で出す」と説明し、15年末の新枠組み合意に向けた機運が高まっている。
会見で、世界自然保護基金(WWF)中国のメンバーが「日本は逆行している」などと指摘した。

2014062502
ドイツ・ボンで気候行動ネットワークが行った記者会見=14日


(共同)

冒頭で引用した朝日新聞社説も「そんな決意の乏しい日本政府は、パリでほとんど存在感を示せなかった」だの、「世界の流れに目や耳をふさぐかのような、象徴的な造りだった」だのと我国を罵ったが、問題の真の原因を覆い隠して、異常気象を助長し、北極圏の温暖化を助長し、それをも我国に責任転嫁しようと図る以外の何物でもない。
「ここで温暖化詐欺を追いつめなければ、まさに化石にされかねない」。
「CO2を案じるよりも、みんなで温暖化詐欺を糾弾する一歩を踏み出す決意を持ちたい」。

[注1] 第15章の第4節で採り上げるけれど、IPCC学派は、2016年は過去最高気温だった、温暖化が進んでいる、と騒ぎ立てている。
グリーンランドの気温も上がり、氷床が著しく解けた、と騒ぎ立てている。


グリーンランドの気温が過去最高に、氷床の融解進む
2016年9月14日 10:22 発信地:コペンハーゲン/デンマーク
デンマーク領グリーンランドの気温が今夏、観測史上最高を記録した。デンマーク気象研究所(DMI)が13日、発表した。氷床の一部は例年よりもかなり早い時期に融解を始めており、北極圏の温暖化が続いていることを示す新たな証拠とDMIは述べている。
グリーンランド南東沿岸のタシーラク(Tasiilaq)では今夏、平均気温が8.2度となり、1895年の観測開始以降で最高となった。またこれは、1981年~2010年の同平均気温よりも2.3度高いという。
南部と北東部でも同様に最高記録を更新している。春には、観測所14か所のうち6か所で過去最高が記録されていた。DMIは4月、氷床融解の度合いが記録的なぺースとなっていることを受け、観測モデルの有効性を疑問視していた。
DMIによると今年は、例年よりもかなり早いタイミングで氷が解け始めたとされ、過去に10%以上の融解がみられた年の内、最も早い時期を記録した上位3年より約1か月早い時点ですでに12%が解けたという。
グリーンランド氷床の融解は海面上昇の大きな潜在的要因。2003~2010年の間だけで、20世紀全体のペースの2倍の速さで氷床の質量が失われている。


(AFP)

しかし、下図に見えるとおり、やはり、タシーラクでも20世紀前半は2000年代と同じほど気温が高かった。


図5-18 タシーラクの夏季の気温推移(「Polar Research,35(2016)28858」より)

因みに、DMIのデータを見ると、確かに「4月、氷床融解の度合いが記録的なぺースとなっている」けれど、それ以外は平年以下だった。

2016092003
図5-19 グリーンランドの氷床融解の推移。

[注2] こちらのブログで紹介されているとおり、ドイツIPCC学派の代表的な存在であるMojib Latifでさえ、20世紀における0.8℃の気温上昇のうち0.4℃は自然要因であると、つまり、人為的要因の気温上昇は0.4℃にすぎないと認めている。

[注3] 「地球温暖化懐疑論批判」は「議論26」において「こうした見積りから、たとえ水蒸気が最も重要な温室効果ガスであっても、二酸化炭素濃度が産業革命以前と比べ2倍、3倍となれば気候に影響を与えうることは十分に納得できるであろう」と言い張っていたけれど、二酸化炭素の寄与は、第2章で解説したとおり280ppmで6℃、390ppmで6.13℃なのだから、(2-1)式に頼らずとも、「二酸化炭素濃度が産業革命以前と比べ2倍、3倍となっても気候に大きな影響を与え得ないことは十分に納得できるであろう」。

[注4] 名古屋大学地球水循環研究センターの教授が「永久凍土の融解が進めば温暖化は加速し、大地や植物だけでなく人間社会にも大きな影響を及ぼす」と騒ぎ立てているけれど、愚かとしか言いようがない。
第4章図4-2に見えるとおり、CO2の吸収帯域は288Kのプランク関数のピークに近い。
その温室効果ガスの吸収域がAμmからBμmだとすると、温室効果はAμmとBμmの間のプランク関数下の面積で凡そ決まるから、吸収帯域がプランク関数のピークに近いCO2の温室効果は強い。
一方、メタン(CH4)の吸収帯域(7.6μm辺り)はプランク関数の裾野にあるから、その温室効果は遥かに弱い。
分子レベルの吸収の強さは温室効果の強さと全く関係ない。
しかも、メタンの吸収帯域の中心からの放射も既に215Kにまで落ち込んでいる。
メタンが放出されても「温暖化は加速」しない。

[注5] 中国による環境破壊はそれだけに止まらない。


プラごみ年1千万トン超海に流出 米大学チーム、1位は中国
2015年2月13日 5時58分
海洋に流出するプラスチックごみは世界全体で年間480万~1270万トンに達するとの試算を、米ジョージア大のチームがまとめ、13日付の米科学誌サイエンス「Science,347(2015)768」に発表した。最も流出が多いのは中国だった。
チームは海に接する192の国や地域を対象に分析。1位の中国は年間132万~353万トン、2位はインドネシアで48万~129万トン、3位はフィリピンで28万~75万トンだった。上位の国は人口が多く、リサイクルや焼却、埋め立てなどの廃棄処理が適切に行われていない国が多かった。上位20カ国の大半は発展途上国だが、先進国では唯一、米国が入った。

2015021301
米ジョージア大のチームがスペイン・カナリア諸島の海岸で拾ったプラスチックゴミ=2014年11月(ジョージア大提供)


(共同)

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