異常気象の全く不都合な真実

前章で解説したとおり、朝日新聞とIPCC学派は、産業革命以降の気温上昇を1.5℃以内に抑えなければならない、そうでなければ、東京も大阪も水没してしまう、と騒ぎ立てている。
そして、1.5℃以内に抑えるためには、CO2の排出を劇的に削減しなければならない、と言い張っている。


2018年11月28日の朝日新聞朝刊紙面より

しかし、IPCCの「1.5℃特別報告書」の非科学性とイカサマは明らかであり、CO2排出の削減は全く必要無い。
それでも、朝日新聞とIPCC学派は肯んじない。
前章の第10節で引用した2018年10月2日の記事は「埼玉県熊谷市で過去最高の41.1度を記録するなど、この夏、日本列島は猛暑に見舞われた。7月の西日本豪雨や9月の台風21号など大雨の被害も続いている。熱波や大雨による被害の報告は海外からも相次ぐ。地球温暖化の影響を心配する声は、これまで以上に大きくなっている」と騒いでいたけれど、「トリプル異常気象」と喚き立てている。


2018年9月11日の朝日新聞夕刊紙面より

前章の第10節で引用した2018年8月2日の紙面で、ヨハン・ロックストロームが「そのうちの一つが、気温上昇による大気中の水蒸気の増加です。大気中により多くの水分がたまれば、どこかで放出しなければならないので豪雨が増える。温暖化と豪雨災害を切り離すことはできません」と言い張っていたけれど、下の記事に見えるとおり、IPCCに依れば、「温暖化で海面水温が上昇すると、大気に含まれる水蒸気の量が増え、台風が発達しやすくなる」から、2018年の「トリプル異常気象」は、CO2の排出が異常気象を招いていることをハッキリと示した、と言うのである。

2016090102
2016年8月29日の朝日新聞朝刊紙面より

2018年はCO2排出の影響がハッキリと現れ出した年だ、と言うのだ。
だから、またしてもヨハン・ロックストロームを押し立てて、騒ぎ立てている。


地球の限界を知らずに「人新世」は生き抜けない 発展の限度を心得よ
2019.3.4
ポツダム気候影響研究所ディレクター ヨハン・ロックストローム氏に聞く

人類が地球に及ぼす影響があまりにも大きくなった結果、人類は自らが地球の状態を左右してしまう「人新世」という未知の時代に足を踏み入れようとしている――。最近、耳にするようになった「人新世」という言葉は、私たちにえも言われぬ恐怖を与える。生みの親のひとりで、ポツダム気候影響研究所ディレクターのヨハン・ロックストローム氏にインタビューした。(聞き手・石井徹、写真・北村玲奈)

人新世は、人類によってつくられた新しい地質年代です。人間活動の指数関数的増大によって1950年前後から地球システムへの圧力が高まり、人間が惑星規模での変化の主役になったのです。
最終氷期以降の完新世(約1.2万年)は、温暖で安定した気候に恵まれて農耕文明が起こり、人類を支えることができる唯一の地球の状態でした。
その均衡は、生物物理学的プロセスと地球システムによるフィードバック、例えばグリーンランドや南極大陸の氷床による太陽光の反射率、土壌や植生、海洋の炭素吸収によって決められます。人新世の始まりは、地球のバランスの根本的な変化を示しています。人類自体が地質学的な力になり、地球に前例のない圧力をかけている状態です。
問題は、私たちがどこで閾値(いきいち)を超え、いつ後戻りできなくなるのか。地球の新しい均衡状態になる転換点を超えることです。これが「温室の地球」と呼ばれるもので、気温上昇が2度を超えると、地球温暖化は4~6度、それ以上に、長期的に自己増幅する危険があります。
・・・中略・・・
1月の世界経済フォーラムの年次総会(ダボス会議)に出席しましたが、世界の経済界がとる気候行動という面では、これまでで最も強い表明がなされたのではないかと思います。しかし、その努力は依然として遅れています。この不満は、ダボスの指導者たちによっても公然と議論されました。
私たちは、すでに1度の温暖化を経験しており、2018年は世界の大部分の人に気候変動の影響が明らかになった最初の年であったかもしれません。地球温暖化を1.5~2度未満に抑えるためには、世界の政治指導者やビジネスがさらに協調して努力する必要があります。
ヨハン・ロックストローム 1965年スウェーデン生まれ。地球の持続可能性の研究で著名な環境科学者で、ストックホルム・レジリエンス・センター所長を経て、昨年10月からポツダム気候影響研究所ディレクター。2009年に他の研究者とともに人類が生存できる範囲の限界「プラネタリー・バウンダリー」を発表した。


(朝日GLOBE2019年3月号より)

しかし、それは科学的に見えて、実は、全く非科学的で、全くナンセンスである。

14.1 豪雨の不都合な真実

2018年の西日本豪雨が始まった2018年7月5日の気温(偏差)を調べると、西日本の気温、そして、西日本側の太平洋の海水温は決して高くなかった。
(下図は海水温偏差ではなく海面上の気温偏差そ示しているけれど、海面水温偏差と海面上の気温偏差は同じと考えられる。)

気象庁も認めている。


【西日本豪雨】海水温の上昇が大雨の供給源に
2018.7.9 21:29
西日本豪雨は、ほぼ同じ場所に停滞した梅雨前線に向かって、過去に例がないほど大量の水蒸気を含む空気が流れ込んだことが原因とみられる。近年、各地で相次ぐ大雨は地球温暖化による海水温の上昇も要因として指摘されるが、現時点で関連は不明。ただ、気象庁は「(温暖化で)海水の蒸発量が増えれば、大雨が発生しやすい環境になる」として警戒を強めている。
気象庁によると、今回の豪雨は、日本付近の梅雨前線に南西から暖かく湿った空気が絶えず流れ込み、雨雲の形成を続けたことで降り続けた。
理由として、3~4日に日本海上を進んだ台風7号が影響したとみられ、台風を取り巻いていた非常に湿った空気が本州付近に残されて前線に流れ込んだ。さらに、もともと沖縄周辺の海上にあった積乱雲の塊を台風7号が取り込みきれずに北上し、残された雲の湿気も、南方に張り出した太平洋高気圧の縁を回り込むように南西の風に乗って前線に流れ込んだ。
近年に日本で大雨をもたらした雨雲は、南の海上で高気圧の下、蒸発した海水が”エネルギー源”となっていることが多い。
気象庁は平成27年公表のリポートで、温暖化による気温上昇などにより、将来的に1日に計200ミリ以上の大雨となる日数が増加すると予測。ただ、今回は平年と比べて特別に海水温が高かったわけではなかったといい、「温暖化と関連付けるには解析を進める必要がある」(担当者)としている。


(産経ニュース)

むしろ、東日本側の海水温が高かったのだから、「温暖化と豪雨災害を切り離すことはできません」なら、東日本で豪雨災害が起こっていたはず。

先の2018年9月11日の紙面に見えるとおり、2018年の「西日本豪雨災害」では「広島での土砂崩れ」で犠牲者が出たけれど、広島では2014年の8月にも豪雨災害が起こった。
「微動だにしていない」木本昌秀は、CO2の排出(に因る温暖化)が原因、と喚いていた。


8月は異常気象 温暖化も一因に
2014年9月3日 19時30分
先月は、西日本で記録的な大雨や日照不足となり、各地で猛烈な雨が観測されました。
気象庁の専門家で作る検討会は、「異常気象」だったとしたうえで、「広島の土砂災害を引き起こした局地的豪雨は地球温暖化も要因の1つになっており、今後、こうした現象はどこでも起きるおそれがあり、日頃から備えをしてほしい」と指摘しています。
気象庁によりますと、先月は台風や前線の影響で、雨の降りやすい状態が続き、西日本で1か月に降った雨量は平年の274%と、8月としては昭和21年に統計を取り始めてから最も多くなりました。また、日照時間も平年の48%と、これまで最も少なかった昭和55年を下回り、深刻な日照不足となりました。
これについて、気候の専門家などで作る気象庁の「異常気象分析検討会」は3日、会合を開いて要因を分析しました。
それによりますと、先月上旬は、偏西風が平年より北に位置していたため、台風の速度が遅く、長い間、雨が降り続いたということです。
その後は偏西風が日本の西側で南に、日本の東側で北に蛇行したたため、前線が本州付近に停滞しやすい状態が続いたということです。さらに日本の南の海上では、雨雲の発達が活発でなくなったため、太平洋高気圧の西への張り出しが弱まり、高気圧の縁を回って暖かく湿った空気が、日本に流れ込みやすい状態が続き、西日本で記録的な大雨や日照不足になったとしています。
一方、広島市の土砂災害を引き起こした局地的な豪雨など、先月、各地で猛烈な雨が観測されたことについて、検討会は、地球温暖化による気温の上昇で、日本付近の大気に含まれる水蒸気の量が増加していることも要因の1つだとする見解をまとめました。
検討会の会長を務める東京大学の木本昌秀教授
は記者会見で、「複数の条件が重なって西日本では極端な天候となり、異常気象だったといえる」と述べました。
そのうえで、「地球温暖化も短時間に猛烈な雨を降らせる要因の1つになっており、今後、こうした現象はどこでも起きるおそれがあり、日頃から備えをしてほしい」と指摘しました。


(NHK)

しかし、「地球温暖化による気温の上昇で、日本付近の大気に含まれる水蒸気の量が増加していることも要因の1つ」なら、近隣でも豪雨になっていたはずだが、そうではなかった。


広島市北部、未明に100ミリ超える雨 陸自に派遣要請
2014年8月20日8時13分
広島市北部で20日未明、1時間に100ミリを超える猛烈な雨を記録し、広島地方気象台は「数年に一度」とされる記録的短時間大雨情報を出した。この雨の影響で住宅に土砂が流れ込み、広島市消防局によると、少なくとも10人が生き埋めになっているとの情報が入っており、救助活動が続いてる。
広島県危機管理監によると、20日午前4時までの1時間に、広島市安佐北区三入東で121ミリ、同区可部町上原で115ミリ、同区役所で102ミリの雨を観測した。
大雨の影響で、広島市安佐北区、安佐南区、佐伯区と安芸高田市八千代町で計約5300戸が停電となった。湯崎英彦・広島県知事は20日午前6時半、松井一実・広島市長の要請を受けて、陸上自衛隊に災害派遣を要請した。
気象庁によると、日本海付近に停滞する前線に南からの湿った空気が流れ込んで大気の状態が不安定になったため、局地的に大雨が降ったという。同時刻に近接する観測点で数ミリしか降っていないところもあり、気象庁は「不安定な状況下ではいつどこに雨雲が発生してもおかしくなく、短時間に極めて狭い範囲に雨が集中した」とみている。


(朝日新聞デジタル)

ヨハン・ロックストロームの言う「そのうちの一つが、気温上昇による大気中の水蒸気の増加です。大気中により多くの水分がたまれば、どこかで放出しなければならないので豪雨が増える」だの、木本昌秀の言う「地球温暖化による気温の上昇で、日本付近の大気に含まれる水蒸気の量が増加していることも要因の1つ」だのの理屈が成り立たないことは明らかである。

広島の豪雨災害の翌年には、関東で鬼怒川が決壊し甚大な被害が生じた。
そのメカニズムは下の記事に見えるとおりだが、


同じ地域で断続的に積乱雲が発生 大雨のメカニズム
2015年9月10日15時20分
大雨は関東地方を中心にした南北の帯状の範囲で降り続いている。
気象庁によると、東海―北陸地方を縦断して日本海に抜けた台風18号が変わった温帯低気圧に向け、太平洋側から非常に湿った空気が流れ込んでいる。このため、積乱雲が断続的に発生している。
記録的な大雨になったのは、同じ地域に積乱雲がかかり続けていることが大きい。温帯低気圧を取り巻く南西から南の風と、太平洋の台風17号を取り巻く東風がぶつかり合っているためで、行き場のない空気が上昇することで積乱雲を発達させている。こうした状況が東西約200キロの幅の範囲で続いているという。
気象庁の弟子丸卓也予報課長は記者会見で「台風の風がぶつかりあい、せきとめられるような形で帯状につながる例は珍しい。記憶にない」と話した。

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大雨のメカニズム


(朝日新聞デジタル)

日本列島と日本海上の気温(偏差)は平年よりも低かった。

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図14-1 2015年9月1日から10日の東アジアの気温偏差(NOAA・NCEP)

ヨハン・ロックストロームの言う「そのうちの一つが、気温上昇による大気中の水蒸気の増加です。大気中により多くの水分がたまれば、どこかで放出しなければならないので豪雨が増える」、そして、木本昌秀の言う「地球温暖化による気温の上昇で、日本付近の大気に含まれる水蒸気の量が増加している」は、より正確に言うと、下の記事に見える「温暖化に伴う気温の上昇で、大気が抱えていられる水蒸気量(飽和水蒸気量)は増える。海面水温も上昇し、蒸発量も増える。飽和水蒸気量の増え方のほうが大きいため、雨の頻度は減る一方で、1回当りの降雨は激しくなる」だが、事実は全く逆であり、「気温の低下で、大気が抱えていられる水蒸気量(飽和水蒸気量)が減った」から、大雨が降り続いたのである。

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2013年9月8日の朝日新聞朝刊紙面より

そこで、2018年の「西日本豪雨災害」を再検証すると、先の「【西日本豪雨】海水温の上昇が大雨の供給源に」という見出しの記事に見えるとおり、「3~4日に日本海上を進んだ台風7号が影響したとみられ、台風を取り巻いていた非常に湿った空気が本州付近に残されて前線に流れ込んだ」ということだから、2015年の東日本豪雨と似た気象条件だった。
そして、Ryan Maue のツィートに見えるとおり、やはり、日本海上の気温(偏差)は低かった。
2018年の「西日本豪雨災害」も「気温の低下で、大気が抱えていられる水蒸気量(飽和水蒸気量)が減った」結果である。

下の記事に見えるとおり、2017年の九州北部豪雨も「平年より約3度低い寒気が上空に流入しており、まれに見る大雨を生み出した」。


2017年8月5日の朝日新聞朝刊紙面より

「温暖化に伴う気温の上昇で、大気が抱えていられる水蒸気量(飽和水蒸気量)は増える。飽和水蒸気量の増え方のほうが大きいため、1回当りの降雨は激しくなる」のではなく、全く逆に、「気温の低下で、大気が抱えていられる水蒸気量(飽和水蒸気量)は減るため、1回当りの降雨は激しくなる」のだ。
その証拠に、19世紀以前の気温が低かった時代に、異常気象がより多く発生していた。
前章の第10節で引用した2017年8月22日の紙面に見えるとおり、ヨハン・ロックストロームもストックホルム大学だけれど、この論文には頬かむりを決め込んで、「温暖化と豪雨災害を切り離すことはできません」と言い張っていたわけである。もちろん、「ホットハウス・アース」論文はこの論文を引用していない。)


地球の気候予測に誤りがある可能性、研究
2016年4月7日 14:41 発信地:パリ/フランス
地球温暖化の影響で、20世紀には前例がないほど異常な降水量となるとした予測は誤りだとする研究論文が6日、発表された。将来の傾向を予測する方法についても、疑問視している。
英科学誌ネイチャーに掲載された論文Nature,532(2016)94によると、北半球の過去1200年の降水量について大規模な調査を実施した結果、化石燃料に起因する地球温暖化が始まる以前の、平均気温がより低かった時代に、こうした極端な現象がより多く発生していたことが明らかになったという。
これにより、地球温暖化が原因で1900年代に記録的な降水量となると予想された際に使用されたデータモデルが、今後を予測する際の基礎になっていることは、問題だとしている。
地球温暖化とその影響について各国政府に報告を行っている国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は、温室効果ガスの排出によって地球の平均気温が上昇するにつれて、乾燥地帯ではより乾燥が進み、雨の多い地域ではより降水量が多くなると主張している。
一方、今回発表された論文では、20世紀の世界の平均気温の上昇は、多くの人々の予測とは異なり、記録的な豪雨や干ばつの直接の原因ではないと指摘。

論文の主執筆者であるスウェーデン・ストックホルム大学のフレデリク・リュンクビスト(Fredrik Ljungqvist)氏は、「変動の大半は気温だけではなく、どちらかというと内在的な、より不規則的な変動によって生じる」と説明した。
今回の研究にあたっては、歴史や気象、地質学、数学などの専門家チームが、欧州や北アジア、北米の干ばつと降水量のデータをまとめ、12世紀分の「水の歴史」を作成。流出量や湖の水位、海底・湖底堆積物、木の年輪、歴史的な記録など、地質学的に保存された証拠も考慮した。
リュンクビスト氏によると、「過去には、より長期的な年代区分で見ると、大きな変動もあった」という。
米カリフォルニア州立大学地質科学学部のマシュー・カービー(Matthew Kirby)氏は、こうした相違は間違いなく、温暖化と極端な降水量との関連性についての激しい議論に油を注ぐことになると、同誌でコメントした。


(AFP/Mariette Le Roux)

第8章の第3節で引用した「アルプス登攀記」の第10章の注釈にも、このような記述がある。


ドフィネの氷河(アルプス全体にわたってもそうであるが)は、最近になって著しく縮小したのである。著しい縮小が、一八六九年に起こったのであるが、その原因は、土地の人たちの言うところによると、その年の豪雨のためだそうである。


(エドワード・ウィンパー著(浦松佐美太郎訳)「アルプス登攀記」より)

そのウィンパーの祖国・英国でも、CO2排出が豪雨を招いた、と騒ぎ立てていたけれど、


観測史上初、大水害が続く英国
2014年2月12日
英国では、2012年は1年間で9回だった大洪水警報が、2013年12月には130回以上出された。そして1月は、総降水量が観測史上最高になった。
英国では、2013年の冬から現在まで、激しい洪水を伴う嵐が続いている。
2012年は1年間で9回だった大洪水警報が、2013年12月には130回以上出された。そして1月は、総降水量が観測史上最高になった。
英国気象庁の主任科学者であるジュリア・スリンゴは、「記録は1766年までさかのぼることができるが、今回のような記録はない」と語った。
スリンゴ氏は、英国を襲っている極端な天候について、全世界的な気候変動と関係があると見ている。同氏は、嵐とそれに伴う洪水の原因に「決定的な答えはない」としながらも、「あらゆる証拠は、気候変動との関係があることを示唆している」と述べた。

科学者は通常、具体的な出来事を気候変動のせいにすることを嫌がる。気候とは、天候の長期にわたる平均に相当するものだからだ。しかしながら、人類による炭素排出は、大気中に蓄えることのできるエネルギーを増加させ、天候パターンを長期的に変えてしまう。
デーヴィッド・キャメロン首相も、英国の極端な天候は世界的な気温の変化と関係があるのではないかと語った。

しかし、オーウェン・パターソン環境相をはじめとして、内閣には、キャメロン首相のこの結論を受け入れることを拒否する者たちがいる。炭素排出に対する具体的なアクションの実現はまだ遠いと見られている。


(WIRED.jp)

その後の研究「Hydrol.Earth Syst.Sci.,21(2017)1631」で「今回のような記録はある」ことが、つまり、「化石燃料に起因する地球温暖化が始まる以前の、平均気温がより低かった時代に、こうした極端な現象がより多く発生していたことが明らかになった」。

先の2018年9月11日の紙面に見えるとおり、2018年の「西日本豪雨災害」では「岡山県倉敷市の真備町での浸水などによる死者・行方不明者は約230人」だけれど、その真備町でも「化石燃料に起因する地球温暖化が始まる以前の、平均気温がより低かった時代に、こうした極端な現象がより多く発生していたことが明らかになった」。


2018年8月28日の朝日新聞朝刊紙面より


2018年8月29日の朝日新聞朝刊紙面より


2018年8月30日の朝日新聞朝刊紙面より


2018年8月31日の朝日新聞朝刊紙面より

水田を宅地に変えるには土を盛る。
洪水が生じた時は、低湿地が無くなった分だけ水位が上がる。
加えて、洪水を防ぐために堤防を築いたことで、溢れたり決壊した時には、かえって排水が悪くなり、その分だけ水位が上がる。
連載の第11回に見えるとおり、2018年の水害では「昼ごろには石垣を超え」、「水が止まったのは、玄関先に敷かれた石の手前」けれど、第13回に見えるとおり、それは「かつて田だった一帯は住宅街に変わっていた」からであり、そうでなければ、水位はもっと低かったはず。
しかも、1893年の洪水では、「御霊屋に逃げた住民が天井に迫る水から逃れるため穴を開け、屋根に上り助かったと伝わる」、「石垣前に4㍍近くそびえる明治26年の大洪水の供養等は、その高さが浸水の深さだった」。
CO2が明らかに増加し始めたのは1900年以降だが、それ以前に、今回と同規模かそれ以上の水害が立て続けに起こっていたのだ。
前章の第10節で引用した2018年10月2日の紙面に見えるとおり、「国立環境研究所の江守正多・地球環境研究センター副センター長は、『温暖化によって豪雨の降水量は少なくとも7%かさ上げされた状態』と説明する」けれど、そして、先に引用した2018年9月11日の紙面に見えるとおり、「国立環境研究所の江守正多さんに聞くと、単純化すれば『温暖化が続けば、豪雨も猛暑も増え続ける』と言う」けれど、全く非科学的な戯言にすぎない。

14.2 猛暑の不都合な真実

前章の第10節で引用した2018年10月2日の紙面に見えるとおり、「埼玉県の熊谷市で過去最高の41.1度を記録するなど、この夏、日本列島は猛暑に見舞われ」、名古屋でも初めて40℃を超えた。


名古屋で40.3度、76年ぶり最高更新 岐阜・美濃も
2018年8月3日19時02分
猛烈な暑さが続く東海地方は3日、名古屋市で40.3度の最高気温を記録し、観測史上初めて40度を超えた。岐阜県美濃市でも40.3度を観測し、各地で猛暑日となった。名古屋地方気象台によると、厳しい暑さはしばらく続く見込みだという。
名古屋市の最高気温は同日午後2時1分に観測。これまで最高だった1942年8月2日の39.9度を76年ぶりに更新した。この日の全国最高で、1994年に愛知県愛西市で記録した県内最高にも並んだ。
岐阜県多治見市では39.9度を記録。三重県桑名市は39.8度で観測史上最高を更新した。愛知県豊田市で39.6度、岐阜県美濃加茂市で39.1度、同県揖斐川町で39.0度となるなど、この日の全国の上位7地点を東海3県が占めた。
名古屋地方気象台によると、猛烈な暑さは、日本の上空で太平洋高気圧とチベット高気圧が重なり合っていることに加え、晴れの日が続き、気温が上昇しやすくなっているのが原因。東海地方では北西から山を越えて乾いた風が吹き下ろす「フェーン現象」の影響も加わったとみている。
名古屋市は南から海風が入りやすく、多治見市など内陸部ほどは高温になりにくいが、この日は北西からの風が強かった。吉野純・岐阜大准教授(気象学)は「海側からの風が入らず、比較的高い気温になった可能性がある」と指摘する。名古屋地方気象台は「今後も暑さが続くので熱中症に注意してほしい」と呼びかける。
名古屋市消防局によると、3日午後4時までに救急出動した回数は248件、熱中症で救急搬送した人数は15人だった。


最高気温40.3度を記録した名古屋市内。持参した温度計は44度を超えた=2018年8月3日午後3時33分、名古屋市中村区、吉本美奈子撮影


(朝日新聞デジタル)

しかし、名古屋はヒートアイランド現象が酷い。


名古屋暑くなった?異例の「人海戦術」で気温測定へ
編集委員・伊藤智章
2015年6月21日13時12分
名古屋は暑くなっているのか――。8月、市民らが名古屋市全域のあちこちに立って、同時に気温を測る。愛知万博があった2005年以来10年ぶりの測定だ。緑地減少や高層ビル建設ラッシュが、ヒートアイランド現象にどう響くか。参加するボランティアを、400人を目標に募集している。
■5月は夏日最多の26回
名古屋市では年間の熱帯夜(最低気温25度以上)が1940年代の数日から2010年には48日に増えた。今年5月は、夏日(最高気温25度以上)が統計を取り始めてから同月として最多の26回に上る。千種区の住宅街で測る気象台データより、ビル街の実感はもっと暑い。
しかも、熱気を抑える樹林地や農地が市域に占める割合を示す緑被率は90年の29.8%から10年には23/3%に減った。半世紀前に石原裕次郎が名古屋の街を歌った「白い街」がさらに白くなっている。
その実態を確かめ、緑や水辺を守る機運を高めるのが、市民による「同時多点気温測定」の狙いだ。
きっかけはソウルに敗れた88年の五輪誘致だった。メインスタジアムなどが建設されそうになった市内の東部丘陵で、五輪に反対した元県職員の大沼淳一さん(70)らが呼びかけて91年に実施。05年は、愛知万博メイン会場として開発されかけた「海上(かいしょ)の森」(愛知県瀬戸市)の保存運動が契機になり、市内全域で測定した。
05年は、市中心部は東部丘陵より2~4.5度高かった。東部丘陵でもテニスコートや道路建設で樹林帯が開発され、91年測定に比べ気温の低い地域が狭くなっていた。


(朝日新聞デジタル)

「国立環境研究所の江守正多・地球環境研究センター副センター長は、『温暖化によって猛暑の気温は1度程度かさ上げされた状態』と説明する」けれど、「猛烈な暑さが続く東海地方は3日、名古屋市で40.3度の最高気温を記録し、観測史上初めて40度を超えた」のは「ヒートアイランド現象によって猛暑の気温は2度程度かさ上げされた状態」。
名古屋のヒートアイランド現象は20世紀後半の現象だから、「名古屋市で40.3度の最高気温を記録」からヒートアイランド現象を取り除けば、「これまで最高だった1942年8月2日の39.9度」より低い。
「(CO2の排出に因る)温暖化によって猛暑の気温は1度程度かさ上げされた状態」ではなく、「(CO2の排出に因る)温暖化によって猛暑の気温は1度以上引き下げされた状態」。
矛盾した話になるのは、言うまでも無く、「(CO2の排出に因る)温暖化によって猛暑の気温は1度程度かさ上げされた状態」という前提が間違っているからである。

2018年に「埼玉県の熊谷市で過去最高の41.1度を記録する」以前は、2013年の8月に高知県四万十市江川崎で記録した41℃が過去最高だった。
第10章の第1節で引用した「平均気温上昇の原因は? 地球全体の傾向、やはりCO2」という見出しの記事中で、人為的(排出CO2)温暖化説の権威と目されている御老公が「熱を吸収しやすい二酸化炭素(CO2)の大気中濃度が増えているのだから、最高気温が更新されるのは当然」と、前章の第3節で引用した「温暖化に挑む:平均気温の伸び停滞、なぜ 解明進む『ハイエイタス』現象、再上昇へ警告も」という見出しの記事中で、江守正多が「ハイエイタスと言われているにもかかわらず、気温の最高記録が出ている。このデータを直視し、国際社会は温室効果ガス削減策や被害軽減策の議論に真剣に向き合ってほしい」と、そして、第1節で引用した2013年9月8日の朝日紙面で、「微動だにしていない」木本昌秀が「(CO2の排出に因る)温暖化がなければ、この夏、これだけ多くの地点で最高記録を更新することはなかっただろう」と言い張っていたのは、その記録に他ならないが、江川崎のアメダスは観測条件が劣化していた。


四万十市の気温記録に熊谷市民「観測所の芝生刈れば勝てる」
2013.8.23 07:00
8月12日、高知県四万十市西土佐にある江川崎地域気象観測所で、国内観測史上最高気温となる41.0度を記録した。しかし、この「41.0度」という新記録自体を、疑問視する向きがある。気象庁の気温観測地点は全国に927か所あるが、観測条件を一定にするために温度計は地上1.5mの高さに設置されており、「人工熱源からは充分に離す」「温度計の周囲は30平方メートル以上の芝生を敷く」というルールがある。ところが江川崎の観測所は、芝生が剥げている上、すぐ隣は広大なアスファルトの駐車場なのだ。
「熱のこもるアスファルトが、測定気温の上昇に影響を与えたことは否定できないと思います。正確な気温を測定する場所として、この江川崎観測所は、ベストな環境とは言い難いんです」(気象予報士の森田正光さん)

これに怒り心頭なのが、2007年8月に40.9度を記録して以来日本一の記録を保持してきた埼玉県熊谷市の住人である。
これまで熊谷市は『あついぞ!熊谷』をキャッチフレーズに、うちわやTシャツなどの販売や、各飲食店で辛いメニューを提供する「くま辛」なるプロジェクトも展開するなど、「暑さ日本一」をPRしてきた。それだけに、日本一の座を奪われた地元住人の悔しさは大きい。
「冗談じゃないですよ! 熊谷の観測所はちゃんと芝生の上にあるし、周囲に熱源もありません。隣がアスファルトの観測所なんて、不公平です」(40代男性)
「熊谷の観測所も、芝生を刈って隣を駐車場にしたらいいんです。そうしたら、すぐに42度くらいいくんじゃないですか?」(30代男性)
実際、2010年9月に京都府の京田辺市で39.9度を観測した時には、温度計にツタが絡まっていることが発覚し、ツタにより風が妨げられ、熱が籠もって温度が上がった可能性があるとして、気象庁が記録を認めなかったことがある。
今回も京都と同じケースだと思います。
気象庁はちゃんと現地に行って観測所の調査をしてほしいです」(40代女性)
熊谷市民がこう憤る一方で、「くま辛」プロジェクトの実行委員会事務局長の大関暁夫さんは冷静に語る。
「ぼくはむしろ、日本一を四万十市に譲れてよかったと思っています。暑さアピールで盛り上がるのは最初だけで、暑いことが定着してくると、途端に”行きたくない町”になるんです。長い目で見ると経済効果はマイナスなんですよ。気温以外で魅力的なものを作らないとダメ。四万十市も、単に”暑さ日本一”だけをPRしていくと、すぐに観光客は減ってしまうと思いますよ。これからは、お互い協力できるところはしていきたいですね」
町興しも “ヒートアップ” しすぎには要注意です。


(女性セブン 2013年9月5日号)

観測の劣化は京田辺の事件以前から指摘されていたことである。


京田辺だけじゃない!各地に草だらけのアメダス
9月の国内最高気温(39.9度)を観測した京都府京田辺市の地域気象観測システム(アメダス)に草が巻き付いていたのと同じように、環境の悪化した観測施設が各地にあることが、東北大名誉教授の近藤純正さん(76)(気象学)らの調査でわかった。
公務員削減で測候所の無人化が進んでおり、管理の強化を求める声が強まりそうだ。
近藤さんらは、約5年前から全国100か所以上のアメダスや無人測候所を訪ね、環境を調査した。その結果、植物の繁茂など、観測に影響するとみられる例が数十か所あったという。
昨年6月に調査した埼玉県内のアメダスでは、雨量計が草で覆われていた。熊谷地方気象台は「定期的に草刈りしており、データに問題はない」とするが、雨量計は受水口から入る降水を0.5ミリごとに測る仕組みで、雨粒が葉にはじかれる恐れがある。岡山県の無人測候所では、約40年間に年平均風速が33%減少し、年平均気温は周辺より0.4度上昇したが、この間に周辺の桜並木が風速計の高さ(約12メートル)まで成長、風を妨げた可能性がある。


(2010年9月9日14時34分 読売新聞)

もちろん、気象庁も、我国の年平均気温(偏差)の算出には、京田辺や江川崎のようなアメダスや無人測候所のデータは用いていない。
地方気象台のデータを用いている。
気象庁が採用しているのは、15箇所の地方気象台、網走、根室、寿都(すっつ)、山形、石巻、伏木(高岡市)、飯田、銚子、境、浜田、彦根、宮崎、多度津、名瀬、石垣島のデータであり、下図に見える気温上昇に名古屋のようなヒートアイランド現象は無い、と言う。
(熊谷が入っていないということは、熊谷もヒートアイランド現象が大きいと認めているわけで、「埼玉県の熊谷市で過去最高の41.1度を記録する」を以ってして、「熱を吸収しやすい二酸化炭素の大気中濃度が増えているのだから、最高気温が更新されるのは当然」だの、「温暖化がなければ、この夏、これだけ多くの地点で最高記録を更新することはなかっただろう」だのと言い張るのは愚の骨頂である。)


図14-2 我国の年平均気温偏差の推移

しかし、それは強弁にすぎない。
下図に見えるとおり、銚子の地方気象台も街中にあり、名古屋ほどでなくても、ヒートアイランド現象に因る嵩上げは免れない。


図14-3 銚子地方気象台の位置

「東北大名誉教授の近藤純正さん」の研究に依れば、ヒートアイランドの影響を補正した値は気象庁公表値の6割にすぎない。
図14-2の青線の両端、または、赤線の両端の差は約1.5℃だが、ヒートアイランド現象を取り除けば0.9℃ほど。

それなら、「国立環境研究所の江守正多・地球環境研究センター副センター長は、『温暖化によって猛暑の気温は1度程度かさ上げされた状態』と説明する」のは正しいのか?
先に説明したとおり、それは間違い。
ヒートアイランド現象は20世紀後半からであり、しかも、気象庁が用いている15箇所の地方気象台では1990年以降の再開発で都市化が進んだから、図14-2からヒートアイランドの影響を取り除いても、1980年代までの値はほとんど変わらない。
ヒートアイランド現象を補正すれば、青線の両端の差が0.9℃に縮まるということは、青線の右端が縦軸の目盛り0辺りまで下がる(もちろん、それに応じて1990年以降の値も下がる)ということだから、青線の右端は1960年よりも少し高くなるだけ。
CO2排出は20世紀後半に激増したのだから、「(CO2排出に因る)温暖化によって猛暑の気温は1度程度かさ上げされた状態」なら、それはあり得ない。

もちろん、江守正多らIPCC学派は、1960年前後に気温が上がったのは自然変動だから、それと比べるのは間違い、と言い張るだろう。
しかし、ヒートアイランド現象を補正して、青線の右端が縦軸の目盛り0辺りまで下がれば、1960年前後の気温を無視しても、20世紀前半の気温上昇は20世紀後半の気温上昇と同じほど高い。
CO2排出は20世紀後半に激増したのだから、第5章で解説したとおり、図14-2の青線、または、赤線の20世紀前半は太陽活動の活発化が原因。
気温が1960年前後に急上昇した後に下がったということは、1960年前後の急上昇は自然変動ということだから、結局、青線の1960年までは自然変動の範囲内。
ということは、1980年代末に起こった急激な気温上昇も自然変動が寄与している、ということである。
Progress in Oceanography,47(2000)103」に依れば、1980年代末に北太平洋で「Climate Shift」が起こった。
下図に見えるとおり、北太平洋の熱量が急上昇した。

2014022603図14-4 北太平洋の熱量の推移(「SkepticalScience Still Misunderstands or Misrepresents the El Nino-Southern Oscillation (ENSO)」より)

それに伴って、海水温も急上昇した。

2016061401図14-5 北太平洋の海水温の推移(「Arguments For and Against Human-Induced Ocean Warming」より)

第10章の第1節で引用した「地球温暖化の熱、海の吸収量が急加速」という見出しの記事に見えるとおり、海は「人為的な温室効果ガスによって生成される過剰な熱の90%以上を吸収」するけれど、海に吸収される熱はCO2が増加するにつれて増えていくのだから、CO2の増加で上図のような不連続で急激な上昇は起こり得ない。
1980年代末の「Climate Shift」は自然変動。[注1]
北太平洋の変動は我国の気候に強く影響する。
図14-2の青線に見える80年代末の急激な気温上昇は自然変動の寄与が大きい。
ヒートアイランドの影響を補正すれば、やはり、青線の1960年までは自然要因の気温上昇。
青線の右端は1960年よりも少し高くなるだけだから、「(CO2排出に因る)温暖化によって猛暑の気温は0.1度程度かさ上げされた状態」にすぎない。
CO2の効果は弱い。

朝日新聞は、本章の冒頭で採り上げた2018年9月11日の記事で「夏を通じて全国で猛暑日が続いた。7月23日に埼玉県熊谷市で観測された41.1度が日本最高の記録である」と、そして、前章の第10節で引用した2018年10月2日の記事でも「埼玉県の熊谷市で過去最高の41.1度を記録するなど、この夏、日本列島は猛暑に見舞われた」と騒ぎ立てた後も、「天声人語」で騒ぎ立てていた。


2018年11月14日の朝日新聞朝刊1面より

まるで2018年11月の月平均気温が飛び抜けて高かったかのごとくに、2018年はCO2排出(に因る温暖化)の影響が明確に表れた年であるかのごとくに、「今年はどうも勝手が違う。11月も半ば近いのに、あたたかな日が続く。最近の1週間を平年と比べると、列島の広い範囲で平均気温が2度以上高かったという」けれど、2018年よりも0.5℃以上高い年が1990年以降に5回あった。


図14-6 我国の11月の月平均気温偏差の推移(右端は2018年)

「夏の異常気象を経験したばかりの身からすれば、少し心配にもなる11月である」と言うけれど、2016年と2017年はグラフの左端よりも低かった。
さらに、青線の1980年代後半は左端とほとんど同じ。
やはり、1980年代末に気温が上がった。
CO2の効果は弱い。

朝日新聞とIPCC学派は、今世紀末の天気予報はこうなる、と吹聴している。


東京で44度も?環境省「未来予報」 温暖化対策怠れば
2018年8月29日17時12分
明日の予想最高気温は東京や名古屋44度、大阪43度、札幌でも41度……。地球温暖化への対策を怠った未来を描いた動画「2100年 未来の天気予報」を環境省などが制作し、ウェブページ(http://ondankataisaku.env.go.jp/coolchoice/tv/ondanka/)で公開を始めた。
もともとは小学校での出前授業などでの教材として制作したもので、一般には公開していなかった。だが、テレビなどで紹介されて問い合わせが相次いだため、温暖化問題を広く知ってもらおうとウェブで公開することにした。
動画は3分で、現役の気象キャスターが実際の天気予報さながらに予想気温などを伝える。真夏日が東京で104日に上ったことや、熱中症で12万人が搬送されたことなど、温暖化による影響や被害も紹介している。局地的な豪雨や超巨大台風の発生などにも触れている。こうした「予報」は、国連の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)の第5次評価報告書をもとに、気象庁の予測などを組み合わせて導き出したという。
環境省の担当者は「今夏の猛暑で温暖化への関心が高まる中、起こりうる危機を共有し、一人一人ができる温暖化対策を実践してもらいたい」と話している。(川村剛志)


環境省が制作した動画「2100年 未来の天気予報」の一場面。最高気温が東京で44度となるなど、各地で記録的な暑さが予測されている(環境省「COOL CHOICE」提供)


(朝日新聞デジタル)

全く愚かな妄想であり、IPCCの非科学性を曝け出しただけである。

朝日新聞は2016年の夏も騒ぎ立てていた。


相次ぐ台風 経験超える想定が必要
台風10号が日本列島に接近している。上陸すれば1カ月で4個目で過去最多タイとなる。
今回の台風は南の海上からUターンするという、異例の進路をたどった。東北地方の太平洋側に上陸すれば1951年の統計開始以来初となる。
東日本大震災で海岸線がダメージを受けた所も多く、警戒が必要だ。
沿岸での高潮や暴風、河川の氾濫(はんらん)には十分に気をつけたい。自治体や交通機関は、必要な情報を迅速に提供してほしい。
廃炉作業が進む福島第一原発への影響も心配だ。2013年には汚染水タンクを囲む堰(せき)から台風などによる雨水があふれ、対応が後手に回った。見回りを強化するなど、東京電力は緊張感をもって臨んでほしい。
9号上陸の際は、東日本の広い範囲で避難勧告が出された。首都圏でも地盤がゆるみ、土砂災害の危険や河川が増水しやすい所がある。勧告が出ていなくても早めの避難を心がけたい。
今年の夏の天気は異例続きだった。大阪では8月の猛暑日が計23日と、1883年の統計開始以来の最多記録となった。台風は1号が7月3日に発生、統計開始の51年以降で2番目に遅かったが、8月に入ってたて続けに7個が発生。北海道には初めて三つも上陸した。
昨年は関東・東北豪雨で鬼怒川(茨城県)が決壊し、8千戸以上が被災。14年には広島の土砂災害で75人が亡くなった。
相次ぐ極端な気象は、地球温暖化との関係も指摘される。
海水温の上昇が、より強い集中豪雨や台風をもたらすとの予測もある。経験値では推しはかれない現象が、常に起こり得る時代だと考える必要がある。
防災の観点から気をつけたいのは、自分がなじみのない場所では、災害に巻きこまれるリスクが高いということだ。
台風の「当たり年」だった04年には、10個目に上陸した台風23号の豪雨で、京都府舞鶴市で由良川が氾濫して観光バスが水没、乗客がバスの屋根で一夜を明かしたことがある。一方で、いち早く自宅に避難して無事だった地元住民もかなりいた。
不要な外出を控え、出先では無理をしないことが大切だ。
9月1日は「防災の日」だ。最近は台風の襲来後に巨大地震が発生するといった複合災害を想定した訓練をする自治体もある。孤立集落への対応、電気・ガスなどライフラインの代替手段確保など、準備しておけば起きた時に対応しやすくなる。
一人ひとりが自分の身は自分で守ることを心がけて、被害を最小限に食い止めたい。


(2016年8月30日の朝日新聞社説)

「大阪では8月の猛暑日が計23日と、1883年の統計開始以来の最多記録となった」と言うけれど、京都では「統計開始以来の最多記録とならなかった」。


8月の猛暑20日 過去最多に迫る 熱中症搬送 京都府内1118人
2016年8月31日 22時10分
連日うだるような暑さに見舞われた今年の夏。京都、滋賀とも気温が35度を超える猛暑日が続いた。熱中症で病院に搬送される人や、海や川で遊泳中に溺れて亡くなる事故も相次いだ。
昨年より6日早い7月18日に梅雨明け発表となった近畿地方。特に7月末からは昼夜を問わず連日の酷暑となり、京都地方気象台が発表する高温注意情報は7月28日から8月26日までの連続30日に達した。最高気温は京都市で37.9度(8月6日)、東近江市で36.6度(同)を記録したのを筆頭に、8月の猛暑日回数は京都市で計20日を数え、過去最も多かった1995年(計22日)に迫った。
熱中症で倒れる人も続出した。総務省消防庁の調べでは、7月1日~8月28日の熱中症による救急搬送は京都府で1118人(前年同期1287人)、滋賀県で512人(585人)。うち3週間以上の入院が必要な重症者は京滋で計21人に上った。7月5日に京都市伏見区で畑作業をしていた男性(75)が意識を失ったほか、8月19日夜には京都市南区の男性(49)が自宅で意識がもうろうとなり、救急搬送された。
京都府警によると、7~8月の水難事故は前年同期より1件少ない9件で、5人が死亡した。海では7月、舞鶴市で磯釣りをしていた南丹市の男性(41)や、京丹後市の海水浴場で遊泳中だった大阪府枚方市の男性(40)ら計4人が溺れて亡くなった。8月7日には、京都府笠置町の木津川で泳いでいた兵庫県の男性(19)が流されて死亡した。
関西電力によると、新電力も含めた管内の電力供給力に対する需要の比率を示す使用率は、8月5日午後3時台の94%が今夏の最高だった。節電の定着などで電力が切迫する状況はなく、関電は「電力需給は安定していた」(広報室)としている。


(京都新聞)

「大阪では8月の猛暑日が計23日と、1883年の統計開始以来の最多記録となった」のはCO2の排出が原因ではない。
大阪は既に著しく都市化が進んでいるとは言え、乱開発は止まるところを知らない。
イチョウ並木の美しかった御堂筋の建築高さ制限を緩和した結果、ヒートアイランドが一層酷くなった。
中之島では朝日新聞が巨大なツインタワーを建設した。


2017年3月30日の朝日新聞朝刊紙面より

「大阪では8月の猛暑日が計23日と、1883年の統計開始以来の最多記録となった」のは朝日新聞が原因である。

先に引用した「名古屋暑くなった?異例の『人海戦術』で気温測定へ」という見出しの記事に見えるとおり、「05年は、愛知万博メイン会場として開発されかけた『海上(かいしょ)の森』(愛知県瀬戸市)の保存運動が契機になり、市内全域で測定した」けれど、温暖化を煽り立てた結果、「海上の森」は失われてしまった。


愛知万博で守ったのに…「海上の森」隣に太陽光施設
伊藤智章、百合草健二
2016年2月16日04時04分
愛知万博の会場計画を大幅縮小して自然環境を保全した海上(かいしょ)の森(愛知県瀬戸市)に隣接する林地が切り開かれ、太陽光発電施設が建設されていた。瀬戸市は「環境万博の理念を継承するエリアにふさわしくない」と2013年に中止を勧告したが、その後の開発に市民の指摘で今月に気づき、調査に入る方針だ。
現場は海上の森の北東端に接する民有地。13年以前にあったヒノキやスギの林が幅約100メートル、奥行き約200メートル以上にわたり切り払われ、砂利で整地された斜面にパネルがびっしりと並ぶ。開発した名古屋市の建設業者によると、出力1174キロワットのメガソーラー。大型重機が10台ほどあり、一部は高さ約2メートルの有刺鉄線やフェンスで囲まれている。「監視中」「私有地」などと書かれた看板もある。
近くの沢の水は海上の森へ流れ、下流には湿地や県の自然環境保全地域がある。また、県は森全体を保全するため万博翌年の06年に条例を定めている。
瀬戸市によると、建設業者は13年1月、この民有地で既設の資材置き場2カ所を含む5ヘクタール強の森林を伐採して開発し、発電施設を造る計画を市に提出。市は同年7月、環境万博の理念や下流の環境への影響から、市土地利用調整条例に基づき中止を勧告した。
だが、その後の開発を今月に市民に指摘され、市は10日に現場を確認。「事実関係を把握し早急に立ち入り調査する」としている。一帯は市街化調整区域で、同条例により1千平方メートル以上の開発には市と事前協議が必要で、違反した場合は中止命令や罰金(最大30万円)を科すことができる。
この業者は取材に対し15日に回答し、開発を認めたが経緯については保留。今後の太陽光発電施設の増設は「予定はない」とし、周辺環境への配慮として「フェンス周囲への植樹を予定」などと説明している。

2016040601
海上の森に隣接する傾斜地の林を切り開いて置かれているソーラーパネル=13日、愛知県瀬戸市海上町


(朝日新聞デジタル)

温暖化を煽り立てたから、「名古屋市で40.3度の最高気温を記録し、観測史上初めて40度を超えた」のだ。

14.3 台風の不都合な真実

本章の冒頭で引用した2018年9月11日の記事に見えるとおり、「9月4日の台風21号はすさまじかった」。


大阪47.4メートル猛烈な風 半世紀ぶり
2018年9月4日15:38


台風21号の暴風域に入っている近畿では猛烈な風が吹き荒れています。大阪市で最大瞬間風速47.4メートルを観測。45メートル以上を観測するのは半世紀ぶりです。

猛烈な風
台風21号の暴風域に入っている近畿では走行中のトラックが横転してしまうような猛烈な風が吹き荒れています。最大瞬間風速は大阪市で47.4メートルを観測。45メートル以上を観測するのは1961年以来、半世紀ぶりです。そのほか最大瞬間風速は和歌山市で57.4メートル、彦根市で46.2メートルなど、観測史上1位となりました。
近畿では4日夜9時頃まで猛烈な風が吹き荒れるでしょう。暴風に加え、高波、高潮、土砂災害にも厳重に警戒して下さい。各自が安全確保を図るなど、躊躇なく適切な防災行動をとってください。


(tenki.jp)


京都で建物被害相次ぐ 最大瞬間風速が戦後最大39.4m
2018年9月4日 23時42分
京都府内は4日午後1~5時にかけて台風21号の暴風域に入った。京都市では最大瞬間風速が戦後最大の39.4メートルを記録し、1934(昭和9)年の室戸台風に次ぐ観測史上2番目の暴風となった。京都駅ビル(下京区)の天井からガラスが落下し3人が軽傷を負うなど、午後8時現在、府内で27人が重軽傷を負った。滋賀県では倉庫の倒壊で東近江市の男性1人が死亡した。
西京区では女性(82)が強風にあおられて転倒し、久御山町市田の国道1号交差点で、トラックが突風で横転し、運転手の男性(34)が腰などを打って軽傷を負った。
嵐山の渡月橋ではヒノキ製の東側欄干が100メートル近くにわたって倒れた。仁和寺(右京区)にある国宝の金堂が破損するなど文化財にも被害が相次いだ。
滋賀県では東近江市南花沢町の機器会社「メカトロエンジニアリング」の倉庫が倒壊し、作業中の男性3人が下敷きになり、社長の小川忠喜さん(71)が亡くなった。午後8時現在で38人が負傷し、うち長浜市の道路で倒れていた男性(88)が意識不明の重体になっている。


台風の強風で、根元から折れて倒れた渡月橋の欄干(4日午後4時41分、京都市右京区)


(京都新聞)

朝日新聞とIPCC学派は、これはCO2の排出が原因、CO2の排出は「安定気候享受権」を侵害している、と喚き立てている。


2018年12月8日の朝日新聞土曜日朝刊の別刷り「be」より

しかし、気象学会の元会長はこのように指摘している。


2018/10/1(月)6:00配信
9月初旬、「非常に強い勢力」で日本に上陸し、関西を中心に甚大な被害をもたらした台風21号。それから1ヵ月も経ない間に、やはり非常に強い台風24号が日本を襲った。非常に強い台風が立て続けにやってきて、大きな被害がもたらされるのはなぜか。これから日本を襲う強い台風が増えるという話は本当なのか。気象学の権威である新野宏・東京大学名誉教授が、日本人が心得るべき台風のリスクについて教える。
●これまでとは明らかに違う? 台風21号の被害はなぜ拡大したか
8月下旬に発生した台風21号は、9月4日、25年ぶりに「非常に強い」勢力で日本に上陸し、近畿地方を中心に甚大な被害をもたらした。なぜ、これほどまでに被害が拡大したのか。
21号の上陸時の中心気圧は、約950hPa(室戸岬では954.7hPa)と、第二室戸台風の925hPa(室戸岬では930.4hPa)に比べると高かったが、サイズがコンパクトだったため、中心付近で非常に急な気圧勾配を持っており、第二室戸台風に匹敵する強い風が吹いたと思われる。

私はちょうど21号が来たときに大阪におり、ホテルで缶詰めにされていたが、19階建ての建物全体がギシギシと揺れ、ものすごい風だった。モノが飛んで来てホテルのロビーのガラスが割れ、大騒ぎになった。子どもの頃に神戸で経験した伊勢湾台風(1959年/上陸時の中心気圧929hPa)、第二室戸台風(1961年/925hPa)にも劣らぬ脅威を感じた。
また、大阪と神戸では高潮も、観測手法の変化はあるが、第二室戸台風を超えた。台風の移動速度が時速60km以上と速かったため、短時間で急激な暴風雨に襲われる地域が続出した。台風を押し流す周囲の風が台風の渦巻く風に加わっていたため、台風中心の東側で特に強い風が吹いた。
この21号に象徴されるように、今年は台風が多いという印象がある。6月~8月は過去67年間の平均の11.6個に対して18個と発生数が多かった。こうした状況を見て、巷からは「今年の台風の傾向は異常だ」「地球温暖化の影響を受けているのではないか」といった声が聞かれるようになった。果たして、本当にそうなのだろうか。
結論から言うと、今年がはっきり異常であるとは言えないのが現実だ。1年間に発生する台風は平均的には約26個だが、年による変動は大きく、1951年以降で多いときは39個、少ないときは14個のこともあった。実は1967年、1971年にも8月までに22個、24個の台風が発生しており、2018年の21個を上回っている。
2018年8月に台風の発生が多かった原因は、北半球の夏季にインド洋から太平洋西部にかけて30~90日くらいの周期で起きる季節内変動と呼ばれる現象に伴って、低緯度の西太平洋から東に伸びるモンスーントラフと呼ばれる低圧帯が発達したことによる。モンスーントラフの南側では南西風、北側で北東風が吹くため、その上では台風の卵となる渦ができやすい。今年と同様、8月に台風の発生が多かった2004年の夏も、モンスーントラフが強く発達していた。


(「『猛烈台風』の日本襲来が地球温暖化で急増のウソとホント」より)

実際、気象庁のレポートに依れば、強い台風の発生数は1970年代後半から変わらない。

2015051203
図14-7 「異常気象レポート2014」の118ページの図1.3.11

窮したIPCC学派は、この図は間違っている、と言い出した。


中国や日本を襲う台風、気候変動で強大化か 研究
2016年9月6日 09:45 発信地:パリ/フランス
中国、台湾、日本、朝鮮半島を襲う台風は近年の海水温上昇により勢力が強まってきており、今後さらに激しさを増すとみられるという研究成果「Nature Geoscience,9(2016)753」が5日、英科学誌ネイチャー・ジオサイエンス(Nature Geoscience)に発表された。
科学者らはこれまで、太平洋北西部における台風の強度と頻度の変化を特定するのに苦戦してきた。それらの変化に地球温暖化が果たす役割を正確に突き止めることはさらに難しかった。
米国を拠点とする執筆者の梅偉(Wei Mei)氏と謝尚平(Shang-Ping Xie)氏によると、台風研究で最も広く用いられている米海軍合同台風警報センター(JTWC)と日本の気象庁(JMA)のデータからは相反する傾向が現れていた。
しかし入手可能な記録データについて方法論の違いを補正した結果、単一の明確な傾向が見いだされた。「この37年間で、東アジアおよび東南アジアを襲った台風の強度は12~15%増大している」という。
こうした台風強度の増大は、海面水温の上昇と関連していることが、データで示された。海面水温上昇は気候変動に起因する可能性があるが、これはまだ証明されていない。
研究チームによると、地球温暖化の原因となる温室効果ガスを人間が排出し続けた場合の海面水温上昇の予測は「中国本土東部、台湾、朝鮮半島、日本を襲う台風が今後、さらに強度を増すことを示唆している」という。「激しい台風によって相当大きな損害が出ることを考えると、これは、この地域の人々や資産に対する脅威が高まることを示している」
これら沿岸地域の人口は急速に増大しており、海水面も上昇を続けていると研究チームは指摘した。
2015年12月、気候変動の進行阻止を目標とする「パリ協定」が採択された。気候変動は、暴風雨の強大化、干ばつの長期化、海面上昇による陸地の水没などを引き起こす恐れがある。
気候変動の進行阻止は、化石燃料の使用で発生する温室効果ガスの排出量を抑制することで達成されると考えられる。


(AFP)

「台風研究で最も広く用いられている米海軍合同台風警報センター(JTWC)と日本の気象庁(JMA)のデータからは相反する傾向が現れていた。しかし入手可能な記録データについて方法論の違いを補正した結果、単一の明確な傾向が見いだされた」は下図である。

2016090803
図14-8 「Nature Geoscience,9(2016)753」の図1より

ならば、「JTWC」、または、図14-7を修正した「Adj. JMA」が正しいと認めよう。
「台風は近年の海水温上昇により勢力が強まってきており」は黒い破線と赤い破線を指している。
しかし、それはグラフの左端(1970年代後半)よりも右端(2010年代)が多いからにすぎない。
先入観を捨てて、破線ではなく実線を見ると、増加していたのは70年代後半から1990年前半までの約20年間だけで、1990年代前半からは増加していないことに気づく。
第10章図10-14と見事に一致している。
1990年代前半から温暖化は進んでいないことが、台風の記録からも裏づけられたのだ。
CO2の効果は弱いことが台風の記録からも裏づけられたのである。

朝日新聞とIPCC学派は、CO2の排出で台風が強大化する、と騒ぎ立てている。


2017年9月15日の朝日新聞朝刊紙面より(当該論文は「Journal of Climate,30(2017)9703」


2017年10月27日の朝日新聞朝刊紙面より

台風21号の高潮被害で、「台風2割巨大化」「日本近海の猛烈台風増えそう」を実感した、と騒ぎ立てている。


2019年1月5日の朝日新聞土曜日朝刊の別刷り「be」より

しかし、「台風2割巨大化」「日本近海の猛烈台風増えそう」「温暖化で高まる被害の危険性」は、図14-8の黒い破線や赤い破線を2015年以降に延長して、「今後さらに激しさを増すとみられる」と言い立てているのと同じであり、科学的事実と全く相容れない。
しかも、強い台風は20世紀前半に多かったことも新たに分かった。


強い台風、20世紀前半にも日本上陸 横浜国大が分析
2016/10/9 23:43
横浜国立大学の筆保弘徳准教授ら「天気,63(2016)855」は、気象庁が統計を取り始める前の20世紀前半に、強い台風が何度も日本に上陸していたことを独自の手法で明らかにした。当時は海面水温が現在より低かったため、台風の強さと海面水温の関係がそれほど深くない可能性が出てきた。
中央気象台(現気象庁)が刊行した「気象要覧」など4つの資料を分析し、1900~50年の上陸数が174個(年平均3.4個)と推定した。気象庁の統計によると…


(日本経済新聞 電子版)

「台風2割巨大化」「日本近海の猛烈台風増えそう」「温暖化で高まる被害の危険性」は、IPCCの気候モデルがCO2の効果を過大評価していることを、気候モデルの非科学性を露呈しただけである。

前節で引用した社説は「台風10号が日本列島に接近している。上陸すれば1カ月で4個目で過去最多タイとなる。今回の台風は南の海上からUターンするという、異例の進路をたどった。東北地方の太平洋側に上陸すれば1951年の統計開始以来初となる」と騒ぎ立てていたけれど、その後、東北地方の太平洋側に上陸した。
第7章の第7節で採り上げた2016年11月4日の記事は、図14-8の論文を持ち出してきて、東北地方の太平洋側に初めて上陸したのはCO2排出(に因る温暖化)が原因であるかのごとくに、「今年8月、台風10号は観測史上初めて東北地方の太平洋側に上陸し、大きな被害をもたらした。米国の研究チームは9月、東アジアに上陸した台風のピーク時の風速が過去約40年間で15%増加したと発表した」と騒ぎ立てていたけれど、東北地方の太平洋側に初めて上陸した原因は寒気。


台風10号方向転換、西日本の「寒冷渦」が影響
2016年8月30日 14時38分
北東に進んでいた台風10号は30日未明、伊豆諸島の東の沖合で進行方向を変え、東北地方に近づき始めた。
これは、西日本などの上空に停滞している「寒冷渦」と呼ばれる冷たい空気の塊の影響が大きい。寒冷渦による北西方向の風の流れが10号を引っ張るようにして進行方向を変えさせ、太平洋側からの東北接近という異例の事態を招いた。
東北の太平洋側に上陸すれば、1951年の統計開始以来初となる。
「この時期に日本付近にできるのは非常に珍しい」(気象庁)とされる寒冷渦を作り出したのは、北極側の寒気を伴って大きく蛇行した偏西風だ。この蛇行があまりに大きかったために、寒気の流れが偏西風の流れからちぎれて切り離され、西日本などの上空に寒気の渦として停滞した。
寒冷渦が周囲に反時計回りの空気の流れを作り、太平洋側から日本に近づいてきた10号は引っ張られるようにして大きく旋回。


(YOMIURI ONLINE)

第1節で解説したとおり、異常気象のほとんどは寒気と関係している。
CO2との因果関係は弱い。

それでも尚、2018年に発生した猛烈な台風は7つで過去最多だった、CO2排出(に因る温暖化)の影響が顕在してきた、と騒ぎ立てている。


2019年1月5日の朝日新聞朝刊紙面より

これは気象庁の統計だから、図14-8の「Orig.JMA」に他ならない。
それに依れば、確かに「最多だった」。
しかし、図14-8の「JTWC」、または、「Adj.JMA」に依れば、最多ではない。[注2]
2016年の台風10号では「Adj.JMA」を盾に、CO2の排出が原因で東北地方の太平洋側に初めて上陸したかのごとくに騒ぎ立て、2018年は「Orig.JMA」を盾に、CO2の排出が原因で猛烈な台風が最多になったかのごとくに騒ぎ立てているのであり、自然現象である台風を利用して温暖化を煽り立ているにすぎないことは明らかであろう。

しかし、朝日新聞とIPCC学派は尚も抗う。


朝日GLOBE、2017年10月号より

「ハービー」が甚大な被害を招いたのは、ハリケーンの移動速度が遅くなったからであり、それはCO2排出(に因る温暖化)が原因だと言う。


より遅く危険になる台風、上陸後の速度は30%減
「この傾向はずっと続いています」と研究者、被害の拡大を懸念
2018.6.8
6月6日付けの学術誌「Nature」に発表された最新の研究「Nature,558(2018)104」によれば、ハリケーンや台風などの熱帯低気圧の移動速度が数十年前より遅くなっており、より長く、大きな被害につながっていることが明らかになった。
また、学術誌「Journal of Climate」5月号に発表された別の研究「
Journal of Climate,31(2018)3643」でも、今後、温暖化によって熱帯低気圧の移動速度が遅くなることが示唆されている。
熱帯低気圧の移動速度が遅くなるのはよいことだと思うかもしれないが、実際は逆だ。熱帯低気圧内の風速は変わらず、移動速度のみ遅くなれば、同じ場所に激しい雨が降り続けることになる。
2つの研究を合わせると、気候変動はこれまでの予想をはるかに超えるレベルで、ハリケーンや台風の危険をすでに増幅させているようだ。さらに、今後も危険な気象現象は増え続け、特に、大洪水が起きる可能性が高まる。
「熱帯低気圧の速度が低下しても、何ひとつよいことはありません」と話すのは、「Nature」の論文の著者で、米ウィスコンシン州マディソンにある米海洋大気局(NOAA)気象気候センターのジェームズ・コーシン氏だ。「高潮がひどくなり、建造物が強風にさらされる時間が長引き、そして、降雨量が増えます」
2017年8月、ハリケーン・ハービーによる集中豪雨で、米テキサス州ヒューストンの一部で数百ミリの降水量を記録した。のちに、豪雨となったのは、海水温と気温が上昇したことで、熱帯低気圧により多くの水蒸気が供給されたためという研究結果が報告された。気候変動が雨の強さと熱帯低気圧の発生率の両方を増加させたということだった。
コーシン氏は今回の論文で、熱帯低気圧の被害が拡大している別の理由を突き止めた。論文によれば、熱帯低気圧は1949~2016年に、全体の移動速度が平均で10%低下しているという。上陸後に速度がより低下する地域もあった。特に、太平洋北西部では上陸後の台風の速度が30%も低下していた。熱帯低気圧が抱える水蒸気の量が増え、同じ場所に雨を降らせる時間が長くなっていたということだ。
インド洋のみ傾向が異なるものの、「ほかのすべての地域で遅くなっています」とコーシン氏は述べている。「しかも、この傾向はずっと続いています」
コーシン氏の研究は、70年近くの間に発生した熱帯低気圧のデータに基づいている。速度低下の原因は論文で特定されていないが、コーシン氏を含む熱帯低気圧の専門家は、気候変動によるものと考えている。極地の方がほかの地域より温暖化が速く進んでいるせいで、気圧の勾配に変化が生じ、熱帯低気圧を移動させる風が弱まっている。
「熱帯低気圧は風に運ばれるため、つじつまが合います」とコーシン氏は述べている。「風が弱まれば、熱帯低気圧が1カ所にとどまる時間が長くなります」
米カリフォルニア州にあるローレンス・バークレー国立研究所の気候生態系研究部門に所属するクリスティーナ・パトリコラ氏は、コーシン氏の研究について、「重要かつ新しい」研究であり、「かなり説得力があります」と評価している。
「熱帯低気圧が遅くなっていたという発見自体は驚くものではありませんでした。ですが、速度低下の規模には驚かされました」
パトリコラ氏はコーシン氏の論文の査読者で、その過程でいくつかの新たな疑問が生じたと指摘している。例えば、異常に速度が遅い熱帯低気圧の発生率が近年増えているとしたら、ハリケーン・ハービーのように、何日も立ち往生するような「停滞型」の熱帯低気圧も増えているのだろうか?
コーシン氏は、多くの科学者が気象モデルの作成に取り組み、最もリスクが高い地域を調べてくれるよう願っている。一部の地域で、熱帯低気圧がより高緯度まで移動し、すでに強さを増している事実を考えると、異常な豪雨を降らせる熱帯低気圧がこれまでの進路と異なる地域に被害をもたらす可能性もある。「これはまずい組み合わせです」とコーシン氏は述べている。
未来予測モデルでも同じ傾向に
「Journal of Climate」に発表されたもうひとつの論文は、米コロラド州ボルダーにある米大気研究センターのイーサン・ガットマン氏率いるチームによるものだ。こちらの研究では、過去13年間に発生した22のハリケーンを選び出し、温暖化が進んだ未来に同じハリケーンが起きたら、どのような違いが生じるかを予測した。
ガットマン氏らは気温が最大5℃上昇した予測モデルを用意し、熱帯低気圧のデータを読み込ませた。すると、熱帯低気圧の移動速度は9%遅くなり、湿度はひどく上昇し、降水量が平均24%増加した。
「遅くなるだけでなく、強さも増すという結果が出ています」とガットマン氏は説明している。「内陸の洪水と都市インフラに深刻な影響を及ぼし得る結果です」
コーシン氏とガットマン氏のアプローチはまったく異なる。前者は過去のデータを調べ、後者はコンピュターモデルで温暖化のシナリオをつくり、熱帯低気圧がどのように変化するかを確かめた。どちらのアプローチにも限界がある。同じ熱帯低気圧が繰り返されることはないためだ。
コーシン氏もガットマン氏も、重要なのは大局的な視点を持つことだと述べている。確かに、全く異なる2つの研究が同様の傾向を示唆したという事実が警鐘を鳴らしていることは間違いない。
「私たちは2人とも、研究を前に進め、新たな証拠を提示しています」とガットマン氏は話す。「全く同じ傾向の証拠がどんどん示されれば、自分が出した答えにもっと自信を持つことができます」
文=CRAIG WELCH/訳=米井香織


(ナショナルジオグラフィック)

「熱帯低気圧は1949~2016年に、全体の移動速度が平均で10%低下しているという」は下図の直線。


図14-9 「Nature,558(2018)104」の図1より

しかし、先入観を捨てて、データ(折れ線グラフ)を真摯に見れば、図14-8と同様、1990年代前半からは下げ止まっていることに気づく。
またしても、第10章図10-14が裏づけられたのだ。
「全く同じ傾向の証拠がどんどん示されれば、自分が出した答えにもっと自信を持つことができます」!
CO2の影響が弱いこと、IPCCの気候モデルがCO2の効果を著しく過大評価していることは、「個々の異常気象と温暖化を結びつけることに軽率なIPCCの科学者も、無視できないほどになっている」。

しかも、米国でも19世紀末や20世紀前半に強いハリケーンが上陸していた。

Journal of Hydrology,559(2018)698」に依れば、北米を襲うハリケーンに因る降雨量に変化は認められない。
異常気象とCO2の因果関係が弱いことは、「個々の異常気象と温暖化を結びつけることに軽率なIPCCの科学者も、無視できないほどになっている」。

しかも、「プリンストンの専門家チームは、米国南部を襲ったハリケーン『ハービー』について『都市化が影響した可能性がある』という見解を発表した」。


【ハリケーン】人間活動によってハリケーンが強力になっている
Nature,563(2018)384
2018年11月15日
Hurricanes: Human activities can kick up a storm
気候変動によってハリケーン「カトリーナ」、「イルマ」、「マリア」の降水量が4~9%増加し、将来的にはハリケーンによる降水量が最大30%増加する可能性があることを報告する論文が、今週掲載される。また、同時掲載される別の論文には、米国テキサス州ヒューストンの都市化によって、相当な規模のハリケーンによる洪水のリスクが約21倍上昇したという結論が示されている。こうした知見を考え合わせると、ハリケーンとその影響がいかに人間活動に左右されているかが明確になる。
気候変動は、最大級のハリケーンの強度を高めると予想されている。しかし、観測記録に残っている強力なハリケーンの数が少なく、年ごとの変動も大きいため、どのような影響がハリケーンにすでに生じているのかを判断することが難しい。
今回、Christina Patricola たちの研究グループは、北米のハリケーン「カトリーナ」、東南アジアのハリケーン「Haiyan(海燕)」を含む過去の破壊的なハリケーン15例が、産業革命前の気候、現在の気候、および21世紀末に予想される気候という3種類の気候シナリオにおいてどのように発達するかについてシミュレーションを行った。その結果、ハリケーン「カトリーナ」、「イルマ」、「マリア」は、産業革命前の気候において発生した場合と比べて、平均降水量が4~9%多く、極端な降雨が発生する確率が高いことが分かった。しかし、風速と海面気圧に基づいて判定されたハリケーンの強度に大きな変化はなかった。また、今後予想される気候変動では、最強クラスのハリケーンの風速と降水量が増加して、最大風速が3.1~14.9メートル毎秒上昇し、最悪の温室効果ガス排出シナリオでは、一部のハリケーンによる降水量が25~30%増加する可能性があることが明らかになった。
一方、Gabriele Villarini たちの研究グループは、ヒューストンの都市化が2017年に襲来したハリケーン「ハービー」の降水量に及ぼした影響をモデル化し、2つの影響を明らかにした。1つは、ヒューストンの地形によって大気抵抗が増加し、降水量の増加に作用したこと。もう1つは、都市部の地表が洪水の頻発につながったことであり、その原因はおそらくコンクリートとアスファルトの被覆率の高さにある。これらの影響が合わさることで、都市化によって、「ハービー」並みのハリケーンがもたらす洪水のリスクは平均して21倍上昇した(ヒューストンの各地で、リスクの上昇の幅は0.1倍から90倍以上までさまざまであった)。この研究知見は、都市計画において洪水を考慮に入れる必要性を強調している。


(natureasia)

異常気象とCO2の因果関係が弱いことは、「個々の異常気象と温暖化を結びつけることに軽率なIPCCの科学者も、無視できないほどになっている」。

朝日新聞は、2015年にバヌアツを襲ったサイクロンもCO2排出が原因、と騒ぎ立てている。
第11章の第1節で引用した「『温暖化で沈む国』のいま 水没にらみ全島移住も」という見出しの記事も、「バヌアツなどを襲った大型サイクロン『パム』が、強い熱帯低気圧が来ない赤道地帯とされてきたキリバスもかすめたのだ・・・パムで海水が胸の高さに達したのは最終宣告なのか」と騒ぎ立てていた。)


サイクロン怪物化「家ぺちゃんこ」 バヌアツ被災1週間
タンナ島イサンゲル=郷富佐子
2015年3月21日11時3分
南太平洋の島国バヌアツを大型サイクロン「パム」が13日から14日にかけて襲ってから1週間。20日、最も被害が大きかった地域のひとつ、同国南部タンナ島に入った。水や電気は復旧しておらず、島民たちは救援物資を待っていた。
ココナツの葉と竹で建てた家々はつぶれ、木々はなぎ倒されて散乱している。「自宅はぺちゃんこで、畑の作物もすべて消えた。もうすぐ食料がつきてしまうが、野菜やイモの苗を植えても収穫までに3カ月かかる。どうすればいいのか」
南西地区に住むベティ・シモンズさん(41)が途方に暮れたように話した。サイクロンが来る直前に「ゴーゴー」という大きな風音で不安を感じ、子供4人とコンクリート造りの住民の家に避難した。今は近くの学校で寝泊まりする。
人口約2万7千の同島をパムが直撃し、猛烈な風雨となったのは、14日早朝から午後までの約9時間。地元タフェア州行政事務所のレイノルズ・スルマット州行政長官によると、島民の9割以上が住宅の全壊や一部崩壊で自宅に住めない状態で約20カ所の避難所で暮らす。「まず、避難所、食糧、薬の三つが必要だ」と訴えた。
島民のほとんどは農民で、自給自足の生活だ。サイクロンには慣れているが、みな「これまでにない恐ろしい強風だった」と口をそろえた。過去のサイクロンでは、簡素な家がつぶれたらすぐにつくり直した。だが、パムはココナツ畑も作物も全滅させ、家の材料も食料もない状態だ。
スルマット長官は「サイクロンが怪物化するのは、地球温暖化のせいではないか。サイクロンの季節が終わる4月末まで、次がもっと強かったらと、みな恐怖を感じている」と話した。


(朝日新聞デジタル)

20150416012015年4月15日の朝日新聞朝刊紙面より

基本原理に立ち返って考えてみよう。
本章の冒頭で採り上げた2016年8月29日の紙面に見える「温暖化で海面水温が上昇すると、大気に含まれる水蒸気の量が増え、台風(やハリケーン、サイクロン)が発達しやすくなる」が、「世界気象機関(WMO)の専門家チームは、米国南部を襲ったハリケーン『ハービー』について『温暖化が影響した可能性がある』という見解を発表した」だの、「サイクロンが怪物化するのは、地球温暖化のせい」だのの論拠。
「温暖化で海面水温が上昇する」のは、第10章の第1節で引用した「地球温暖化の熱、海の吸収量が急加速」という見出しの記事に見えるとおり、「地球表面の3分の2を覆う海洋は、人為的な温室効果ガスによって生成される過剰な熱の90%以上を吸収」するから。
「台風やハリケーンやサイクロンが発達しやすくなる」のは、CO2の増加で海に溜まるエネルギーが増加すれば、台風やハリケーンやサイクロンへ供給されるエネルギーも増すから。
IPCCに依れば、1970年代以降の急激な気温上昇は専らCO2の増加が原因だから、そして、前章で解説したとおり、ハイエイタスは存在しない、21世紀も20世紀第4四半期と同じペースで気温は上がり続けているから、台風とハリケーン、そして、サイクロンのエネルギーは増加し続けているはず。


図14-10 「熱帯低気圧積算エネルギー(ACE)」(「Global Tropical Cyclone Activity」より)

ところが、1970年代後半から1990年までは増加していたけれど、またもや、1990年代前半から増加していない。
第4章図4-3第10章図10-14図10-15図10-16、そして、図14-8と図14-9、「確かに、全く異なる6つの研究が同様の傾向を示唆したという事実が、IPCCに警鐘を鳴らしていることは間違いない」。
「全く同じ傾向の証拠がどんどん示されれば、自分が出した答えにもっと自信を持つことができます」!
CO2の影響が弱いこと、異常気象とCO2の因果関係が弱いこと、IPCCの気候モデルがCO2の効果を著しく過大評価していることは、「個々の異常気象と温暖化を結びつけることに軽率なIPCCの科学者も、無視できないほどになっている」。

14.4 「イベント・アトリビューション」の不都合な真実

しかし、朝日新聞とIPCC学派は尚も抗う。
コンピュータシミュレーションで「トリプル異常気象」が再現された、と言い張っている。

2017030101
2017年2月26日の朝日新聞朝刊紙面より


今夏の日本の異常気象 “温暖化の影響確実と証明”
2018年12月7日 5時58分
国内で起きている異常気象に地球温暖化が本当に影響しているのか。ことしの記録的な猛暑について、専門家が温暖化が進んでいないと仮定して解析したところ、同じような猛暑となる確率はほぼ0%で、温暖化の確実な影響が証明されました。
ことしの夏は、埼玉県熊谷市の気温が、観測史上国内で最も高い41度1分に達したほか、東日本の平均気温が統計を取り始めてから最も高くなるなど記録的な猛暑となりました。
これについて気象庁の検討会は、「特有の気圧配置や温暖化による長期的な気温の上昇傾向が影響した」と結論づけましたが、実際に温暖化がどのくらい影響していたのか証明されていませんでした。
東京大学大気海洋研究所と気象庁気象研究所の研究チームは産業革命前の温暖化が進んでいない場合の気象状況が現在まで続いていると仮定したうえで、ことしの記録的な猛暑が発生するかどうか確率を解析しました。
その結果、気圧配置の影響で平年に比べて高温になりやすかったものの、温暖化が進んでいなければことし7月の上空の気温はおよそ2度低くなり、ことしのような記録的な猛暑が発生する確率はほぼ0%で、温暖化が確実に影響していたことを証明できたということです。
これまで異常気象については、背景に温暖化の影響があると指摘されていたものの、個別の現象との関係を実際に証明する研究は始まったばかりで、具体的な温暖化対策の手がかりになるとして世界的に注目されています。
東京大学大気海洋研究所の渡部雅浩教授は、「これまで何となくしかわからなかった温暖化と異常気象の関係を証明することができた。研究を進めることで異常気象が起こるリスクが実際にどれくらいあるのか、確率を出せるようにしたい」と話しています。
温暖化の影響を探る新手法とは
現実に起きた猛暑や豪雨といった異常気象に、温暖化の影響がどのくらいあったのかを証明するため、東京大学の渡部教授らの研究チームが解析に使っている手法は、「イベント・アトリビューション」と呼ばれています。
この研究手法は、産業革命前から温暖化が進んでいない地球を仮定したうえで、温暖化が進んだ現実の地球と比較することで、個別の異常気象に温暖化が与えた影響を証明していく手法です。
温室効果ガスの濃度や海面水温などのデータを基に100通りのシミュレーションを行って、気温や大気中の水蒸気量などを解析し特定の異常気象が起きる確率などを計算したうえで比較します。
東京大学の渡部教授によりますと、「イベント・アトリビューション」を使えばこれまで個々の気象現象についてはっきり示すことができなかった温暖化の影響について、数値を用いて証明することができるため、具体的な温暖化対策につながるとして世界的にも注目されているということです。
西日本豪雨の雨量 温暖化の影響で増加
東京大学の渡部教授らの解析では、ことしの西日本豪雨の雨量が、温暖化の影響で6%ほど増加していた可能性が高いことも判明しました。
渡部教授らは、6月28日から7月8日を対象に九州から東海にかけての地域を5キロ四方に分けて、温暖化が進んでいないと仮定した場合の雨量と、温暖化が進んでいる現実の気象状況をもとに解析した雨量を比較しました。
温暖化が進んでいないと仮定した雨量は、1980年以降の20年間で上昇した気温や、それによって増加した大気の水蒸気量を差し引いたうえでシミュレーションしました。
その結果、観測点ごとの11日間の総雨量の平均は温暖化が進んでいない場合は252.3ミリだったのに対し現実の気象状況をもとに解析した雨量は267.9ミリと、温暖化の影響で雨量が6%ほど増加していた可能性が高いことがわかりました。
特定の豪雨に対し、温暖化がどれくらい影響していたか示されるのは今回が初めてです。
渡部教授は「6%増加というとたいした数字ではないようだがそれだけ雨量がかさ上げされたことによってより強い雨が広域で続くことにつながったと考えている」と話しています。


(NHK)


昨夏の猛暑、温暖化が影響 スパコンで発生確率分析
昨年夏の日本の記録的猛暑は、地球温暖化が影響したことがほぼ確実だとの分析を気象庁気象研究所(茨城県つくば市)などのチームが20日までにまとめた。スーパーコンピューターで、既に温暖化が進む今の地球と温暖化していない地球を再現し、異常な暑さが起こる確率を比較して分かったという。
チームの今田由紀子・気象研究所主任研究官は「温暖化が進めば、昨夏の猛暑のような異常気象が当たり前のように起きる恐れがある」と強調。命を守るための暑さ対策の意識向上や、温室効果ガスの排出削減に取り組む重要性を指摘した。(共同)


(毎日新聞2019年3月20日 17時55分)

第1節で引用した2013年9月8日の記事に見えるとおり、「温暖化に伴う気温の上昇で、大気が抱えていられる水蒸気量(飽和水蒸気量)は増える」。
前章の第10節で引用した2018年10月2日の紙面で「国立環境研究所の江守正多・地球環境研究センター副センター長は、『温暖化によって猛暑の気温は1度程度、豪雨の降水量は少なくとも7%かさ上げされた状態』と説明する」のは、「温暖化に伴う気温の1℃上昇で、大気が抱えていられる水蒸気量(飽和水蒸気量)は7%増える」ということに他ならない。
前章の第10節で引用した2018年8月2日の紙面に見えるとおり、「大気中により多くの水分がたまれば、どこかで放出しなければならないので豪雨が増える」から、「温暖化の影響で雨量が6%ほど増加していた可能性が高い」ということであり、スーパーコンピュータで計算するまでもなく、始めから分かりきった結論にすぎない。
スーパーコンピュータを動かすには膨大な電力が必要。
もちろん、大量のCO2を排出する。
わざわざ大量のCO2を排出して、「東京大学の渡部教授らの解析では、ことしの西日本豪雨の雨量が、温暖化の影響で6%ほど増加していた可能性が高いことも判明しました」のは、IPCCの人為的温暖化説の虚構を物の見事に露呈したと言えよう。

第1節で解説したとおり、実際には、「気温の低下で、大気が抱えていられる水蒸気量(飽和水蒸気量)が減った」から豪雨になった。
岡山県の真備町では、CO2がハッキリと増加し始める前の19世紀末に、つまり、「人為的な影響で温室効果ガスの濃度が高くなった『現実の地球』」ではなく、「高くなる前の濃度にとどめ海水温の上昇も差し引いた『温暖化のない地球』」で、豪雨が頻発していた。
「ことしの西日本豪雨の雨量が、温暖化の影響で6%ほど増加していた可能性が高いことも判明しました」と言うのなら、「イベント・アトリビューション」とやらで、その事実を説明できるのか?
もちろん、できない。
「ことしの西日本豪雨の雨量が、温暖化の影響で6%ほど増加していた可能性が高いことも判明しました」なら、「人為的な影響で温室効果ガスの濃度が高くなる前の濃度にとどめ、海水温の上昇も差し引いた『温暖化のない地球』」では、「ことしの西日本豪雨」以上の豪雨は言うに及ばず、「ことしの西日本豪雨」並の豪雨も起こり得ない。
「『ことしの西日本豪雨の雨量が、温暖化の影響で6%ほど増加していた可能性が高い』の非科学性も判明しました」。
「ことしの西日本豪雨の雨量が、温暖化の影響で6%ほど増加していた可能性が高いことも判明しました」は、「ことしの西日本豪雨の雨量が、『イベント・アトリビューション』の影響で6%ほど増加していた可能性が高いことも判明しました」にすぎない。

朝日紙面の「東京大学先端科学技術センターの小坂優准教授は・・・こうした自然変動が、気温の上昇期と停滞期のタイミングを決めてきたという」は第10章の第4節で引用した「熱帯太平洋『冷や水効果』 海水温低下で0.3度抑制」という見出しの記事が採り上げている論文に他ならない。
「40年代、70年前後にも気温が低めになる時期が見えた」のは自然変動だった。
ならば、「1980年以降の20年間で上昇した気温」の半分近くも自然変動。
「温暖化が進んでいないと仮定した雨量は、1980年以降の20年間で上昇した気温や、それによって増加した大気の水蒸気量を差し引いたうえでシミュレーションしました」ということは、「1980年以降の20年間で上昇した気温」はCO2の排出が原因ということだから、「ことしの西日本豪雨の雨量が、温暖化の影響で6%ほど増加していた可能性が高いことも判明しました」は、「ことしの西日本豪雨の雨量が、『イベント・アトリビューション』の影響で6%ほど増加していた可能性が高いことも判明しました」以上のものではない。

「温暖化が進んでいなければことし7月の上空の気温はおよそ2度低くなり、ことしのような記録的な猛暑が発生する確率はほぼ0%で、温暖化が確実に影響していたことを証明できた」と言うけれど、前章図13-24は「上空の気温」。
「上空の気温」は1998年から「温暖化が進んでいない」。
「専門家が温暖化が進んでいないと仮定して解析したところ」と言うけれど、「仮定」しなくても、「温暖化が進んでいない」。
朝日紙面の右下の図は前章の第3節で採り上げた論文に他ならず、「東京大学大気海洋研究所の渡部雅浩」も、気候モデルで「温暖化が進んでいない」こと再現した、と自己宣伝していたではないか。
「ことしの記録的な猛暑について、専門家が温暖化が進んでいないと仮定して解析したところ、同じような猛暑となる確率はほぼ0%で、温暖化の確実な影響が証明されました」は、「ことしの記録的な猛暑について、専門家が温暖化が進んでいると仮定して解析したところ、同じような猛暑となる確率はほぼ100%で、『イベント・アトリビューション』の確実な影響が証明されました」に他ならない。

しかも、第10章図10-14に見えるとおり、自然要因を除けば、1993年から「温暖化が進んでいない」。
前節で解説したとおり、「13年にフィリピンを襲った台風30号」を考慮しても、台風やハリケーンのデータはその事実を裏づけている。
にもかかわらず、「気象研の高薮出部長らは、別の方法で13年にフィリピンを襲った台風30号を分析した・・・16回のうち15回で温暖化がある方が勢力が強く、高潮は温暖化で平均2割高くなったという」のは、そして、「気象研究所の今田由紀子研究官らがこの夏を再現すると、1.2度以上の猛暑になる確率は12.4%と求まった。温暖化がない場合は1.73%で、7倍ほど起きやすくなっていた」のは、「『イベント・アトリビューション』の確実な影響が証明されました」。

そもそも、「気象研究所の今田由紀子研究官らがこの夏を再現すると、1.2度以上の猛暑になる確率は12.4%と求まった。温暖化がない場合は1.73%で、7倍ほど起きやすくなっていた」だの、「ことしの記録的な猛暑について、専門家が温暖化が進んでいないと仮定して解析したところ、同じような猛暑となる確率はほぼ0%で、温暖化の確実な影響が証明されました」だのは我国の気候だから、「人為的な影響で温室効果ガスの濃度が高くなった『現実の地球』」ではなく、「温暖化が進んだ現実の地球」ではなく、「現実の日本」が問題になる。
図14-2の青線は1990年以降も上がり続けているけれど、それはヒートアイランド現象が大きい。
それを除けば、1990年以降に気温上昇は進んでいない。
「温暖化が進んでいないと仮定した雨量は、1980年以降の20年間で上昇した気温や、それによって増加した大気の水蒸気量を差し引いたうえでシミュレーションしました」と言うけれど、「1980年以降の20年間で上昇した気温」は、1980年代末の急激な気温上昇だけで、その後は「温暖化が進んでいない」。
IPCCの気候モデルは「現実の日本」を再現できるのか?
「イベント・アトリビューション」で再現できるのか?
「ことしのような記録的な猛暑が発生する確率はほぼ0%で、温暖化が確実に影響していたことを証明できた」と言うけれど、再現できないのなら、それに科学的意義を認め得る「確率はほぼ0%」。
再現できないのなら、「温暖化がない場合は1.73%で、7倍ほど起きやすくなっていた」に科学的意義を認め得る「確率はほぼ0%」。
これは肝心要のポイント。
ところが、それに関しては何の説明も無い。
IPCCの気候モデルが「1980年以降の20年間で上昇した気温」を再現できる「確率はほぼ0%」だから示さない、と考えざるを得ない。
そうである以上、「CO2排出がない場合は12.4%で、1倍ほど起きやすくなっていた」、「ことしのような記録的な猛暑が発生する確率はほぼ100%」という結論が導き出される。
「ことしの西日本豪雨の雨量が、CO2の影響で0%ほど増加していた可能性が高いことも判明しました」。
「これまで何となくしかわからなかった温暖化プロパガンダと異常気象の関係を証明することができた」と言えよう。

朝日新聞は、2015年の夏も、猛暑はCO2の排出が原因、と騒ぎ立てていた。

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2015年9月16日の朝日新聞朝刊紙面より

この際も、「東京大学大気海洋研究所の渡部雅浩」と「気象研究所の今田由紀子」は「温暖化が確実に影響していたことを証明できた」と言い張っていた。


The persistent Japanese heat wave that occurred in early August of 2015 was mainly attributed to intraseasonal disturbances, including TCs. Yet, it is found that the anthropogenic warming increased the probability of occurrence of the event by 1.5 to 1.7 times. The contribution of human-induced warming to the 2015 heat wave would have been more pronounced if there had not been a concurrent extreme El Nino event because El Nino has a cooling effect in Japan.


(「BAMS,97(2016)S107」の「conclusion」)

しかし、下図に見えるとおり、2015年7月の平均気温は1920年7月より低かった。


図14-11 我国の7月の月平均気温偏差の推移(右端は2018年)

2015年8月の平均気温は1900年8月より低かった。


図14-12 我国の8月の月平均気温偏差の推移(右端は2018年)

ヒートアイランドを除けば、さらに低くなる。
そこで、上図の青線を見ると、7月も8月も1920年前後から1990年頃まで気温はほとんど上がっていない。
第2節で解説したとおり、上図の算出に用いられている地方気象台では1990年以降に都市化が進んだ。
7月と8月の気温はヒートアイランド現象をハッキリと示している。
CO2の影響は弱い。
2015年8月上旬の猛暑は自然の気象現象。
もちろん、上記の論文は図14-11や図14-12に頬かむりを決め込んでいる。
「it is found that the anthropogenic warming increased the probability of occurrence of the event by 1.5 to 1.7 times」の非科学性は明らかであろう。

14.5 アフリカの不都合な真実

第1節で解説したとおり、「温暖化に伴う気温の上昇で、大気が抱えていられる水蒸気量(飽和水蒸気量)は増える。飽和水蒸気量の増え方のほうが大きいため、雨の頻度は減る一方で、1回当りの降雨は激しくなる」が「CO2の排出で干ばつ&豪雨」の基本原理であるにもかかわらず、豪雨とCO2増加の因果関係は弱いことが分かったから、干ばつとCO2の因果関係も弱いことは明らかである。
にもかかわらず、IPCC学派と朝日新聞は、CO2排出がアフリカの干ばつを招いている、先進国のCO2排出でアフリカの民が生死の境に立たされている、と騒ぎ立てている。

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2017年1月24日の朝日新聞朝刊紙面より

ならば、「米気象学会紀要に発表された最新の研究」を見てみよう。

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図14-13 「BAMS,97(2016)S75」より

この図は1980年以降とそれ以前(のエルニーニョ期間)の降雨量の差を示している。
1980年以降に降雨量が減ったのなら黄色から赤色、増加したのなら緑色から紫色、変化が無ければ白で表される。
第5章図5-5の黄色の線に見えるとおり、1980年以降の気温上昇が急激だから、そして、IPCCに依れば、それはCO2の排出が原因だから、「人為的要因により引き起こされた気候変動がエルニーニョ現象を激化させ、アフリカ南部の雨量を著しく減少させた」のなら赤色になっている。
「だが、アフリカ南部沖に浮かぶマダガスカル」は白色。
「気候変動が起こっていないことは誰の目にも明らかだ」。
もちろん、上図は気候モデルの結果にすぎない(1980年以前に上図のような降雨量のデータは存在しない)けれど、気候モデルを盾にして「相次ぐ極端な気象は、地球温暖化との関係も指摘される」と喚き立てているのだから、「だが、アフリカ南部沖に浮かぶマダガスカルでは、気候変動は誰の目にも明らかだ」の嘘は「誰の目にも明らかだ」。

しかも、観測データを見ても「誰の目にも明らかだ」。

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図14-14 「BAMS,97(2016)S75」より

右下がりの直線は、エルニーニョが強ければ降雨量が減少することを意味しているだけで、「人為的要因により引き起こされた気候変動がエルニーニョ現象を激化させ、アフリカ南部の雨量を著しく減少させた」ことを意味しない。
その証拠に、「人為的要因により引き起こされた気候変動がエルニーニョ現象を激化させ」たのなら、上でも述べたとおり、1980年以降に「アフリカ南部の雨量を著しく減少させた」はずだけれど、1982年と2015年はほぼ同じ。
「もっとも基本的な出発点は、IPCC学派と朝日新聞が『気候変動デマは現実である』という、教育を受けていないマダガスカルの村民さえも理解していることを認めることだ」。

しかし、IPCC学派と朝日新聞は認めない。
尚もこのように喚き立てている。

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2017年1月31日の朝日新聞朝刊紙面より


「温暖化政策は人類の主要課題」 ガブリエル独外相寄稿
2017年7月6日01時39分
7、8日にドイツ北部ハンブルクで開かれる主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)を前に、議長国ドイツのジグマール・ガブリエル外相が朝日新聞に寄稿し、国の枠を超えた地球温暖化対策の必要性を訴えた。

我々は、ドイツをはじめヨーロッパにおいて、温暖化政策全般について、またいかに温暖化を防止し、いかに温暖化とその影響を緩和できるかについて、私個人を含め長年考えてきた。温暖化の問題には、私自身すでに環境大臣や経済大臣在任時、積極的に取り組んできたが、外務大臣となった今も常に考えさせられるテーマだ。
我々はすでに今日、地球温暖化が外交・安全保障政策にもたらす莫大(ばくだい)な影響を目の当たりにしている。最近訪問したソマリア及びエチオピアにおいても、飢饉(ききん)がどれほど強く地域の安定に影響しているか、痛感させられた。多くの場合、事の発端となるのは、水であったり、その地域で唯一まだ何とか耕作可能なちっぽけな農地だったりする。以前から続いている内戦や紛争は、難民を発生させる典型的な原因となってきたが、温暖化は、人々が故郷を逃れ難民化するさらなる要因になりつつある。
昨年は、異常気象など、気候関連の災害が原因で難民化した人々の数だけでも、2400万人ちかくにのぼった。よって、温暖化政策は人類の主要課題だと私は確信している。
そのためドイツとしては、持続可能なエネルギーの拡充を推し進めることにより、温室効果ガス削減に向けた持続可能な解決策やイノベーションを目指している。温暖化対策として有効な取り組みは、我々の経済システムの持続的強化にもつながるため、産業政策としても重要な役割を果たすと確信している。
ただ国内に限った取り組みだけでは不十分だ。それゆえ我々は、今後の方向性を決める場となった国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21、2015年パリ開催)を控えた地ならしとして、また、日独両国が議長国を務めた15年及び16年の主要7カ国(G7)首脳会議の場において、温暖化問題について国際社会全体が納得しうる合意に向けての取り組みを進めた。パリのCOP21で、地球規模の協定で合意できたことは、国際法の勝利であるともいえる。パリ協定の成果は、まさに国際社会を今世紀半ばまでに低炭素社会へと導いていく歴史的チャンスであると我々は捉えている。
これは環境保護の視点からも必要不可欠であり、経済的な合理性にも合致する。特に化石燃料の輸入依存度を最小限に抑えるためにも重要だ。
また外交も決定的な責任を担っている。なぜなら、最終的にある地域全体の平和や安全を脅かすことにもつながるリスク要因は、無数にあるからだ。たとえば、枯渇しつつある資源をめぐる競争の激化、農業などにおける収入源の喪失、越境河川をめぐる衝突、また洪水や進行する海面上昇による広大な土地の喪失などだ。これらを背景に、ある地域全体が不安定化することを防ぐため、我々は国家や社会の強靱(きょうじん)性をしっかり高めていかなければならない。
だからこそ、欧州連合(EU)や世界各地の友好国・パートナーが、このテーマに重点的に取り組むのはよいことだ。昨年日本がG7首脳会議の議長国を務めた際、日本政府は、統合的なリスク評価の問題を中心に据えた。紛争や緊迫した事態が、温暖化によってどこでどのように悪化しうるのかについて分析能力を上げていかなければ、世界各地において、的確に未然防止型の対処を行っていくことは不可能だ。
具体的な例を挙げると、アフリカ大陸中央部にあるチャド湖における気候変動のリスクが、地域の過激化やテロの拡大などをもたらしうる要因となり、ますます事態を悪化させていくような展開をいかにすれば回避できるか。我々は現在日本とともに模索している。
災害対策、気候変動への適応策のみならず、緊急人道支援も含め、総合的な対応が必要だ。また当該地域の住民に、試練を真に乗り越える展望を与え、行動の選択肢を提供できるための投資が必要だ。
この点に関し、一致団結した取り組みが進んでいることに、大変勇気づけられる。協力なくして気候変動における大転換の実現はない。


〈ジグマール・ガブリエル氏〉 1959年生まれ。社会民主党(SPD)党首、経済相などを経て、今年1月から現職。


(朝日新聞デジタル)

しかし、「アフリカ大陸中央部にあるチャド湖における気候変動のリスクが、地域の過激化やテロの拡大などをもたらしうる要因となり」という主張に対しては、某研究者が、それこそが「ますます事態を悪化させていくような展開」である、と批判している。


The likelihood of confict and consequent need for cooperation are soaring with increasing pressures on scarce and often exploited water resources in shared hydrologic units. Questions of equitable water allocation and distributions of social-ecological costs and benefits – who gets what, how much, and why – are important for fostering cooperation and managing conflict in transboundary water management. Hydropolitics is an analytic tool for understanding how power shapes water claims and uses in transboundary hydrologic units. Through the lens of hydropolitics, I show how various forms of power explain water claims and uses by riparian nations within the Lake Chad Basin (LCB). I explain how rhetoric, including the rhetoric of climate change, mask local human-driven causes of social-ecological degradation, thereby misappropriating agency and responsibility for sustainable water management within the LCB. I show that water is a security issue within the basin and closely related to other regional security issues, and argue that the inter-linkages of security issues, together with the differential evolution of state capabilities, may facilitate the emergence of a hydro-security complex within the basin. A more nuanced understanding of hydropolitics, including rhetoric and hydrosecurity, is necessary for sustainable transbounadry water management and water use security.


(「WIREs Water,2(2015)37」のabstruct)

この批判は理の当然であろう。
図14-13を真に受けると、サハラ砂漠の南部は濃い青色(降雨量が激増)で、その直ぐ南では黄色(降雨量が減少)になっている。
チャド湖はその境にまたがっているから、「彼女が子どものころ海だと思っていた琵琶湖の40倍もある大きな湖は、今は温暖化の影響で消滅の危機にあります」のなら、南側の湖が干上がり、北側の湖では水位の劇的な低下は無いはず。
ところが、実際は全く逆。

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図14-15 「Hydrol.Earth.Syst.Sci.,20(2016)1599」より

しかも、CO2の増加がチャド湖縮小の原因なら、1980年以降に水位が急激に低下しているはずだけれど、水位の低下は1960年代の後半から始まり、南側では1980年以降は水位低下が止まっている。
チャド湖の縮小とCO2増加との因果関係が弱いことは明白。
「もっとも基本的な出発点は、IPCC学派と朝日新聞が『気候変動デマは現実である』という、教育を受けていない南スーダンの村民さえも理解していることを認めることだ」。

それでも、認めない。


南スーダンなど「2千万人が食糧危機」 国連事務総長
ニューヨーク=鵜飼啓
2017年2月23日9時16分
国連のグテーレス事務総長が22日記者会見し、南スーダンなどの4カ国で「2千万人余りが深刻な食糧危機に直面している」と強い危機感を示し、国際社会に支援を呼びかけた。支援には3月末までに44億ドル(約5千億円)が必要といい、同氏は「今動けば最悪の状況は防げる」と訴えた。
会見は米ニューヨークの国連本部で行われ、クラーク国連開発計画総裁やオブライアン人道問題担当次長らも同席した。事務総長と担当高官らが居並んでの会見は極めて異例で、危機感の強さをうかがわせた。
4カ国はほかにアフリカのソマリア、ナイジェリア北西部、中東のイエメン。日本の自衛隊が国連平和維持活動(PKO)に参加する南スーダンをめぐっては、グテーレス氏は「一部地域で飢饉(ききん)がすでに現実になっている。行動しなければ他地域や他国に影響が広がるのは時間の問題だ」と指摘した。同国では10万人が飢饉に直面しており、ほかに100万人が飢饉に陥る瀬戸際にあるという。
グテーレス氏は、食糧危機の背景には紛争と気候変動で干ばつが進んでいることがあると説明。一方で、国連機関が現地で危機への対応を進めており、十分な資金があれば「(悪化の)予防が可能」と訴えた。


(朝日新聞デジタル)


SDGsで世界を変える 国谷裕子氏×アミーナ・モハメッド氏 朝日地球会議2017
2017年10月3日05時00分


国谷裕子氏(左)とアミーナ・モハメッド氏=2日午後、東京都千代田区、長島一浩撮影

気候変動、貧困・紛争の悪循環
SDGs(エスディージーズ)(持続可能な開発目標)を生かし、世界が抱える課題をどう解決していくか。SDGsの取りまとめに奔走した国連副事務総長のアミーナ・モハメッド氏に、キャスターの国谷裕子氏が聞いた。
モハメッド氏の母国ナイジェリアは、気候変動が農漁業に悪影響を与えて貧困が深刻化し、若者によるテロや紛争が起こるという悪循環が生まれたという。
モハメッド氏は、特に女性の教育などへの投資の重要性を訴えたうえで、「地球に対する憂慮や懸念を共有しないといけない。私たちがどう経済や教育に関わるかは、未来への意思決定をしていくということだ。傍観者であってはいけない」と呼びかけた。
国谷氏は「私たちが取る行動が地球に影響を与える。はいつくばりながら目標を達成するということですね」と語った。
最後に、会場の学生らからの質問にモハメッド氏が答えた。今月の総選挙で女性議員を増やす方法を尋ねられると、「若い人がとにかく投票してください。男女の平等が実現し、いい意味で刺激し合い、それによって新たな価値、付加価値が生まれていけばいい」と話した。

<国谷裕子氏> キャスター 1993~2016年3月、NHK「クローズアップ現代」キャスター。17年から朝日新聞SDGsキャンペーンのナビゲーター。

<アミーナ・モハメッド氏> 国連副事務総長 1961年生まれ。前職はナイジェリア環境大臣。国連ポスト2015開発アジェンダ担当特別顧問など歴任。17年2月から現職。


(朝日新聞デジタル)

前章の第7節で解説したとおり、2016年は過去最強のエルニーニョ現象が起こった。
にもかかわらず、下図に見えるとおり、エチオピア、南スーダン、チャド湖周辺、ナイジェリアの降水量は多かった。


図14-16 「State of the Climate in 2016」の図7.17

「人為的要因により引き起こされた気候変動がエルニーニョ現象を激化させ、アフリカ中部の雨量を著しく減少させた」の非科学性は明白。
「もっとも基本的な出発点は、IPCC学派と朝日新聞が『気候変動デマは現実である』という、教育を受けていないナイジェリアの村民さえも理解していることを認めることだ」。

それでも、認めない。


2018年2月25日の朝日新聞朝刊紙面より

しかし、図14-13を見ると、やはり、南アフリカも白色。
「地球温暖化によって世界規模で天候パターンが変化している。豪雨などが増えて雨量が増す地域もあれば、減っていく場所も出ている」と言い張る論拠は気候モデルだから、「人口約370万人を抱える南アフリカの大都市ケープタウンが、『100年に1度』の干ばつで深刻な水不足に襲われている」としても、CO2の排出に因る気候変動ではない。
しかも、2016年は過去最強のエルニーニョ現象が起こったから、「人為的要因により引き起こされた気候変動がエルニーニョ現象を激化させ、エチオピアの一部とアフリカ南部の雨量を著しく減少させ」なら、「南アフリカの雨量を著しく減少させた」はずだけど、図14-16を見れば、やはり、白色。
但し、「周辺を山に囲まれたケープタウンは10~3月ごろまでが乾期で、5~9月ごろが雨季にあたる」から、従って、雨季の雨量が重要だから、季節ごとの雨量を調べると。


図14-17 「State of the Climate in 2016」の図7.27

雨季(JJA)の雨量は多かった。
ケープタウンでは「この3年間は雨が例年より少なく、昨年の年間雨量は153.5㍉と、77年以降で最低になった」けれど、「地球温暖化や気候変動の影響とみられる100年に1度の干ばつは起きていない」。
「もっとも基本的な出発点は、IPCC学派と朝日新聞が『気候変動デマは現実である』という、教育を受けていない南アフリカの村民さえも理解していることを認めることだ」。

それでも認めない。
CO2排出に因る干ばつでミオンボ林が枯死し、生き物が絶滅すると騒ぎ立てている。


2018年3月26日の朝日新聞夕刊紙面より

しかし、ミオ(ヨ)ンボ林が失われる主な原因は農地化。


ミヨンボ乾燥林はアフリカ南部に分布し、そこでは頻繁に林野火災が発生している。年間に森林面積は火災で1%失われている。林野火災の主な原因は頻繁な焼き畑農業、火を使用する狩猟などである。著者はマラウィのミオンボ林での予備的調査を実施した。この国の基幹産業で国庫収入の大部分を占めるタバコ栽培はより以上の耕作地拡大の要求があり、結果としてミヨンボ林破壊を促し、深刻な森林火災増加の一因となっている。国による火災抑制策は十分とは言えない。マラウィでは森林火災による環境への悪影響の懸念が増している。森林火災抑制のための社会システムの構築が国の急務といえる。


(「福山市立大学都市経営学部紀要,2(2013)141」の抄訳)

これはマラウィの事例だが、マラウィ以外の国でも同じ。


Miombo woodlands support agriculture, biodiversity, and multiple ecosystem services across an extensive part of sub‐Saharan Africa. Miombo is frequently overutilised with deforestation and degradation resulting in significant land use and land cover change (LULCC). Understanding the drivers of LULCC is essential to achieving sustainable land management in miombo woodland regions. Within a remote miombo area of south‐west Tanzania in the Kipembawe Division, Mbeya Region, social survey and ecological data were used to identify the direct and indirect drivers of LULCC. Our findings show that tobacco (Nicotiana tabacum) production results in an estimated annual deforestation rate of 4,134±390 ha of undisturbed miombo woodland, of which 56.3±11.8% is linked to the post‐harvest curing process. This deforestation represents 0.55±0.06% of the wooded area of the Kipembawe Division. The perception of high incomes from tobacco cultivation has encouraged migration of both agriculturalists and pastoralists into the area, resulting in higher livestock numbers that lead to further degradation. Higher human populations need more woodland resources such as fuelwood and building materials and more farmland for food crops. Continued deforestation will reduce the long‐term profitability of tobacco cultivation due to a lack of fuel to cure the crop and could render production unviable. Action is urgently needed to conserve globally important biodiversity resources while enabling agricultural and pastoral activities to continue. Improved governance, together with sustainable land management strategies and diversification of livelihood strategies, can reduce dependence on tobacco cultivation and contribute to a sustainable future for this ecoregion.


(「Land Degradation & Development,28(2017)2636」の abstract)

しかも、「Geology,29(2001)83」に依れば、小氷期(西暦1570年から1850年まで)にマラウィ湖の湖面は過去150年間より120mも低かった。
第1節で採り上げた「地球の気候予測に誤りがある可能性」という見出しの記事に見えるとおり、やはり、「化石燃料に起因する地球温暖化が始まる以前の、平均気温がより低かった時代に、こうした極端な現象がより多く発生していた」のだ。

図14-13を見ると、サハラ砂漠南部一帯は降水量が増えている。
それは気候モデルの結果にすぎず、気候モデルの非科学性は明らかだけれど、サハラ砂漠南部で降水量が増えているのは事実。
砂漠に雨が降って緑化すれば、アフリカの生活環境は大きく改善する。


サハラ砂漠、気候変動で緑化が進行か
James Owen
July 31, 2009
地球温暖化はアフリカ大陸に砂漠化、干ばつ、そして絶望をもたらすといわれているが、実際の筋書きは大きく異なるのかもしれない。気温上昇によって、同大陸の最も乾燥した地域に住む人々の暮らしが豊かになるという研究結果が出たのだ。
サハラ砂漠とその周辺地域は現在、降雨量の増加で緑化していることが確認されている。これが一時的な傾向でなければ、干ばつで苦しめられてきた地域に農村が復活することも考えられる。

サハラ砂漠は約1万2000年前にも緑豊かなサバンナに変化したことがあるが、研究モデルではそのときの気候が再来し、砂漠が減少するという予測が立てられている。
衛星画像によって、サハラ砂漠南縁部を3860キロにわたって東西に広がるサヘルという半乾燥地域に、緑化の兆しが見られることが確認された。
Biogeosciences,6(2009)469」誌に掲載された新しい研究論文によると、1982年から2002年に撮影された画像から、サヘル全域で緑化が進んでいることが確認できるという。また、チャド中央部やスーダン西部などでも植生が非常に豊かになっている。
ドイツにあるマックス・プランク気象研究所のマルティン・クラウセン氏は、「気温が上がれば大気の保水性も上がり、結果として雨が多くなる。取りざたされている変化は、結局はそういうことなのではないか。主な要因は大気の保水力ということだ」と第三者の立場でコメントしている。
最近の植生変化は、単に雨が降って一時的に雑草が生えただけなのか、あるいは樹木が根付いたものなのか、衛星画像では確認できないが、地上の実地調査では後者であると確認されている。
ドイツにあるケルン大学アフリカ学研究所の気象学者シュテファン・クレペリン氏によると、北アフリカでは広範囲にアカシアなどの新しい樹木が繁茂しているという。
アフリカ大陸北西部の大西洋岸に、モロッコが領有権を主張しているがまだ帰属が定まっていない西サハラと呼ばれる地域がある(旧スペイン領サハラ)。クレペリン氏が2008年に同地を訪れ、遊牧民に話を聞くと、「最近は雨が多く、放牧地もかつてないほど広がっている」と話していたという。
同氏はエジプト南西部からスーダン北部をまたぐサハラ砂漠東部でも20年前から調査を行っている。西サハラから遠いこの地も状況は同じであるようだ。「あの辺りは数百年から数千年もの間、まったく人の手が入らなかった土地で、以前はサソリ一匹、草一本見あたらなかったのに、今はラクダが放牧されている。ダチョウやガゼル、両生類まで戻ってきた。この傾向は間違いなく20年以上前から続いている」と同氏は説明する。

サヘルで緑化が進むことは、一部の気候モデルで以前から予測されていた。例えばオランダ王立気象研究所のレインデール・ハーズマ(Reindert Haarsma)氏率いる研究チームは2005年、サヘルの将来的な降雨量を予測し、その研究成果を「Geophysical Research Letters,32(2005)L17702」誌で発表した。その中で同氏は、サヘルの雨季(7月~9月)の降雨量は2080年までに1日当たり最大で2ミリ増加すると予測している。同氏は「この10年でサヘルの緑化が進んでいることは、衛星データを見れば明らかだ」とも述べる。
しかし、気候変動が今後サヘルにどのような影響を与えるかについては、すべての気象学者の意見が一致しているわけではない。一部では降雨量が減少するという研究結果も出ているのである。ハーズマ氏も、「まだ確かなことが言える段階ではない」と認めている。
前出のマックス・プランク気象研究所のクラウセン氏は次のように解説する。「北アフリカはとにかく気候変動の予測が難しい。面積が広大な上、モンスーン雨を引き起こす高高度の風も予測が困難だからだ。発表された気候モデルの半分は湿潤化を示しているが、半分は乾燥化を示している」。


(ナショナルジオグラフィック)

緑化が進んでいるのは単に降雨量が増えたからではない。
CO2の増加自体が決定的な要因。


植物の水分吸収量、温暖化で低下か 研究
2016年8月30日 11:37 発信地:マイアミ/米国
温暖化が進行しても、地球の干ばつは従来の予測ほど拡大しないかもしれないとする研究結果が29日、発表された。その理由は、大気中の二酸化炭素(CO2)の増加に伴い、植物が必要とする水分量が減少するからだという。
米科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載された研究論文「PNAS,113(2016)10019」によると、今後の約100年間で、CO2濃度が産業革命前の水準の4倍に増加するにつれて、世界の70%以上が干ばつの増加に見舞われることが、これまでの研究で予測されていたという。だが、これらのモデルの多くは、温暖化が進む世界で植物の挙動がどのように変化するかを説明できていない。
植物は、気孔と呼ばれる葉の開口部からCO2を取り込み、同時に水蒸気を放出する。だが、CO2が豊富にあると、気孔が開放される時間が短くなり、失われる水分が減少するため、土壌から吸収する水分量は少なくてすむ。
論文の主執筆者で、米ワシントン大学のアビゲイル・スワン(Abigail Swann)助教(大気科学・生物学)は、多くの研究は植物の水の必要量が常に一定であることを前提としているが、CO2が大量にある環境で生育している植物に関する今回の研究は水の必要量が変化することを示唆していると話す。
CO2が増加する環境からの恩恵を植物が受けるため、気候変動に起因する干ばつに直面するのは、世界の37%にとどまることをスワン助教は明らかにした。
地球の高温化と、降雨量の減少により、北米南部、南欧、南米北東部などで干ばつが増加する可能性が高い、と論文は指摘する。
「だが、アフリカ中部と、中国、中東、東アジア、ロシアの大半などを含む温帯アジアでは、植物の水分保持により、気候変動に起因する干ばつの影響が大きく弱められることを、今回の結果は示している」と論文は述べている。
さらに、気候変動が進むにつれて干ばつは増加するが、その影響は一部で予測されているほど広範囲には及ばないことを、今回の研究結果は示している。
「とりわけ、高温による干ばつについては分かっていないことが多い」とスワン助教は指摘する。「たとえ干ばつ発生の地域と頻度が極端に増えなくても、実際に発生した場合の影響はより甚だしくなる恐れがある」


(AFP)

降雨量が増えたと言っても、砂漠では土壌の水分の絶対量が少ないから、せっかく植物が根付いても、植物が土壌の水分を吸収すれば、土壌は再び乾燥し、緑化は遅々として進まない。
「CO2が豊富にあると、気孔が開放される時間が短くなり、失われる水分が減少するため、土壌から吸収する水分量は少なくてすむ」から、砂漠の緑化が進んでいる。
たとえ、図14-13を真に受けても、つまり、CO2の排出の結果、スーダンの一部で降雨量が減少しても、紫色に染まった地域の方が赤色に染まった地域よりもずっと広いから、CO2の増加は恩恵の方が遥かに大きいことは明らかである。
「もっとも基本的な出発点は、IPCC学派と朝日新聞が『CO2の増加は福音である』という、教育を受けていないサヘルの村民さえも理解していることを認めることだ」。

14.6 アマゾンの不都合な真実

アフリカの不都合な真実が露呈してしまったので、今度は、CO2の排出に因る深刻な干ばつで、アマゾンの原住民が生死の境に立たされている、と騒ぎ立てている。


2018年12月11日の朝日新聞夕刊紙面より

「ブラジル先住民族のベニシュ・ピタガリさん(26)が住むブラジル北東部では少雨が何年も続き」は下図。


図14-18 「State of the Climate in 2016」の図7.14(元論文はコチラ。)

ところが、同じ著者の別の論文を見ると、


図14-19 「Theor.Appl.Climatol.,129(2017)1189」の図1

1950年代も少雨だった。
1990年前後も少雨だった。
60年間以上のデータを調べれば、有意な変化は認められない。
データのごく一部だけを取り出して、「温暖化による影響はすでに出ており」と煽り立てているだけ。

たとえ、最近の少雨が人為的要因だとしても、CO2が原因ではない。


More than 20% of the Amazon rainforest has been cleared in the past three decades1, triggering important hydroclimatic changes. Small-scale (a few kilometres) deforestation in the 1980s has caused thermally triggered atmospheric circulations that increase regional cloudiness and precipitation frequency. However, these circulations are predicted to diminish as deforestation increases. Here we use multi-decadal satellite records and numerical model simulations to show a regime shift in the regional hydroclimate accompanying increasing deforestation in Rondonia, Brazil. Compared with the 1980s, present-day deforested areas in downwind western Rondonia are found to be wetter than upwind eastern deforested areas during the local dry season. The resultant precipitation change in the two regions is approximately ±25% of the deforested area mean. Meso-resolution simulations robustly reproduce this transition when forced with increasing deforestation alone, showing that large-scale climate variability plays a negligible role. Furthermore, deforestation-induced surface roughness reduction is found to play an essential role in the present-day dry-season hydroclimate. Our study illustrates the strong scale sensitivity of the climatic response to Amazonian deforestation and suggests that deforestation is sufficiently advanced to have caused a shift from a thermally to a dynamically driven hydroclimatic regime.


(「Nature Climate Change,7(2017)200」の abstract)

では、アマゾンの熱帯雨林伐採が進んだ原因は何か?


バイオ燃料の普及で森林が絶滅?
2007年8月20日
Brandon Keim
燃料用作物を育てるために森林を伐採する場合、環境への悪影響は大きく、バイオ燃料の利用によっても埋め合わせができないことが最近の調査でわかった。
ヒッピーの夢だったエネルギー用作物が環境対策の主流となった今、この調査結果は人々の熱を冷まさせるメッセージだ。
今や世界中の政府や産業界が、環境を汚染する化石燃料の代わりに植物から生成した燃料を使うことを表明している。しかしそれは、木々を育み二酸化炭素を貯蔵する森が見られなくなる事態を招いてしまうのだろうか。
科学雑誌『Science』誌の記事「Science,317(2007)902」の中で、イギリスの環境保護団体『World Land Trust』の Renton Righelato 氏と、リーズ大学の環境研究者 Dominick Spracklen 氏が、二酸化炭素の排出抑制効果について、バイオ燃料用作物を利用する場合と、森林による場合とで比較している。
その結果、環境にとって最悪なのは、バイオ燃料用作物の農地を確保するために森林を伐採することであることがわかった。
言うまでもなく、森林の吸収する二酸化炭素の量は、その森林があった場所で育てられたバイオ燃料用作物によって削減される量よりも多い。
人々は地球を救っている気分でいるが、そうではない。われわれが関心を持つべき本当の問題は、燃料の消費を減らし、燃料の効率を高めることだ」と Righelato 氏は言う。
「バイオ燃料は本当のところ、化石燃料の利用を減らすという真の問題をごまかす手段として使われている」
欧州や北米でのバイオ燃料の需要が、発展途上国での森林破壊を拡大している。
欧州連合(EU)は、2020年までに輸送用燃料の20%をバイオ燃料に置き換えると宣言している。また米国は、同じ時期に15%をバイオ燃料に置き換える計画を立てている。
国際エネルギー機関(IEA)の試算によれば、現在の技術でこれらの目標を達成するには、米国とEUの食用作物の半分を燃料用作物に回す必要がある。しかし、それは現実性がないため、代わりに発展途上国から需要をまかなうことになる。悲惨な結果を招く可能性を抱えながら。
たとえばインドネシアでは、外国からのバイオ燃料の需要によって、同国に残る貴重な二酸化炭素貯蔵庫である泥炭地の熱帯雨林が、エネルギー企業によってますます破壊されることになる、と環境保護主義者は予測している。
その結果、森林が燃やされ、500億トンの二酸化炭素が大気中に放出される可能性がある。これは、米国におけるほぼ10年分の温室効果ガス排出量に匹敵する。
一方、ブラジルは、約5億エーカー(約20億平方キロメートル)におよぶ森林、草原、および湿地を、農業への転換に適した「荒廃」地域に指定した。アラスカ全土に匹敵する面積におよぶ森林の全てが伐採されることはないにしても、その大部分で大豆を栽培することが可能になる。大豆は、バイオ燃料に取り組むブラジルの定番商品だ。
米航空宇宙局(NASA)は、大豆の価格と森林の様子を示す衛星画像を比較することによって、アマゾンの熱帯雨林のうち、ロードアイランド州とほぼ同じ広さの地域(約4000キロ平方メートル。石川県より少し狭いぐらいの面積)が、バイオ燃料の需要のために毎年伐採されていることを明らかにした。
私が話をした政府関係者は概して、森林破壊によって二酸化炭素の貯蔵場所が大きく失われる可能性を認識していないように思える」と、『World Land Trust』のRighelato氏は指摘する。
オークリッジ国立研究所のバイオ燃料専門家 Mac Post 氏も、この意見に同意する。
「二酸化炭素をたくさん貯蔵するエコシステムを、二酸化炭素排出の埋め合わせのために破壊するなら、墓穴を掘ることになる。私が言えるのは、これはとても深い穴で、抜け出すことはできないということだ」と Post 氏は述べた。
米国では、利用可能な森林はもう使いつくされている。そのため、燃料か森林かという問題は、作物の栽培に使われていない牧草地の利用法に焦点が置かれることになる。
エネルギー省発行の『Billion Ton Vision』は、2030年までに米国の輸送力の30%をバイオ燃料でまかなう構想を描いた資料だが、これによると、米国では作物栽培に適した土地のうち、6750万エーカー(約2億7300万キロ平方メートル)が利用されていないという。
米国の輸送力の30%をバイオ燃料でまかなうという目標を達成するには、ケンタッキー州とほぼ同じ2500万エーカー(約1億100万キロ平方メートル)の地域を、バイオ燃料用作物だけに利用することになる。
今のところ、これらの牧草地を森林に変えようという議論は行なわれていない。
「エネルギー用作物が牧草地域に入りこんでくる可能性のほうが高いだろう」と、『Billion Ton Vision』の主執筆者である Robert Perlack 氏は言う。
Perlack氏によると、理想的には、トウモロコシ畑(現在、バイオ燃料用作物として最も一般的であるが、最もエネルギー効率が低い)と、牧草地の両方が、ヤナギやポプラなど成長の速い樹木を含む多年生植物の生態系に変わることが望ましいという。根がしっかりとはるので、収穫・伐採されたあとも、ある程度の二酸化炭素を地中に留めておく働きをするからだ。
温帯気候では、木は、新たに植林した分だけ二酸化炭素を貯め込むことができると、Righelato 氏と Spracklen 氏は、前出の『Science』誌の記事の中で記している。
Righelato氏は、バイオ燃料に注目することは、真の問題から人々の目をそらさせることでしかないと述べる。真の問題とはつまり、われわれがどれだけの燃料を使用し、どれほど不用意に消費しているかということだ。
米国では、環境に優しいという主張を標榜する民主党が議会で多数派を握ったが、それでも状況は変わっていない。
8月初めに包括的なエネルギー法案が提案されたとき、下院は、自動車の燃費をガソリン1リットルあたり約15キロメートルにするという規制を盛り込むことをやめた。
現在の平均燃費は1リットルあたり約9.4キロメートル。これは、初代T型フォードの燃費より低く、中国で2008年から義務付けられる燃費の半分にすぎない。
[日本語版:ガリレオ-佐藤 卓/小林理子]


(WIRED)

「ブラジル先住民族のベニシュ・ピタガリさん(26)が住むブラジル北東部では少雨が何年も続き」は人為的要因と言うなら、それはバイオ燃料が原因であり、結局は、温暖化を煽り立てたことが原因。
にもかかわらず、COP24にのこのこ現れ、「温暖化による影響はすでに出ており、私たちは脅威を感じている」と訴えるのだから、もはや笑うしかない。
しかし、「ブラジル先住民族」は先進国の高校生レベルの教育も受けていないのだから、上記の論文の知識は無い。
「COP24では7日が『先住民族の日』とされ、各地の先住民族がイベントを開催した」ということは、国連、または、環境NGOに連れて来られ、「温暖化による影響はすでに出ており、私たちは脅威を感じている」と言わさせられた、ということである。
温暖化対策を煽り立て、アマゾンの熱帯雨林を乱伐し、それが「ブラジル先住民族のベニシュ・ピタガリさん(26)が住むブラジル北東部では少雨が何年も続き」を招いたにもかかわらず、被害者を利用して、さらに温暖化を煽り立てるのだから、全く凄まじい限りである。

14.7 シリアの不都合な真実

朝日新聞とIPCC学派は「アフリカ大陸中央部にあるチャド湖における気候変動のリスクが、地域の過激化やテロの拡大などをもたらしうる要因となり」だの、「気候変動が農漁業に悪影響を与えて貧困が深刻化し、若者によるテロや紛争が起こるという悪循環が生まれた」だのと喚き立てるだけでなく、シリアの内戦はCO2の排出(に因る干ばつ)が原因、と騒ぎ立てていた。
(第3節で引用した2015年4月15日の紙面でも騒いでいる。)

20151031012015年10月17日の朝日新聞朝刊紙面より(当該論文は「PNAS,112(2015)3241」。但し、始めに言い出したのは「Weather Climate and Society,6(2014)331」。

しかし、図14-13を見ると、北半分は表示されていないけれど、シリアで降雨量の明らかな減少は認められない。
下図はシリアに隣接するレバノン南部の降雨量の推移を示している。


図14-20 「Explaining Extreme Events in 2014 from a Climate Perspective」の第14章の図14.1

確かに、2014年は著しく減少しているけれど、それを除けば、1950年以降は、むしろ、やや増加気味。
CO2の増加が原因で干ばつが起こるのなら、それはあり得ない。
同じ「Explaining Extreme Events in 2014 from a Climate Perspective」の「SUMMARY AND BROADER CONTEXT」は「While no role for human-caused climate change was found in the large drought covering the Middle East and central?southwest Asia, the drought in Syria was determined to have been made worse because climate change reduced rainfall」と述べている。

その後の論文も、このように指摘している。


For proponents of the view that anthropogenic climate change will become a ‘threat multiplier’ for instability in the decades ahead, the Syrian civil war has become a recurring reference point, providing apparently compelling evidence that such conflict effects are already with us. According to this view, human-induced climatic change was a contributory factor in the extreme drought experienced within Syria prior to its civil war; this drought in turn led to large-scale migration; and this migration in turn exacerbated the socio-economic stresses that underpinned Syria’s descent into war. This article provides a systematic interrogation of these claims, and finds little merit to them. Amongst other things it shows that there is no clear and reliable evidence that anthropogenic climate change was a factor in Syria’s pre-civil war drought; that this drought did not cause anywhere near the scale of migration that is often alleged; and that there exists no solid evidence that drought migration pressures in Syria contributed to civil war onset. The Syria case, the article finds, does not support ‘threat multiplier’ views of the impacts of climate change; to the contrary, we conclude, policymakers, commentators and scholars alike should exercise far greater caution when drawing such linkages or when securitising climate change.


(「Polit.Geogr.,60(2017)232」の abstract)

さらに新しい論文も、このように指摘している。


気候変動と暴力的紛争の関連性を示す証拠には偏りがある
Nature Climate Change,8(2018)200
2018年2月13日
気候変動と暴力的紛争に関する研究文献に示された両者の関連性は誇張だとし、その理由として、過去に暴力的紛争があった利便性の高い地域で研究が行われる傾向があることを挙げた論文が、今週掲載される。
Tobias Ide たちの研究グループは、気候変動と紛争の関連性に関する査読論文を分析し、文献に最も多く登場する国々は紛争関連死者数の多い国々であるという傾向を明らかにした。これに対して、気候変動のリスクに最もさらされている国々、または気候変動のリスクの最も多い国々は、そうした研究で重点的に取り扱われていないか、紛争との関連性の研究が全く行われていなかった。さらに、気候変動と紛争の関連性についての研究は、英語が公用語になっている利便性の高い旧英国領の国々で行われる傾向も認められた。
気候変動は、最近の暴力的紛争の一部(例えば、シリア騒乱)を説明するために援用されてきた。しかし、今回の研究では、個別の事例で気候変動が紛争の原因だと断定できる場合であっても文献にサンプリングバイアスがあるということは、暴力的紛争の一般化可能性とその根底にある駆動要因のいずれも解明できていないことを意味しており、暴力を気候条件と環境条件から分離するための政策的介入に対する情報提供という点で、既存の研究の有用性が低下していることが明らかになった。
同時掲載される News & Views 論文で、Cullen Hendrix は次のように述べている。「これらの知見は、気候関連紛争が起こる可能性の高い社会経済的条件と政治的条件を理解する能力と、気候と紛争の関連性のリスクを軽減するための政策的介入への情報提供、という2つの点で極めて大きな意味を持っている。第1に、気候変動に対する身体的曝露ではなく紛争の発生率についてサンプリングを行っているということは、気候変動が暴力を引き起こす可能性のある具体的な社会的、経済的、政治的状況に関する研究者たちの結論が、我々の期待に達していないことを意味している。(中略)第2に、気候と紛争の関連性が主に代表例ではない背景で研究されているのなら、つまり、研究しやすい旧英国領の国々で行われるのであれば、研究結果を基に気候と紛争の関連性一般を推論する能力が制限される」。


(natureasia)

にもかかわらず、朝日新聞は、前章の第9節で引用した2018年7月10日の紙面に見えるとおり、「教えて」と標榜して、「シリアの内戦は干ばつによる移民も一つの要因と見られている。大変だなあ」と吹聴していたけれど、それは、紛争の真の原因を覆い隠すことに他ならず、戦争犯罪以外の何物でもない!

14.8 森林火災の不都合な真実

本章の冒頭で紹介したとおり、ヨハン・ロックストロームが「2018年は世界の大部分の人に気候変動の影響が明らかになった最初の年であったかもしれません」と喚いていたけれど、その論拠の一つはカリフォルニアの山火事。


2018年11月27日の「天声人語」

しかし、「作家の宇野千代の随筆に、山火事を起こしかけた話がある」ように、米国でも森林火災の最大の原因は失火。


Fighting wildfires in the United States costs billions of dollars annually. Public dialog and ongoing research have focused on increasing wildfire risk because of climate warming, overlooking the direct role that people play in igniting wildfires and increasing fire activity. Our analysis of two decades of government agency wildfire records highlights the fundamental role of human ignitions. Human-started wildfires accounted for 84% of all wildfires, tripled the length of the fire season, dominated an area seven times greater than that affected by lightning fires, and were responsible for nearly half of all area burned. National and regional policy efforts to mitigate wildfire-related hazards would benefit from focusing on reducing the human expansion of the fire niche.


(「PNAS,114(2017)2946」の「Significance」)

前章の第10節で引用した2018年8月2日の記事で、ヨハン・ロックストロームは「私の住むスウェーデンなどの北欧も、これまでにない熱波や干ばつ、森林火災に襲われています」と喚いていたけれど、欧州でも森林火災の原因は失火。

しかも、「ここでもまた、地球温暖化の無影響が指摘されているのだという」。


It’s ‘Not Correct’ To Blame Global Warming For California’s Wildfires, Scientist Says
1:28 PM 11/13/2018
Michael Bastasch | Energy Editor
・Gov. Jerry Brown and President Donald Trump are both wrong about the California wildfires, said climate scientist Cliff Mass.
“Governor Brown is not correct that global warming is a significant issue,” Mass said.
・”So both ‘sides’ need to stop trying to score political points and deal with the problem,” Mass added.
California Gov. Jerry Brown blamed “those who deny” global warming for wildfires devastating the state, while President Donald Trump blamed the blazes on the state’s “gross mismanagement of the forests.” So, who is right?
Both of them are wrong, according to University of Washington climate scientist Cliff Mass.
“The situation is complex,” Mass told The Daily Caller News Foundation. “And most of the politician are getting things wrong.”
“President Trump is not correct that forest management is a major issue in these fires,” Mass said via email. “The recent fires are predominantly in grassland and chaparral.”
“And Governor Brown is not correct that global warming is a significant issue,” Mass said. “The grasses and chaparral would have been dry enough to burn no matter what, since California is typically dry after its typical long warm/dry summer and the offshore-directed Diablo/Santa Ana winds would have dried it out in any case.”
・・・中略・・・
Indeed, the latest National Climate Assessment special report found there’s only a “low to medium confidence for a detectable human climate change contribution in the western United States based on existing studies.” That report was published in 2017.
Most California fires are human caused, and while the number of fires is decreasing, the size of fires in some parts of California have grown, past research shows. Some scientists say global warming has helped dry out vegetation in the west, making the region more vulnerable to fire.
But as Mass noted, California is dry enough this time of year to spark massive wildfires even without any global warming. It’s local weather, primarily low humidity and Santa Ana winds, that make the state vulnerable to fires.
“The temperatures were colder than normal over Northeast California and Nevada, which helps produce inland high pressure that produces the winds,” Mass said.

In such conditions, sparks from vehicles, lawn mowers and power lines can easily set of major blazes. As the population spreads into fire-prone landscapes, so does the risk of human-caused fires.
・・・後略・・・


(THE DAILY CALLER より)

「University of Washington climate scientist Cliff Mass」自身の詳細な解説はコチラで読める。

それでも尚、「温暖化に関連した山火事やハリケーンにより、2015年以降4千億ドル(約45兆円)近くの被害が出ている。そんな分析も米国にはある」と言い張っているけれど、それは下の記事に見える「国家気候評価書」。


温暖化が影響「米国で45兆円の被害」 2015年以降
ワシントン=香取啓介
2018年11月24日12時29分
米政府は23日、地球温暖化の米国への影響や対策の効果などをまとめた「国家気候評価書」を発表した。米国で温暖化に関連した山火事やハリケーンなどにより、2015年以降で4千億ドル(約45兆円)近くの被害が出たと指摘している。
ニューヨーク・タイムズ紙などによると、評価書は、適切な対策が取られなかった場合、温暖化により2100年までには米国の国内総生産の最大10%の経済損失が生じるとした。これまで4年に1度改定され、トランプ政権では初めて。作成には政府や大学などの研究者が参加し、エネルギー省など13の政府機関も携わった。
米国ではカリフォルニア州の山火事や、カリブ海やメキシコ湾岸のハリケーン被害などが相次ぐ。温暖化が進めば、渇水や洪水・高潮、山火事の頻度が増えたり、地域が広がったりする。評価書は対策として、温室効果ガスの排出に価格をつける炭素税などの導入や政府による排出規制、再生エネルギー研究への支援などをあげた。
トランプ政権は、地球温暖化対…


米ロサンゼルスの北西で起きた山火事で、警備する警察官=11月9日、カリフォルニア州シミバレー、竹花徹朗撮影


(朝日新聞デジタル)

しかし、これは温暖化の影響・リスク・適応を論じた「国家気候評価書」の第2部。
「温暖化に関連」を論じているのは、この前年に公表された第1部で、上の記事に見えるとおり、その第8章(「Droughts, Floods, and Wildfire」)では「low to medium confidence for a detectable human climate change contribution in the western United States based on existing studies」と認めている。
なぜなら、このような論文「PNAS,113(2016)13684」が発表されていたからである。


Forest fire activity in California’s Sierra Nevada since 1600 has been influenced more by how humans used the land than by climate, according to new research led by University of Arizona and Penn State scientists.
For the years 1600 to 2015, the team found four periods, each lasting at least 55 years, where the frequency and extent of forest fires clearly differed from the time period before or after.
However, the shifts from one fire regime to another did not correspond to changes in temperature or moisture or other climate patterns until temperatures started rising in the 1980s.
“We were expecting to find climatic drivers,” said lead co-author Valerie Trouet, a UA associate professor of dendrochronology. “We didn’t find them.”
Instead, the team found the fire regimes corresponded to different types of human occupation and use of the land: the pre-settlement period to the Spanish colonial period; the colonial period to the California Gold Rush; the Gold Rush to the Smokey Bear/fire suppression period; and the Smokey Bear/fire suppression era to present.
“The fire regime shifts we see are linked to the land-use changes that took place at the same time,” Trouet said.
“We knew about the Smokey Bear effect - there had been a dramatic shift in the fire regime all over the Western U.S. with fire suppression. We didn’t know about these other earlier regimes,” she said. “It turns out humans - through land-use change - have been influencing and modulating fire for much longer than we anticipated.”


(「Forest Fires in Sierra Nevada Driven by Past Land Use」より)

「ここでもまた、土地利用の変化(乱開発)の影響が指摘されているのだという」。
ワイン生産のために原野を伐り払ってブドウ畑にしたことが一因。


ワイン産地に打撃 支えた移民「散り散り」米国原野火災
サンタローザ=宮地ゆう
2017年10月21日12時21分
米カリフォルニア州北部のソノマ郡、ナパ郡などで広がった原野火災は、現地時間19日までに42人の死亡が確認された。米国でも有数のワイン産地だが、将来を見通せない状況だ。
被害が大きかったソノマ郡サンタローザ。焼け焦げた住宅地からは人影が消え、リビングの椅子やベッドはフレームだけが残る。溶けた緑色のワインボトルがくっついて塊となり、ワイナリーがあったことがわかる。
8日夜に発生した火災は19日も燃え続けた。東京23区の約1.4倍にあたる約860平方キロメートル以上が焼け、7千近い建物が焼失。米メディアによると、現在も50人以上と連絡がとれず、1万5千人以上が避難生活を送る。
スポーツジム勤務ジェイク・フォービスさん(31)の自宅も全焼した。「煙の臭いで外を見たら、丘の向こうが赤く染まっていた。突風が吹き荒れ、10分足らずで家は炎に囲まれた」。義母が近所の家を回ってドアをたたいたが、親しい隣人だった80代の夫婦は命を落とした。「あと30秒でも出るのが遅れたら、僕たちも助からなかった」
米国からの輸出ワインの9割がカリフォルニア産だ。この地域は高級ワインで知られ、日本のツアー客も多かった。カリフォルニア州のワイナリーで作るワイン協会によると、2016年の米国産ワインの日本への輸出額は8700万ドル。火災による被害の全容はつかめていない。
ケン・モホルトシーバートさん…


カリフォルニア州北部カリストガで11日、原野火災で焼失したブドウ畑=AFP時事


(朝日新聞デジタル)

焼け焦げたブドウ畑の中の樹木が未だ緑色を残しているのは、その事実を裏づけている。
「ワイン産地に打撃」は本末転倒。
さらに、大麻の栽培も追い討ちをかけた。


マリフアナ栽培農園も被災、米カリフォルニア州の山林火災
2017.10.15 17:51
米カリフォルニア州北部で続く大規模な原野火災で、個人的な嗜好(しこう)用のマリフアナ販売の州内での解禁を来年1月に控えるマリフアナ栽培農園の多くが焼失被害などを受けていることが15日までにわかった。
これら業者は、米連邦政府がマリフアナを禁止しているため事業に保険をかけることが出来ず、泣き寝入りを迫られる苦境に直面している。
マリフアナの生育や販売を手掛ける企業「テラ・テック」のデレク・ピーターソン最高経営責任者(CEO)は、業者は通常、施設に500万ドル(約5億6000万円)以上、作物栽培に最大で300万ドル投資しているとの実情を説明した。
カリフォルニア大麻産業協会の報道担当者によると、州内には1万~1万5000の栽培農園がある。火災の被害を受けた農園数を把握するには時期尚早としながらも予想を上回る規模になる可能性に触れた。
同州での山林火災は季節により定期的に起きているが、近年は一層悪化している。マリフアナ栽培農園が被害を受けるのも初めてではない。
今回の火災でブラウン同州知事は計8郡に非常事態宣言。ワイン産地として有名なナパ、ソノマやメンドシーノ各郡も含まれた。メンドシーノも含め「エメラルド三角地帯」と呼ばれるマリフアナ栽培地と重複する地区もある。ただ、三角地帯に位置するトリニティー、ハンボルト両郡には概ね延焼していない。
ピーターソンCEOは来年1月の販売開始に触れ、州内には他の栽培業者が多数分散しており、全般的な供給量には大きな影響はないと推測した。
同州では1996年以降、医療用マリフアナが合法化された。嗜好用は昨年の住民投票で承認された。


(CNN)

皮肉なことに、その後、カリフォルニアではかなりの雨が降って水害が生じた。


米カリフォルニア州で土石流 家屋倒壊、5人死亡か
2018年1月10日 7:22 発信地:ロサンゼルス/米国
米カリフォルニア州南部で豪雨による土石流が発生し、家屋が倒壊するなどの被害が出ている。当局が9日、発表した。5人の死者が出ているとの情報もある。
死者に関して消防局と保安官事務所の確認は取れていないが、複数の報道によると、サンタバーバラ郡消防局(SBCFD)は、ロサンゼルス北西のモンテシートでの救助作業中に泥とがれきの中から複数の遺体が発見されたと明らかにした。
この土石流で国道101号が50キロ前後にわたり通行止めとなり、地域一帯で交通が麻痺したほか、多数の家屋が倒壊。地元紙ロサンゼルス・タイムズによれば、消防局には行方不明者が出ているとの通報が多数寄せられている。
米国立気象局によると、最大の降水量を記録したベンチュラ郡では計約130ミリの雨が降った。土石流の被害が出ている地域の多くが先月発生した森林火災「トーマス」の延焼範囲と重なり、植生による吸水力が低下している。


(AFP)

しかし、「土石流の被害が出ている地域の多くが先月発生した森林火災『トーマス』の延焼範囲と重なり、植生による吸水力が低下している」ということは、原野を伐り払ってブドウ農園と大麻農園にした結果、「植生による吸水力が低下し」て乾燥が進み、それが森林火災の一因になった、ということに他ならない。
過度な農地化で土地の乾燥化が進み、その結果、山火事が増え、その結果、土石流が発生して土地がますます荒廃し、さらに乾燥化が進み、同年の11月に空前の山火事が起こったのである。

にもかかわらず、朝日新聞とIPCC学派は「俳優レオ様」を押し立てて「反論」していた。


トランプ氏に俳優レオ様が反論 山火事対応めぐり論争に
サウザンドオークス=尾形聡彦
2018年11月13日07時41分
米カリフォルニア州の山火事の被害が拡大している。州当局によると、死者は11日までに31人になった。行方不明者が多く、犠牲者は増えるおそれがある。山火事を巡ってはトランプ大統領が野党・民主党が強い同州の対応を批判。俳優のレオナルド・ディカプリオさんらが反論し、論争を引き起こしている。


(朝日新聞デジタル)

「俳優のレオナルド・ディカプリオさんらが反論し、論争を引き起こしている」以下は、これである。


2018年11月13日の朝日新聞朝刊紙面より

「俳優レオ様」が「歴史的な干ばつだ」と喚いているのは、これである。


シエラネバダ山脈の雪塊量、過去500年で最低に 米加州干ばつ
2015年9月15日 13:07 発信地:パリ/フランス
米カリフォルニア州の都市や農地に水を供給しているシエラネバダ山脈の雪塊量が、過去500年で最低水準を記録しているとの研究論文が14日、発表された。
英科学誌ネイチャー・クライメート・チェンジに掲載された論文「Nature Climate Change,6(2016)2」によると、「天然の貯水池」である雪塊の量は、2015年4月1日に測定された時点の数値が、1950~2000年の平均値の5%程度しかなく、同州の住民数千万人と500億ドル(約6兆円)規模の農業分野に慢性的な水不足をもたらすとの懸念が持ち上がった。
カリフォルニア州中部に位置する全長650キロのシエラネバダ山脈の雪塊は、同州で供給される給水量の60%以上をまかなっている。これには、ロサンゼルスとその周辺地域やサンフランシスコ湾の湾岸地域も含まれており、州内約2300万人分の飲料水に関係している。
同山脈における雪塊量は例年4月に最も多い。しかし皮肉なことに、2015年4月1日、カリフォルニア州のジェリー・ブラウン州知事は、同州初となる給水制限を発令した。
同論文の主執筆者で、米アリゾナ大学のバレリー・トルーエ(Valerie Trouet)教授は、このことついて、今年1~3月までの記録的な高温と、極端に少ない冬季の降水量が組み合わさったことが原因と説明している。
2015年の雪の量をめぐっては、1930年代に始まった観測調査以降、最低を記録していることがこれまでの調査ですでに明らかになっている。しかし今回の研究では、さらに時代をさかのぼって調査が行われた。
今回の研究では、毎年の冬季降水量を調べるため、シエラネバダ山脈と平行に走るセントラル・バレーに生育するブルーオークの老木約1500本の年輪が測定された。同州では年間の降水量が冬季に集中している。
過去に、これら木々に大量の水分を供給したであろう嵐は、同時に並列するシエラネバダ山脈にも降雪をもたらしたと考えることができるため、年輪の幅は、特定の年の雪塊の規模を知るための手がかりとなる。
研究チームは、こうして得た年輪のデータを、1500~1980年の期間における冬季の推定気温と比較し、年ごとの雪塊量のデータを作成した。
今回の研究から導き出されたデータから、「過去80年間どころか、過去500年間でも類をみない」ほど雪塊量が減少していることが分かったとトルーエ教授は指摘している。
米地質調査所(US Geological Survey、USGS)によると、現在、同州の貯水池120か所以上で、水位が満水時の5分の1以下となっており、190か所で半分を下回っているという。


(AFP/Marlowe HOOD)

「過去80年間どころか、過去500年間でも類をみない」は下図だが、「過去80年間」を見ると、雪塊量の減少傾向が表れ出したのは1990年以降。

2016092302
図14-21 「Nature Climate Change,6(2016)2」より

図14-2に見える我国の気温と同じであり、図14-4、図14-5に見える1980年代末の「Climate Shift」、つまり、自然変動が原因。
確かに、2015年の雪塊量は「過去80年間」で最低だが、2015年の記録が最新の観測機器に依るデータであるのに対し、年輪から得られた記録に同じ精度はない。
同じ精度なら、2015年の記録は過去500年間に繰り返し起こっていたはず。
実際、灰色のゾーンで示された誤差を考慮すれば、2015年と同じ、または、それ以下だった年が何回もある。
IPCCの気候モデルは第5章図5-8に基づいているのだから、つまり、IPCCに依れば、それらの年は現在よりずっと寒冷だから、2015年の記録はCO2の排出が原因ではない。
2015年の記録は過去にも繰り返された自然変動にすぎない。
その証拠に、2017年の冬季には積雪量が回復した。

「山火事が悪化している理由は、気候変動と歴史的な干ばつだ」は、「無知な俳優レオ様」の妄言。
にもかかわらず、朝日新聞は尚もこんな記事を書いている。


ディカプリオ氏の警告 23区分焼ける大火、なぜ起きた
カリフォルニア州パラダイス=尾形聡彦
2018年12月18日20時39分
超大国での山火事で、90人近くが犠牲になる――。カリフォルニア州で11月に起こった山火事は、同州で過去最悪の被害を出した。カリフォルニア州北部のパラダイス市周辺では2週間余りで、東京23区に匹敵する面積を焼き尽くした。同州南部では、シミバレー市などで発生した火事が南へと広がり、ハリウッドスターが住むことで有名なマリブ市でも多くの人々が避難を余儀なくされた。
なぜ山火事でこれほどの犠牲者が出ることになったのか。
こぶし大の火の粉
11月26日、最大の被害を出した同州北部のパラダイス市の山火事の現場に入った。そもそも、パラダイス市周辺で山火事が発生した11月8日朝、何が起こったのか。
避難所で聞いた、当日の状況は想像を超えるものだった。
アシュリー・ルードさん(28)の自宅の周辺まで火がまわったのはあっという間だった。気がつくと、1ブロック先まで火が押し寄せていた。
ルードさんは、ボーイフレンド…


カリフォルニア州パラダイスの山火事現場の道路には焼け焦げた車が並んでいた。避難する途中で火が燃え移り、乗り捨てられた可能性がある=2018年11月26日、尾形聡彦撮影


(朝日新聞デジタル)

先に説明したとおり、カリフォルニアは、過度な農地化が山火事を招き、その後の水害で土地がさらに荒廃し、さらに乾燥が進み、さらに大規模な山火事を招き・・・、という負のスパイラルに陥っている。
それを認識せず、俳優風情が喚き散らすのを真に受けているようでは、この負のスパイラルは加速し、カリフォルニアは、さほど遠くない将来に焦土と化し、砂漠化するだろう。

14.9 厳冬の不都合な真実

朝日新聞とIPCC学派は、前節で採り上げた「シエラネバダ山脈の雪塊量、過去500年で最低に 米加州干ばつ」という見出しの記事に見えるとおり、CO2の排出(に因る温暖化)で積雪が減った、と騒ぎ立てる一方、CO2の排出(に因る温暖化)で豪雪、と騒ぎ立てている。

20140212012014年2月9日の朝日新聞朝刊紙面より

「温暖化が進んで気温が上がると、雪雲の中に大気が抱えていられる水蒸気の量(飽和水蒸気量)が増え、多くの雪を降らせる原因になる。このため、局所的に大雪となる『ゲリラ豪雪』となるケースが増加する」という理屈は、第1節で引用した2013年9月8日の記事に見える「温暖化に伴う気温の上昇で、大気が抱えていられる水蒸気量(飽和水蒸気量)は増える。飽和水蒸気量の増え方のほうが大きいため、雨の頻度は減る一方で、1回当りの降雨は激しくなる」と全く同じであり、飽和水蒸気量が増えるから、降雪が減る一方で降雪がゲリラ化したと言うのだが、これまで解説してきたとおり、その理屈は成り立たない。
そもそも、(CO2の排出で)温暖化なら、雪ではなく雨になるはずだから、「温暖化で降雪ゲリラ化」するはずがない。

前章の第10節で引用した2018年10月2日の紙面に見えるとおり、「国立環境研究所の江守正多・地球環境研究センター副センター長は、『温暖化によって猛暑の気温は1度程度、豪雨の降水量は少なくとも7%かさ上げされた状態』と説明する」けれど、そうであれば、厳冬時の最低気温も「1度程度かさ上げされた状態」になるはずだから、最低気温の記録は更新されなくなるはず。
ところが、2019年の冬、北海道では史上最低気温を記録した。


陸別で氷点下31.8度 10地点が史上最低気温 最強寒気に放射冷却重なる
2019/2/9 14:29 更新
道内は9日、北極付近の低気圧「極渦(きょくうず)」の乱れによる観測史上最も強い上空の寒気と、晴れて地表の熱が奪われる放射冷却現象の影響で、厳しい冷え込みとなった。4地点で今季初めて氷点下30度を下回り、十勝管内陸別町では最低気温が同31.8度と今季の全国最低を更新した。千歳市など10地点で観測史上最低気温を記録、札幌管区気象台は水道管凍結などに注意を呼び掛けている。
気象台によると、最低気温は釧路管内弟子屈町川湯が氷点下30.9度、釧路市阿寒湖畔で同30・7度、宗谷管内枝幸町歌登が同30.3度。札幌市も今季最低の同13.1度だった。正午現在、札幌市を含め道内105地点で今季最低気温を観測している。
氷点下30度の世界を体験しようと、愛知県津島市から自転車で訪れ、陸別町で野宿した宮川裕助さん(21)は「とんでもない寒さだった」と話した。
札幌市水道局によると、水道凍結の相談件数は8日夕から9日午前9時半までに246件。函館市企業局の業務委託先、水道修繕センターによると8日夕から9日正午までに凍結75件、破裂4件だった。
JR北海道は列車のブレーキが凍結するトラブルなどのため、札幌発新千歳空港行きの快速エアポート2本を含む列車12本が運休。道警によると、正午現在、吹雪のため稚内天塩線など道道2路線2区間が通行止め。関東地方の雪の影響で新千歳空港では正午現在、成田と結ぶ計16便が欠航を決めた。
(広川春男、三坂郁夫、藤山洸一郎)


(北海道新聞)

前節で解説したとおり、朝日新聞とIPCC学派は、カリフォルニアの山火事はCO2排出に因る温暖化が原因、と騒ぎ立てていたけれど、カリフォルニアでも2019年2月に記録が更新された。

「温暖化によって猛暑の気温は1度程度、豪雨の降水量は少なくとも7%かさ上げされた状態」は成り立たない。

窮した朝日新聞とIPCC学派は、こんなことを言い出した。

2018年3月18日の朝日新聞朝刊紙面より(「本田明治新潟大准教授らのグループが2009年に発表した論文」は「Geophy.Res.Lett.,36(2009)L08707」)

しかし、「11月ごろの晩秋になると、気温が下がる一方、海水は温度を保つため」、海から熱が放出され、海氷に覆われていた時よりも、海面上の気温は上がる。
その結果、低空と上空の「温度差が大きくなって」、熱は温度の高い方から低い方へ伝わるから、低空から上空への空気の流れが生じ、「低気圧が発生する」はず。

一方、ジェット気流は強くなりすぎると蛇行する。


米国を襲った大寒波、気候変動との関連は?
2019年1月31日 15:55 発信地:タンパ/米国
20年来の寒さに見舞われ、各地で気温が氷点下20度以下まで下がっている米国。北極のような寒さをもたらした大寒波は、気候変動と関係があるのだろうか?
専門家らは、その可能性を否定していない。ただ、今回の大寒波における地球温暖化の関与をめぐっては、議論の余地があるとも指摘している。
■極渦とは何か
AFPの取材に応じたマイアミ大学ローゼンスティール海洋大気科学部のベン・カートマン(Ben Kirtman)教授(大気科学)は、「極渦とは北極を覆っている大量の冷たい空気の渦で、普段はジェット気流によって北極上空にとどまっている」と説明する。
通常、この冷気は強い空気の流れであるジェット気流によって北極に閉じ込めているが、ジェット気流がうねったり弱まったりすると北極の外に流れ出る。
「極渦は蛇行することがある。今回の大寒波がまさにそうだ。うねる幅が大きくなると冷気が遠く離れた南方まで到達する」とカートマン氏は話す。
気象専門テレビ、ウェザー・チャンネルが伝えたところによるによると、今週米国を襲った大寒波は、「中西部に20年ぶりの寒さをもたらし、各種の観測史上最低記録を塗り替えている」という。
■なぜジェット気流は蛇行するのか?
ジェット気流の強さは、熱帯と南極・北極の気温差に結びついており、気温差が開くほどジェット気流は強まる。理論上は、北極の冷気は北極にとどまっている可能性が高い。
だが、ジェット気流が強くなり過ぎると不安定になることもあるという。これについてカートマン氏は、「不安定になるとジェット気流がうねり、蛇行が始まる」と説明した。
南極・北極が温暖化の影響を受けると、熱帯との気温差が狭まり、ジェット気流がうねって冷気が北極から流れ出すという指摘もある。北極については、それ以外の地域に比べ、気温上昇が倍のペースで進んでいることが知られている。

■今回の大寒波は気候変動が理由なのか?
カートマン氏はこう説明する。「ジェット気流が弱まると、極渦は勢力を強め、さらに南下するのかとの疑問が浮かんでくる。これが正しければ、極端な寒波は気候変動と結びついていると言える
そして、この仮説を検討するため、研究者らがまだデータを調べている最中であることに触れながら、「気候変動との結びつきをほのめかすものもあるが、まだ判断は下されていないことを強調したい」と続けた。
科学者らはこれまで、気候変動が特定の異常気象に果たす役割を解明してきた。今のところ、豪雨、干ばつ、熱波、山火事は気候変動と明確な関連があることが判明している。だが、突然の寒波については、関連性は依然として不明だ。


米イリノイ州シカゴで、氷点下29度の中、ミシガン湖の湖畔を歩く人(2019年1月30日撮影)。(c)JOSHUA LOTT / AFP


(AFP/ Kerry SHERIDAN)

最近、そのメカニズムが解明された。


科学者たちは、異常気象のパターンがジェット気流中の「交通渋滞」によって引き起こされてという新しい理論を発見した
シカゴ大学の新しい研究は、これまで気象予報士たちを困惑させていたブロッキング現象について説明した
新しい研究を発表したシカゴ大学の二人の大気科学者は、以下のように述べる。
「空の交通量にも限界があるのです」
科学誌サイエンスに発表された新しい研究「Science,361(2018)42」では、謎の気象パターンが出現したり、あるいは時には自然災害級の気象の原因となるジェット気流の流れの異常の原因を発見した。
ジェット気流は地球を循環する大気の流れだが、ジェット気流がある地域で急速に失速することが起きる。ジェット気流には能力の限界があり、それは高速道路を例えとしてもいいが、道路を過度の量の車が通過しようとすると渋滞が起きるように、ジェット気流でもそのキャパシティを超過した場合、交通渋滞と似たように「止まって」しまうのだ。
実際、ジェット気流の渋滞の予測と、高速道路の渋滞の予測は、同じ数式であらわすことができることも見出された。
予測出来ない謎の異常気象のパターンは多い。2003年のヨーロッパでの猛烈な熱波を予測した気象の専門家はいなかった。あるは、2014年のカリフォルニア州の干ばつや、2012年の激しい嵐「サンディ」なども予期されていない事象だった。
これらのような予期せぬ気象パターンは、「ブロッキング」と呼ばれるジェット気流の現象によって引き起こされていることはわかっていた。
これについては、科学者たちの間では、数十年前から知られていたことでもある。このブロッキングを最初に発見したのは、20世紀の偉大な気象学者カール=グスタフ・ロスビー (Carl-Gustaf Rossby 1898-1957年)だ。
しかし、このブロッキングがなぜ起きるのかは、それから数十年経っても誰も説明できなかった。
下の風の流れを示した地図は、太平洋の典型的なブロックパターンを示している。風が分かれて円を描いていることがわかる。
研究を主導したノボル・ナカムラ教授(Noboru Nakamura Ph.D. / 中村 昇)は、「ブロッキングは予測することが難しいことが知られています。理由は、それがいつ発生するかについての説得力のある理論がなかったことによります」と述べる。
ナカムラ氏と共著者のクレア・ヒュアン(Clare S.Y. Huang)教授は、ジェット気流を研究し、現象をよりよく分析するために、ブロッキングのための明確な測定値を決定しようと試みた。
新しい測定基準の1つは、ジェットストリームの蛇行を測定した数式だ。そして、数式の世界を見てみると、数十年前に「現実の交通渋滞」を説明しようとした輸送技術者が考案した方程式とほぼ同じであることが認識されたのだった。
「高速道路に交通の限界容量があるように、ジェットストリームにもまた『交通許容量』があり、それを超えると渋滞し、ブロッキングが発生することが判明したのです」とヒュアン教授は述べる。
高速道路の場合、速度制限がある場所や、複数の高速道路が交差する場所などで渋滞が発生することが多いのと同じように、ジェット気流でも、山岳地帯や沿岸地帯など、ジェット気流の速度が遅くなる背景がある場所でブロッキングが頻繁に発生する。
ナカムラ教授は、今回の研究の重要な結果は、ブロッキングのメカニズムを発見して再現したことだけではなく、「予測できること」にあるという。
「これは、私の研究人生の中で思いがけない啓発的な瞬間の時で、神からの贈り物に他なりません」と教授は言う。
今回の発見について、気象の研究者たちは、これにより短期間の天気予報が直ちに改善されるというわけにはいかないかもしれないが、洪水や干ばつの発生が予想される地域をを含む場所での長期的な気象パターンを予測することに役立つだろうと語っている。
現在の気候変動は、おそらくジェット気流をその限界能力に近づけることによってブロッキングを増加させているが、それには地域差が存在することも示されている。
例えば、太平洋は実際には、今後何十年にもわたってブロッキングの減少を見るかもしれないという。


(「地球のジェット気流が崩壊している中で、その大気の循環異常のメカニズムがアメリカの日本人科学者によって突き止められる」より)

「道路を過度の量の車が通過しようとすると渋滞が起きるように、ジェット気流でもそのキャパシティを超過した場合、交通渋滞と似たように『止まって』しまうのだ」は、「ジェット気流が強くなり過ぎると不安定になる」、「不安定になるとジェット気流がうねり、蛇行が始まる」を裏づけている。
高緯度と低緯度の気温差、そして、地球の自転がジェット気流を生む基本メカニズム。
「ジェット気流の強さは、熱帯と南極・北極の気温差に結びついており、気温差が開くほどジェット気流は強まる」けれど、IPCCに依れば、CO2排出で「北極については、それ以外の地域に比べ、気温上昇が倍のペースで進んでいる」から、全く逆に、「熱帯との気温差が狭まり」、ジェット気流は弱まる。
「温暖化がもたらす厳冬」は全く非科学的で、全くナンセンス。

にもかかわらず、「微動だにしていない」木本昌秀も「温暖化がもたらす厳冬」と言い張っていた。


3年連続「寒冬」の日本 背景には「温暖化」?
11月に入って一気に気温が下がった感のある日本。今年の冬は例年に比べて寒くなるという。気象庁は12~2月の寒候期の予測を9月に発表した。気象庁の藤川典久予報官(季節予報担当)は話す。
「気象条件により、暖かい冬になる可能性は低い」
ここで気になることがある。日本の冬は東日本、北日本では2年、西日本に至っては3年連続の寒冬だ。地球は温暖化しているはずだったのに、なぜ寒い冬が到来するのか。
実は、「温暖化」こそが、寒い冬の要因の一つとして考えられる、と言うのは国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書の執筆者、東京大学の木本昌秀教授(気象学)だ。
「ここ数年は温暖化が日本の冬が寒いことの要因の一つでした。北極付近の氷が溶け、周辺の大気の温度が高くなる」
その結果、大気の流れが変わり、日本に強い寒気をもたらす「シベリア高気圧」が拡大する配置になりやすい。ただし、これが今年の冬にあてはまるかどうかについては不明だという。
日本の冬の気温はここ10年は上昇していない。世界の気温も上昇しているようには見えない。別の要因があると、木本教授は続ける。
「この10年の温暖化のハイエイタス(中断)傾向には海水の温度が影響していました」
太平洋ではアラスカ沖から赤道付近にかけた海域と日本近海の間で、海水温の高温域と低温域の分布が約10~20年周期で交互に入れ替わる。現在は日本付近の低温域が「広い」ため、地球全体の気温を下げる方向に働いているという。
それなら「寒冷化」か、と早合点してはいけない。木本教授は断言する。
「これから本格的に温暖化することは間違いない」
北極の氷は減り続けており、海が熱を吸収しているのも確実で、温暖化は疑いようがない。
「その年、その場所の天気や気温などの一つ一つの事象は『自然のゆらぎ』によって変動がある。ですが、地球温暖化が進むというIPCCや科学者の見解は、微動だにしていない


(AERA 2013年12月9日号より)

「本田さんらの論文を元に、中村哲・北海道大地球環境科学研究院博士研究員らのグループは・・・コンピュータで試算した」は「J.Geophy.Res.,120(2015)3209」と思われるが、それ以前に、木本昌秀らが「コンピュータで試算した」。


ユーラシア大陸:「厳冬は地球温暖化の影響
◇「海氷減少で大気の動き変化が理由」東京大チームまとめ
近年のユーラシア大陸の厳冬は、地球温暖化などによる北極海の海氷減少の影響を受けているとの分析結果を、森正人・東京大特任助教らのチームがまとめ、26日付の英科学誌ネイチャー・ジオサイエンス電子版「Nature Geoscience,7(2014)869」で発表した。海氷減少で大気の動きが変化するのが理由という。温暖化がもたらす新たな異変として注目されそうだ。
ロシア、モンゴル、カザフスタンなどユーラシア大陸中央部では厳冬の頻度が増え、2004~13年の冬の平均気温は、その前10年に比べて約1.5度も低くなっている。
チームは、1979~2012年の北極海の一部、バレンツ海などの海氷面積データを使用。海氷が多い上位10年と下位10年の平均値を基にシミュレーションを実施し、海氷面積の違いによる大気の変化を調べた。
その結果、海氷が多いと厳冬になる確率が6.2%だったが、少ない場合には14.4%と2倍以上高くなった。海氷が少ない年は、大陸中央部を中心に時計回りの空気の流れが生まれ、北極海の冷たい空気が大陸側に流れ込みやすくなると考えられるという。
日本への影響については、海洋研究開発機構がバレンツ海で海氷が減ると厳冬になると報告している。【大場あい】


(毎日新聞 2014年10月27日 10時04分)

「日本への影響については、海洋研究開発機構がバレンツ海で海氷が減ると厳冬になると報告している」と記しているけれど、当該論文「J.Clim.,25(2012)2561」中の図を見ても、「バレンツ海で海氷が減ると日本で厳冬になると報告していない」。
木本昌秀らの論文が初めて「バレンツ海で海氷が減ると日本で厳冬になると報告している」、かと思いきや、下図に見えるとおり、「厳冬にならないと報告している」。

2014102801図14-22 バレンツ・カラ海の海氷の減少に伴う、冬の地表気温(色)と地表気圧(等値線)の変化。(a)観測値および(b)モデルによるアンサンブルシミュレーションの結果(「ユーラシア大陸中緯度域で頻発している寒冬の要因分析 ~北極海の海氷の減少により寒冬になる確率は2倍 ~」より)

「実は、『温暖化』こそが、寒い冬の要因の一つとして考えられる」と言い張っていたのは、何だったのか?
しかも、上図を見ると、シミュレーションと観測値はかなり違う。
それに関しては「モデルで再現されたユーラシア大陸中央部の低温偏差は、観測に比べると小さい値を示していますが、これはモデルが観測を過小評価しているわけではなく、モデルでは除去される内部変動(その多くは北極振動)の影響が観測にはかなり含まれているためです」と抗弁しているけれど、自然の内部変動が大きいと認めたも同然。
上図の(a)と(b)で濃い青の地域は重なっているが、(a)の濃い青の地域のうち、(b)の濃い青の地域だけはCO2の増加(でバレンツ・カラ海の海氷の減少)に因るが、他の地域は内部変動に因る、などということはあり得ない。
(b)の濃い青の地域にも自然の内部変動が大きく寄与しているはず。
ところが、(b)のシミュレーションでは内部変動が考慮されていない。
にもかかわらず、(a)と同じほど濃い青色になっている。
気候モデルがCO2(の増加でバレンツ・カラ海の海氷の減少)の影響を過大評価していることは明白。[注3]

しかも、バレンツ・カラ海の海氷減少の主因も自然変動。
下図に見えるとおり、バレンツ海の海水温(黒線)はAMO(赤線)と見事に連動している。

2014122005図14-23 「Geophys.Res.Lett.,36(2009)L19604」より

「1979~2012年の北極海の一部、バレンツ海などの海氷面積」の減少はAMOに伴う海水温上昇の影響が大きいことは明らか。
結局、「厳冬は(CO2の排出に因る)地球温暖化の影響」ではなく、厳冬は自然現象。
この事実はその後の研究で裏づけられた。


We investigate the relative magnitudes of the contributions of surface temperature trends from different latitude bands to the recent warming hiatus. We confirm from five different global data sets that the global-mean surface temperature trend in the period 1998?2012 is strongly influenced by a pronounced Eurasian winter cooling trend. To understand the drivers of this winter cooling trend, we perform three 20-member ensembles of simulations with different prescribed sea surface temperature and sea ice in the atmospheric model ECHAM6. Our experimental results suggest that the Arctic sea ice loss does not drive systematic changes in the Northern Hemisphere large-scale circulation in the past decades. The observed Eurasian winter cooling trend over 1998-2012 arises essentially from atmospheric internal variability and constitutes an extreme climate event. However, the observed reduction in Arctic sea ice enhances the variability of Eurasian winter climate and thus increases the probability of an extreme Eurasian winter cooling trend.


(「Geophys.Res.Lett.,42(2015)8131」の abstract)


The emergence of rapid Arctic warming in recent decades has coincided with unusually cold winters over Northern Hemisphere continents. It has been speculated that this “Warm Arctic, Cold Continents” trend pattern is due to sea ice loss. Here we use multiple models to examine whether such a pattern is indeed forced by sea ice loss specifically and by anthropogenic forcing in general. While we show much of Arctic amplification in surface warming to result from sea ice loss, we find that neither sea ice loss nor anthropogenic forcing overall yield trends toward colder continental temperatures. An alternate explanation of the cooling is that it represents a strong articulation of internal atmospheric variability, evidence for which is derived from model data, and physical considerations. Sea ice loss impact on weather variability over the high-latitude continents is found, however, to be characterized by reduced daily temperature variability and fewer cold extremes.


(「Geophys.Res.Lett.,43(2016)5345」の abstract)


Surface air temperature over central Eurasia decreased over the past twenty-five winters at a time of strongly increasing anthropogenic forcing and Arctic amplification. It has been suggested that this cooling was related to an increase in cold winters due to sea-ice loss in the Barents-Kara Sea. Here we use over 600 years of atmosphere-only global climate model simulations to isolate the effect of Arctic sea-ice loss, complemented with a 50-member ensemble of atmosphere-ocean global climate model simulations allowing for external forcing changes (anthropogenic and natural) and internal variability. In our atmosphere-only simulations, we find no evidence of Arctic sea-ice loss having impacted Eurasian surface temperature. In our atmosphere?ocean simulations, we find just one simulation with Eurasian cooling of the observed magnitude but Arctic sea-ice loss was not involved, either directly or indirectly. Rather, in this simulation the cooling is due to a persistent circulation pattern combining high pressure over the Barents-Kara Sea and a downstream trough. We conclude that the observed cooling over central Eurasia was probably due to a sea-ice-independent internally generated circulation pattern ensconced over, and nearby, the Barents-Kara Sea since the 1980s. These results improve our knowledge of high-latitude climate variability and change, with implications for our understanding of impacts in high-northern-latitude systems.


(「Nature Geoscience,9(2016)838」の abstract)


Wide disagreement among individual modeling studies has contributed to a debate on the role of recent sea ice loss in the Arctic amplification of global warming and the Siberian wintertime cooling trend. We perform coordinated experiments with six atmospheric general circulation models forced by the observed and climatological daily sea ice concentration and sea surface temperature. The results indicate that the impact of the recent sea ice decline is rather limited to the high‐latitude lower troposphere in winter, and the sea ice changes do not significantly lead to colder winters over Siberia. The observed wintertime Siberian temperature and corresponding circulation trends are reproduced in a small number of ensemble members but not by the multimodel ensemble mean, suggesting that atmospheric internal dynamics could have played a major role in the observed trends.


(「Geophys.Res.Lett.,45(2018)3255」の abstract)

この論文の著者には中村哲と浮田甚郎も名を連ねている。

にもかかわらず、朝日新聞は子どもにも「温暖化がもたらす厳冬」と吹き込んでいる。
(質問者は45歳のおばさんだけれど、親子で読むことを想定して書かれているから、子どもを騙そうとの意図は明白。)


2019年3月2日の朝日新聞土曜日朝刊の別刷り「be」より

記事の図を見ると、温暖化で日本海側の低地は雪から雨に変わる一方で、山は豪雪になるけれど、2018年の冬は低地で豪雪だった。


福井市、積雪130センチ 「56豪雪」以来37年ぶり
2018年2月6日19時17分
福井市では6日午後2時現在の積雪の深さが136センチに達した。福井地方気象台によると、福井市で積雪が130センチを超えたのは、1981年の「五六豪雪」以来37年ぶりで、平年の6.4倍だという。24時間で降った雪の量は、66センチに上っている。
北陸地方は各地で雪が降り続いており、金沢市の積雪は69センチで平年の4.6倍、富山市は65センチで平年の2.6倍となっている。
6日午後2時現在、各地の積雪量は次の通り。九頭竜(福井県大野市)214センチ▽加賀菅谷(石川県加賀市)161センチ▽白山河内160センチ(同県白山市)▽大野(福井県大野市)130センチ▽武生(同県越前市)95センチ。

〈「56豪雪」〉 北陸地方は1981(昭和56)年の冬に記録的な豪雪に見舞われている。「56豪雪」と呼ばれ、福井市の積雪の深さは最大で196センチに達した。気象庁によると、住宅倒壊などの被害が相次ぎ、全国の死者は133人、行方不明者は19人に上った。


雪をかぶった郵便ポスト=福井市大手3丁目


(朝日新聞デジタルより)

その一方、立山は少雪だった。


長野)少雪で除雪作業進む 立山黒部アルペンルート
2018年4月6日03時00分
北アルプスを貫いて長野県と富山県を結ぶ立山黒部アルペンルートの今季の全線開業(今月15日)を控えた5日、観光客の受け入れ準備作業が報道陣に公開された。
大町市側からケーブルカー、ロープウェー、トロリーバスなどを乗り継いで標高2450メートルの室堂へ。今季の少雪の影響で、バスターミナル周辺の除雪は順調に進んでいた。春の観光の目玉、道路沿いの圧倒的な雪の壁「雪の大谷」は、例年の半分ほどの7、8メートルだった。
最盛期150万人を記録した観光客数は、近年90万人台で昨年も約93万人だったが、立山黒部貫光(かんこう)の新森雅夫総務部長は「今やお客様は団体から個人に。質の高いサービスで喜んでもらうことに力点を置きたい」。開通50周年の3年後をめどに設備やサービスを一新、「第2の創業」を目指すという。(三浦亘)


例年にない少雪で雪の大谷の除雪作業は、この日でほぼ完了という=富山県立山町室堂


(朝日新聞デジタル)

「温暖化がもたらす厳冬」のデタラメは明白。

14.10 竜巻の不都合な真実

「微動だにしていない」木本昌秀は、(CO2の排出に因る)温暖化で竜巻の被害が増えた、とも言い張っている。

2015061601
2013年9月3日の朝日新聞朝刊紙面より

しかし、下図に見えるとおり、強い寒気が無ければ竜巻は起こり得ない。

2013090602
図14-24 竜巻発生のメカニズム

おそらく、ジェット気流の蛇行で寒気が入り込んできたのだろうが、前節で解説したとおり、それはCO2排出が原因ではない。
「地球温暖化も要因の1つ」は妄想にすぎない。
その証拠に、上の記事では「温暖化によって竜巻が増えることは理にかなっている」と言い張っていた「名古屋大の坪木和久教授」も、二日後の紙面では「増えていると言えるデータはない」と認めてしまった。

2013090702
2013年9月5日の朝日新聞朝刊紙面より

それでも尚、「スーパーコンピュータを使って・・・約2倍になると結果が出た」と言い張っているけれど、竜巻の本場、米国を見てみよう。


図14-25 米国における竜巻の発生数の変化

確かに、1990年までは増加していた。
もちろん、これも観測網が整備されてきた結果かもしれないけれど、これを真に受けても、1990年代前半からは増加していない。
第10章の第6節で解説したとおり、人工衛星の観測データから自然要因(ENSOに因る気温上昇・低下と火山噴火による気温低下)を除けば、1993年から気温は上昇しておらず、第3節で解説したとおり、それは台風やハリケーンのデータから裏づけられたけれど、竜巻のデータからも裏づけられたのである。
「全く同じ傾向の証拠がどんどん示されれば、自分が出した答えにもっと自信を持つことができます」!
第10章の第6節で引用した「火山噴火、人為的温暖化の『減速』に一部貢献か」という見出しの記事に見えるとおり、「これらのモデルが、化石燃料の燃焼で排出される二酸化炭素(CO2)による温暖化効果を誇張している」ことは明らかである。

前章の第3節で引用した「温暖化に挑む:平均気温の伸び停滞、なぜ 解明進む『ハイエイタス』現象、再上昇へ警告も」という見出しの記事に見えるとおり、NOAAのマイケル・マクファデンは「温暖化の懐疑論者はハイエイタス現象を理由に、温暖化が起きていないと社会を混乱させようとしているかもしれない」と喚き散らしていたけれど、温暖化で豪雨だの、温暖化で猛暑だの、温暖化で厳冬だの、温暖化で竜巻だのと騒ぎ立てる木本昌秀は「温暖化が起きていると社会を混乱させようとしているかもしれない」。

2014122006

いやはや、全く人騒がせな御仁である。

[注1] 「Atmospheric and Climate Sciences,3(2013)291」に依れば、我国に1年先んじて、1987年から1988年にかけて、欧州でも「Climate Shift」が起こった。
それは North Atlantic Oscillation が正に転じたことと日射量の増大が重なったため。
やはり、自然要因。

[注2] 気象庁による台風の分類と米国による分類の違いは下図のとおり


図14-26 気象庁による熱帯低気圧(台風)の階級と米国による熱帯低気圧(ハリケーン)の階級

気象庁の定義する「猛烈な台風」は米国ではカテゴリー4~5に相当する。

[注3] 但し、人為的要因は全く関係ない、とも言い切れない。
図14-22の(a)を見ると、アラル海周辺が「厳冬」になっているけれど、それはアラル海の消滅が原因。


世界で4番目に広かった湖「アラル海」、ほぼ消滅
2014.10.01 12:36 JST
かつて世界で4番目に大きな湖だった「アラル海」が過去14年で縮小を続け、有害な砂をまき散らす広大な砂漠と化している。米航空宇宙局(NASA)はこのほど、湖の縮小規模を示す画像を公開した。
アラル海は中央アジアのカザフスタンとウズベキスタンの国境をまたぐ地域にあり、現在は元の湖の中心だった部分が「南アラル海」と呼ばれている。縮小は今年に入ってピークに達し、南アラル海の東側の部分が完全に干上がった。
NASAによると、アラル海には1960年代までアムダリヤ川とシルダリヤ川の2つの川が注ぎ込み、雪解け水や雨水が流れ込んでいた。しかし旧ソ連が60年代、農業用水を確保するため、この2つの川の流れを変え、水を運河に流入させた。
この影響でアラル海は縮小を始め、塩分濃度が上昇。肥料や化学物質で汚染された湖底が露呈した。この土壌が風に吹かれて周辺の耕作地に広がったため、耕作用にさらに多くの水が必要になったという。
水位の低下に伴いこの地域の気候も変化した。気温の変化を和らげてくれる水がなくなったため、冬は一層寒く、夏は一層暑くなったとNASAは解説している。


(CNN)

その影響は周辺にも及んでいる。
それが「ユーラシア大陸中央部では厳冬の頻度が増えた」一因。
それも人為的な気候変動だけれど、CO2の排出が原因ではない。
近年の気候変動(雪の減少や厳冬と豪雪)は自然要因とCO2以外の人為的要因が主であり、CO2の影響が弱いことは明白。

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