CO2に憑かれたピエロ

シェーンベルグ「月に憑かれたピエロ」

今日今晩は。
「国際環境NGO(嘘)RealCrazyClimate」の会員某で~~~す。

今日はまず次の記事を見てちょ。


世界のCO2排出量、2010年は過去最高に
2010年の世界の二酸化炭素排出量は、前年比5.9%増の334億トンで過去最高となることが、環境系研究所などの国際協力組織「グローバルカーボンプロジェクト」の集計でわかった。
08年の世界的な金融危機による排出減から増加に転じた。5日付の科学誌ネイチャー・クライメート・チェンジ電子版に発表する。
日本の国立環境研究所などが参加する同プロジェクトが、国連や企業などの公表データから排出量を算出した。世界全体の排出量は09年、08年のリーマン・ショックによる経済活動減退の影響で、前年比で1.4%減少していた。しかし10年は、欧米を中心とした先進国で、経済の復調に合わせて同3.4%増。金融危機でも落ち込みが見られなかった中国などの途上国では同7・6%の伸びを示し、全体で同5.9%増になった。


(2011年12月5日03時04分  読売新聞)


地球温暖化、日本は2030年代「2度上昇」の可能性
2011.12.5 15:36 [温暖化]
二酸化炭素(CO2)などの排出が大幅に増え続けると、世界の平均気温が2040年代にも工業化でCO2排出が増え始めた産業革命前と比べ2度以上高くなる恐れがあるとの分析結果を、英レディング大やオックスフォード大などのチームが4日までに論文にまとめた。「2度の上昇」は、大規模な水不足や広範囲のサンゴ白化、生物種の絶滅リスク増大といった生態系破壊など地球温暖化の被害が深刻になる境目とされる。
分析は、ユーラシア大陸北部など地域によってさらに早く、20年代にも超える恐れがあり、日本も30年代に2度を超える上昇があり得る。世界の平均気温は、80年代に3度以上高くなるとも想定されるとした。
国際的な温暖化対策は京都議定書の目標の期間が終わる13年以降、削減義務がなくなりかねない。分析は取り組みの遅れが許されないことを示しており、ダーバンでの気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)の議論にも影響を与えそうだ。
分析によると、今世紀末までに大気中のCO2濃度が現在の2倍近くになるペースで排出が増える場合、世界の平均気温上昇幅が2度を超えるのは40年代。環境保全と経済発展を両立させて濃度を1.5倍弱にとどめれば、80年ごろに遅らせることが可能とした。(共同)
■気温上昇の2度目標 産業革命前からの気温上昇が2度以上になると、生態系破壊や自然災害の多発など地球温暖化の深刻な被害が生じるとされるため、それより低く抑えようという目標。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)によると、先進国全体で2020年に1990年比25~40%の排出削減などが必要。世界の平均気温は05年までの100年間に0.74度上昇。太平洋などの島嶼(とうしょ)国は1.5度未満に抑えるよう求めている。


(MSN産経ニュース)

これはどういうことか、と言うと。
下図の黄色の線を2040年まで引き伸ばすと、1980年以降1℃温暖化するはず。

IPCC第4次報告書より

但し、産業革命時と1980年時の気温差は1℃もないから、2040年に2℃温暖化することはあり得ないけど、「二酸化炭素(CO2)などの排出が大幅に増え続けると」、すなわち、上図の黄色の線よりさらに急激な気温上昇が起こると、その可能性が出てくる。
要するに、そういうことだわ。
だから、基本的に目新しいことは何も無く、これまでのIPCC党の主張を繰り返したにすぎないんだな。

そこで、2011年11月24日の「気候変動・千夜一夜」をもう一度見てみると。


暴露した人の意図を推測すれば、12月初めに開かれる気候変動枠組み条約締約国会議での各国代表の態度への影響をねらったのでこの時期になったと考えられます。
・・・
それで「二年前の七面鳥」という表現になったわけですが、日本語にはもっと的確な表現があります。「二番せんじ」です。実際には漢方薬の種類によっては二番せんじが充分よく効くものもあるのですが、ここでは「出がらし」に近い意味のつもりで書きました。


(「電子メール暴露の二番せんじ」より)

けど、上で指摘したとおり、「英レディング大やオックスフォード大などのチーム」の論文は正に「出がらし」。
しかも、「ダーバンでの気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)の議論にも影響を与えそうだ」ということは、正に「気候変動枠組み条約締約国会議での各国代表の態度への影響をねらった」ということ。
つまり、IPCC党は自分達こそ「出がらし」の論文でCOP17への影響を狙いながら、あべこべに、新たにリークされたメールを「出がらし」だの、「COP17妨害狙い」だのと罵っているわけで、その破廉恥さには呆れ返るな。

そもそも、前回の投稿で解説したとおり、CO2の温室効果は産業革命時にほぼ飽和しているから、2040年に大気中のCO2濃度が産業革命時の倍になっても、CO2が原因で1℃温暖化することさえあり得ない。
2011年11月17日の「気候変動・千夜一夜」はセシウム汚染を採り上げて気候学を正当化してるけど、10月3日の投稿で解説したとおり、人為的温暖化詐欺は福島原発惨事の重大な一因であり、その意味において、「英レディング大やオックスフォード大などのチーム」の論文はセシウム入りの「出がらし」と言える。

「レディングの せい品に セシウム いれた」
「オックスフォードティーを のんで はかばへ行こう」
「どくいり きけん のんだら しぬで かい人あいぴーしーしー」

例えば、伊藤公紀が「IPCC報告書は初めから、科学的報告書ではなく、政治的報告書」と弾劾しているように、人為的温暖化論は科学ではなく政治と批判されているんだから、IPCC党が人為的温暖化は純粋に科学的な結論だと主張したいのなら、COP17開催中の論文発表は避けようと考えるはずなんだな。
ところが、連中はわざわざCOP17の開催中を狙って、しかも、「出がらし」の論文を発表してきたわけだ。
このことは、IPCC党の気候学者が政治に操られているにすぎないことを、完全に露呈したと言える。

実際のところ、IPCC党はただの道化なんだね。
CO2に憑かれたピエロ。
温室効果の飽和を理解できない愚かなIPCC党は、10月7日の投稿で紹介したとおり、「地球もこれから二酸化炭素がどんどん増えれば、温室効果がいくらでも増えることができる」などと喚き散らしている。
新自由主義を主導してきた連中は、この阿呆どもは使える、と読んだんだな。
(11月13日の投稿で指摘したけど、新自由主義を推し進めたのは米国ではなく、実は、EU。)
こいつらを利用して、排出量取引や環境税で世界から貪り盗れる、と。
3月18日の投稿で紹介したけど、昨年のCOP16で日本が京都議定書延長を拒絶した時、張壽川が「排出量取引制度導入反対論者の勝因」などと喚き散らしていたのはその証左。

CO2を金に変えるという、現代の錬金術。
それが人為的温暖化の正体。
但し、科学の歴史を見れば、錬金術が化学を発展させたという事実もある。
だから、IPCCの錬金術を乗り越えた先に本当の科学が見えてくる、ということであり、不肖私めの駄文もその一助になるかもね。

ついだから、もう一つこの記事も見てもらおうかね。


所得増税・環境税を来年度税制改正大綱に 政府税調方針
政府税制調査会は6日、今年度税制改正に盛り込まれながら、与野党協議で見送りとなった所得増税や地球温暖化対策税(環境税)の導入など一部の項目を、9日にまとめる来年度税制改正大綱に盛り込む方針を固めた。来年なら成立する可能性があると判断した。
盛り込まれるのは、給与収入1500万円超の人の所得控除額に上限(245万円)を設定▽勤続5年以内の役員は退職金の優遇課税の対象外に▽温室効果ガスの排出抑制に向け石油石炭税率を上乗せする環境税の導入――など。1年遅れで実現すれば、給与所得控除の上限設定は2013年1月(住民税は14年6月)から、環境税は12年10月から導入されることになる。
一方、同じく今年度税制改正に盛り込まれながら見送りとなった相続増税や、23~69歳の親族を養う場合の成年扶養控除の対象者縮小などは、来週からの社会保障と税の一体改革の議論に先送りした。


(asahi.com)

周知のとおり、左翼は消費税増税に反対するけど、環境税には諸手を挙げて賛成してる。
社会的強者・弱者の区別無く課税するという本質において、であるから、強者による弱者収奪以外の何物でもないという本質において、両者は同じ穴の狢であるにもかかわらず。
それは左翼の正体を白日の下に曝したと言えるね。
実際、ノータリンでミーハーなだけの左翼は、「環境」という言葉を見ると無条件に飛びついて来る。
新自由主義を主導してきた連中は、このマヌケどもは使える、と読んだんだな。
「地球温暖化対策」を標榜すれば左翼も翼賛体制に組み込める、と。
案の定、組み込まれちゃいました、と。

つまり、新自由主義を批判しながら、その実は、新自由主義に利用されて、国民収奪のお先棒を担ぎながら、温暖化から地球を守ると悦に入ってるんだね。
気候学者と同様、CO2に憑かれたピエロ。
それが左翼の破廉恥な正体ですわ。

コメントを残す