温室効果飽和に対する愚かな反論

前章までの解説に対して、IPCC学派は、CO2の温室効果は飽和しないから、それは間違い、と言い張る。
実際、以下に列挙するような反論がある。

<愚かな反論Ⅰ>


ここで、つぎのような疑問がわくかもしれません。「仮に、地表から放出された赤外線のうち、CO2によって吸収される波長のものがすべて大気に一度吸収されてしまったら、それ以上CO2が増えても温室効果は増えないのではないだろうか?」これはもっともな疑問であり、きちんと答えておく必要があります。実は、現在の地球の状態からCO2が増えると、まだまだ赤外線の吸収が増えることがわかっています。しかし、そのくわしい説明は難しい物理の話になりますのでここでは省略し、もうひとつの重要な点を説明しておきましょう。仮に、地表から放出された赤外線のうち、CO2によって吸収される波長のものがすべて一度吸収されてしまおうが、CO2が増えれば、温室効果はいくらでも増えるのです。なぜなら、ひとたび赤外線が分子に吸収されても、分子からふたたび赤外線が放出されるからです。そして、CO2分子が多いほど、この吸収、放出がくりかえされる回数が増えると考えることができます。図2は、このことを模式的に表したものです。CO2分子による吸収・放出の回数が増えるたびに、上向きだけでなく下向きに赤外線が放出され、地表に到達する赤外線の量が増えるのがわかります。

2016081501(a) CO2分子は、赤外線を吸収するだけでなく放出する。(b) 赤外線を吸収・放出するCO2分子の量が増えれば、地表に届く赤外線は増える。


(「二酸化炭素の増加が温暖化をまねく証拠」より)

CO2の温室効果の飽和を示す(2-1)式でも「CO2分子による吸収・放出の回数が増えるたびに、上向きだけでなく下向きに赤外線が放出され、地表に到達する赤外線の量が増える」。
(2-1)式で「吸収、放出がくりかえされる回数(n)」を増やしていくと、CO2の温室効果(GHE)はどうなるか。
下の表にそれを示す。

 \displaystyle \begin{tabular}{|r|r|} \hline n & GHE(C) \\ \hline 10 & 0.28 \\ \hline 20 & 3.99 \\ \hline 50 & 6.36 \\ \hline 100 & 7.17 \\ \hline 200 & 7.58 \\ \hline 500 & 7.83 \\ \hline 1000 & 7.92 \\ \hline 2000 & 7.96 \\ \hline 5000 & 7.98 \\ \hline 10000 & 7.99 \\ \hline \end{tabular}
表4-1

「吸収、放出がくりかえされる回数が増える」けれども、ある程度以上増えると、CO2の温室効果は殆ど上がらなくなる。
「CO2が増えれば、温室効果はいくらでも増える」ことは無い。
また、上の表は、n個の各大気層が15μm帯域の赤外線を完全に吸収してしまう場合の値だから、「現在の地球の状態からCO2が増えると、まだまだ赤外線の吸収が増えることがわかっています」と言い張ろうとも、飽和論に反論したことにはならない。

<愚かな反論Ⅱ>


図17(本稿の図1-3)は、鉛直方向の大気全層に相当する二酸化炭素による1回の吸収による放射透過率を波長別に計算したもので、横軸は波数(下;波長の逆数)または波長(上)、縦軸は透過率である。これを見ると、確かに波数630から700/cm付近では吸収が飽和している。
しかし、この図17は二酸化炭素による赤外線の射出をゼロとして、吸収の効果のみを表したものである。実際の大気では、地表面から射出された赤外線は大気中の温室効果ガスによる吸収・射出を繰り返して大気上端に到達する。大気中の二酸化炭素濃度が増加すると、この吸収・射出の平均回数が増加することにより、温室効果は増加する。したがって、大気全層による一回の吸収が飽和しているからといって、二酸化炭素がこれ以上増加しても温室効果は増加しないと考えるのは誤りである。
また、図17で波数570から620/cm付近と710から760/cm付近の黒く見えるところは、透過率が大きい値と小さい値の間を行ったり来たりしており、吸収線の存在を示している。気体分子の吸収線は、圧力効果とドップラー効果と呼ばれる2つの効果によって波数方向に幅を持っており、特に、吸収線の中心で吸収が飽和しても、さらに気体濃度が増えると、吸収線の幅が広がることにより吸収量が増加することが分かっている。


(「地球温暖化懐疑論批判」の「議論27」より)

この前半部分は「反論Ⅰ」と本質的に同じであり、(2-1)式への反論足り得ない。
尚も「二酸化炭素がこれ以上増加しても温室効果は増加しないと考えるのは誤りである」と言い張るのなら、(2-1)式に代わる数式を提示しなければならないが、IPCC学派にはそれができない。
できもしないのに、「二酸化炭素がこれ以上増加しても温室効果は増加しないと考えるのは誤りである」と考えるのは誤りである。

次に「圧力効果」であるが、CO2は大気の0.04%を占めるにすぎないから、しかも、炭素と酸素が結合してCO2ができるから、つまり、CO2が増えた分だけ酸素が減るから、CO2が増えても気圧が上がることはない。
従って、「圧力効果」は関係ない。
但し、成層圏では効く可能性があるが、それは<反論Ⅲ>で述べる。

次に「ドップラー効果」であるが。
温度が上がると吸収線の幅が広がる、と云うのが「ドップラー効果」。

2011041602
図4-1 ドップラー効果

しかし、今「二酸化炭素がこれ以上増加しても温室効果は増加しない」、つまり、温度は上がらないと言っているのに、温度が上がるから吸収が増えると言い立てるのは論理錯誤も甚だしいが、それは、温度が上がるから温度が上がるのだ、と言う以外の何物でもなく、語るに落ちたと言えよう。

<愚かな反論Ⅲ>


飽和論への反論は、大きく分けて次の3点があります。ただし第3点は「地球温暖化懐疑論批判」や「地球温暖化懐疑論へのコメント」では省略しました。
(1) 吸収が飽和している波長域についても、吸収物質量が多いほど熱放射が宇宙空間に出て行くまでに吸収・射出をくりかえす回数がふえるので温室効果は強まる。
(2) CO2による吸収のある波長域のうちには、水蒸気その他の効果を合わせても飽和していない波長域がある。
(3) 地表付近と成層圏とでは圧力の桁が違う。圧力が高いほど、分子間の衝突によるエネルギー交換が起きやすいので、波長の軸の中での吸収線の幅は広くなる。したがって成層圏のCO2による吸収は地表付近の気圧の場合よりも飽和しにくい。


(「CO2がふえても温室効果は強まらないという議論(飽和論)への反論」より)

(1)に関しては<反論Ⅰ>で論じたが、「熱放射が宇宙空間に出て行く」様を観測した結果が下図(のA)である。

fig 05-03
図4-2 「British Journal of Anaesthesia,105(2010)760」より

これを見ると、CO2の吸収帯域(13μm~17.5μm)のうち、14μmから16μm帯域では既に215K相当の「熱放射が宇宙空間に出て行く」ことが判る。
第1章で解説したとおり、215K以下の「熱放射が宇宙空間に出て行く」ことは無いから、この帯域の温室効果は既に飽和していることが判る。
実際、英国王立協会と全米科学アカデミーが連名で発表したブックレットには次のように記されている。


CO2 has its strongest heat-trapping band centred at a wavelength of 15 micrometres (millionths of a metre), with wings that spread out a few micrometres on either side. There are also many weaker absorption bands. As CO2 concentrations increase, the absorption at the centre of the strong band is already so intense that it plays little role in causing additional warming.


(「Climate Change : Evidence & Cause」の「Q&A(8)」より)

<愚かな反論Ⅰ>は「CO2が増えれば、温室効果はいくらでも増えるのです」と、<愚かな反論Ⅱ>は「確かに波数630から700/cm 付近では吸収が飽和している。しかし・・・二酸化炭素がこれ以上増加しても温室効果は増加しないと考えるのは誤りである」と言い張っていたけれど、それは、CO2の赤外吸収が14μmから16μm(波数630/cmから710/cm)に限られるとしても、「温室効果はいくらでも増えるのです」と言うことに他ならないから、その誤りは明白であろう。
それを書いたのは、IPCC第5次報告書政策策定者向け要約の執筆者に唯一人の日本人として名を連ねている、江守正多である。
この一事だけを以ってしても、IPCCの非科学性は明らかであろう。

そこで、(2)の反論を検討すると。
「CO2による吸収のある波長域のうちには、水蒸気その他の効果を合わせても飽和していない波長域がある」は、<反論Ⅱ>の「図17(本稿の図1-3)で波数570から620/cm付近と710から760/cm付近の黒く見えるところは、透過率が大きい値と小さい値の間を行ったり来たりしており、吸収線の存在を示している」に対応しており、英国王立協会と全米科学アカデミーのブックレットの「wings that spread out a few micrometres on either side」と同じであり、CO2の吸収帯域(13μm~17.5μm)のうち14μm~16μmの両翼を指しているが、図4-2を見れば、確かに、その帯域からの熱放射は215Kにまで落ち込んでいないから、そこでは「水蒸気その他の効果を合わせても飽和していない」と言える。
しかし、(1-15)式はその帯域からの放射も、つまり、CO2の吸収帯域からの全放射が215K相当にまで落ち込んでしまった場合の値であり、CO2が増えてもその値を超えることはあり得ない。

そこで、さらに(3)の反論を検討すると。
IPCCに依れば、CO2が増えると成層圏の気温は下がる。
実際、成層圏の気温は下がりつつあると言う。

2015020501
図4-3 成層圏の温度の推移

対流圏ではCO2が増えると気温が上がるのに、成層圏ではなぜ下がるのか?
後で紹介するけれど、地球からの放射の代表温度をもつ高さは対流圏の中間の高さである。
成層圏では大気が希薄だから、対流圏から放射された赤外線は成層圏ではほとんど吸収されず宇宙に放出されている。
従って、成層圏におけるCO2の増加は、下からの赤外線を吸収して成層圏を暖める効果よりも、成層圏からの赤外放射を増やして成層圏を冷やす効果の方が大きい。
(3)の「成層圏のCO2による吸収は地表付近の気圧の場合よりも飽和しにくい」は頓珍漢な反論と言わざるを得ない。
それとも、CO2がもっと増えれば、成層圏でも赤外線を吸収する効果の方が上回って、成層圏の気温も上がる、と言うのだろうか?
しかし、図1-4を見れば、成層圏上部の気温は対流圏下部の気温よりも高いから、それがさらに上がれば、成層圏から宇宙へ放出されるエネルギーが増え、温暖化どころか、逆に、地球を冷やすだけである。
そもそも、(1-15)式はCO2の全吸収帯域からの放射が215K相当、つまり、成層圏の一番低い温度にまで落ち込んでしまった場合の値だから、「成層圏のCO2による吸収は地表付近の気圧の場合よりも飽和しにくい」と言い立てても、(1-15)式は、つまり、CO2の温室効果が飽和するという事実は覆らない。
対流圏において「吸収、放出がくりかえされる回数」が十分に多ければ、大気全体としては飽和に近いから、成層圏が未飽和という言い訳は通用しない。

もはや明らかなとおり、<反論Ⅲ>は、CO2の温室効果は未だ飽和状態から遠い、と言い立てているだけであり、なぜ飽和しないのかと云う説明にはなっていないし、飽和から遠いと云う説明にもなっていない。
しかも、たとえ飽和状態に達していなくても、第3章で解説したとおり、IPCCの人為的温暖化説は成り立たない。

<愚かな反論Ⅳ>

2011090705図4-4 「Physics Today,64(2011)33」より(PDFからテキストをコピーできないので画像を掲載した)

<反論Ⅲ>と同様、この「反論」も、なぜ飽和しないのかと云う説明になっていないし、飽和から遠いと云う説明にもなっていない。
実際、「additional absorption in the wings of the 667cm-1」は<反論Ⅲ>の(2)と同じ。
「the radiation only escapes from the thin upper portions of the atmosphere that are not saturated」は<反論Ⅲ>の(3)と同じ。
「radiation in the portion of the spectrum affected by CO2 escapes to space from the cold, dry upper portions of the atmosphere」も<反論Ⅲ>の(3)と同じ。

金星を盾にして自らの議論を正当化しているが、金星には水が無い。
第2章で解説したとおり、水が無ければIPCCの主張するとおりだが、地球は水の惑星であり、第3章で解説したとおり、対流圏における水蒸気の温室効果が15μm帯域の温室効果を押し上げているから、IPCCの人為的温暖化説は成り立たないのだ。
金星を持ち出して「thin upper portions of the atmosphere」だの、「the cold, dry upper portions of the atmosphere」と言い立てることこそ「fallacies」である。
もう一度、言う。
地球は水の惑星である。

<愚かな反論Ⅴ>


Is the greenhouse effect already saturated, so that adding more CO2 makes no difference?
No, not even remotely. It isn’t even saturated on the runaway greenhouse planet Venus, with its atmosphere made up of 96% CO2 and a surface temperature of 467°C, hotter even than Mercury (Weart and Pierrehumbert 2007). The reason is simple: the air gets ever thinner when we go up higher in the atmosphere. Heat radiation escaping into space mostly occurs higher up in the atmosphere, not at the surface – on average from an altitude of about 5.5 km. It is here that adding more CO2 does make a difference. When we add more CO2, the layer near the surface where the CO2 effect is largely saturated gets thicker – one can visualize this as a layer of fog, visible only in the infrared. When this “fog layer” gets thicker, radiation can only escape to space from higher up in the atmosphere, and the radiative equilibrium temperature of -18°C therefore also occurs higher up. That upward shift heats the surface, because temperature increases by 6.5°C per kilometer as one goes down through the atmosphere due to the pressure increase. Thus, adding 1 km to the “CO2 fog layer” that envelopes our Earth will heat the surface climate by about 6.5°C.


(「The Copenhagen Diagnosis」より)

飽和論への反論を意図して書いたのではないが、これと全く同じ解説が「地球温暖化懐疑論批判」にも載っている。


地球のエネルギー収支はつりあっていると近似できるので、地球が吸収する太陽エネルギー量が変わらなければ、宇宙から見たときに地球が出す放射の代表温度(有効放射温度)は一定(マイナス18℃)とみなしてもよい。また、対流圏の鉛直温度勾配は近似的には一定とみなしてもよい。しかし、槌田(2004)では、放射の代表温度をもつ高さが変化することが見落とされている。温室効果物質が多いということは、赤外線に対して大気がより不透明だということだから、赤外線で宇宙から見えるのはより外側、つまりより高いところになる。つまり、放射の代表温度をもつ高さは温室効果物質が多いほど高くなる。したがって、温度勾配が一定ならば、地面付近の気温は、より高くなる。これは真鍋による次の有名な温室効果の説明に他ならない(例えば真鍋1985)。図16(下図)において、地球の出す放射の代表温度がTeで、太陽から受け取る放射とつりあっているとする。実線の温度分布ならば、図16のAが放射を出す代表位置である。ここで大気が赤外線に対してより不透明になったとすると、放射を出す代表位置がA’に変わる。ところがこれでは地球が出すエネルギーが受け取る太陽エネルギーより少ないので、地球(大気・海洋)が暖まっていく。A’の高さの温度がTeとなる破線の温度分布まで大気全体が暖まって、地球のエネルギー収支がつりあうことになる。

fig 05-05


(「地球温暖化懐疑論批判」の「議論23」)

「宇宙から見たときに地球が出す放射」が255Kのプランク関数で表されるなら、この議論は成り立つけれど、図4-2(のパネルA)に見えるとおり、「宇宙から見たときに地球が出す放射」を255Kのプランク関数で表すことはできない。
「宇宙から見たときに地球が出す放射の代表温度(有効放射温度)は一定(マイナス18℃)とみなしてもよい」というのは、ステファン=ボルツマンの法則に当て嵌めれば、「宇宙から見たときに地球が出す放射」の全エネルギーはマイナス18℃=255Kの黒体放射と同等、という意味にすぎない。
図4-2(のパネルA)で見たとおり、CO2の吸収帯域の中心部分(14μm~16μm)を「宇宙から見たときに地球が出す放射」は220K相当であり、「放射の代表温度をもつ高さ」は既に対流圏の上端(対流圏界面)に達している。
「Heat radiation escaping into space mostly occurs higher up in the atmosphere, not at the surface — on average from an altitude of about 5.5 km. It is here that adding more CO2 does make a difference」は全くのデタラメである。
但し、14μm~16μmの両外側からの「放射の代表温度」は220Kよりも高く、従って、CO2の全吸収帯域(13μm~17.5μm)を「宇宙から見たときに地球が出す放射」の「代表温度をもつ高さ」は未だ対流圏界面に達していない。
と言っても、それは-18℃よりもずっと低く、5.5kmよりもずっと高い。
それらが対流圏界面の温度と高さに近ければ、もはや顕著な温暖化は起こり得ない。
では、「放射の代表温度Te」を評価してみよう。
CO2の温室効果とTeは次式で関係づけられる。

(4-1)    \displaystyle \frac{n\left( \, 255^4 - 0.21 \times 215^4 \right)}{1 + 0.79 \, n} = \frac{255^4 - 0.21\,T_e^4}{0.79}

第3章で解説したとおり、産業革命時における赤外吸収・射出の平均回数nは80だからTe=222K。
対流圏界面との差は7℃で、対流圏の温度勾配は「temperature increases by 6.5C per kilometer」だから、「代表温度をもつ高さ」は対流圏界面から1km下。
「It is here that adding more CO2 does make a difference」は全くの嘘。
しかも、「放射の代表温度」と対流圏界面との差が7℃でも、CO2が増え続ければ気温が7℃上がるわけではない。
第1章で解説したとおり、15μm帯域の温室効果の上限は8℃であり、(2-4)式から判るとおり、赤外吸収・射出の平均回数が80ならば、15μm帯域の温室効果は既に7℃だから、温室効果が増す余地は1℃しか残っていない。
フィードバックで3倍になるが、「Earth will heat the surface climate by about 6.5°C」などあり得ない。

<愚かな反論Ⅵ>

第2章で紹介したとおり、スペンサー・ワートは「彼らのうち一部の人々は、自分で答えを出そうとする。そして、専門家が彼らの美しい理屈を却下すると不平を言う」と高言を垂れていたけれど、最後に、彼の「反論」を見ておこう。


So, if a skeptical friend hits you with the “saturation argument” against global warming, here’s all you need to say:
(a) You’d still get an increase in greenhouse warming even if the atmosphere were saturated, because it’s the absorption in the thin upper atmosphere (which is unsaturated) that counts;
(b) It’s not even true that the atmosphere is actually saturated with respect to absorption by CO2;
(c) Water vapor doesn’t overwhelm the effects of CO2 because there’s little water vapor in the high, cold regions from which infrared escapes, and at the low pressures there water vapor absorption is like a leaky sieve, which would let a lot more radiation through were it not for CO2;
(d) These issues were satisfactorily addressed by physicists 50 years ago, and the necessary physics is included in all climate models.


(「A Saturated Gassy Argument」より)

もはや説明するまでも無いだろう。
(b)は<反論Ⅰ>が「現在の地球の状態から二酸化炭素が増えると、まだまだ赤外線の吸収が増えることがわかっています」と言い立てていたのと同じであり、(a)と(c)は<反論Ⅲ><反論Ⅳ>と同じであり、何れも飽和論への反論足り得ない。
先に指摘したとおり、英国王立協会と全米科学アカデミーのブックレットにも「it plays little role in causing additional warming」と明記しているのだ。
14μmから16μmが「it plays little role in causing additional warming」なら、CO2が増えれば15μm帯域全体も「it plays little role in causing additional warming」になるのは当然ではないか。
にもかかわらず、「These issues were satisfactorily addressed by physicists 50 years ago」と言い張るのだから、呆れ返ってしまう。
結局のところ、IPCC学派は、飽和しないから飽和しない、と泣き喚いているだけなのだ。

問題は、未だ飽和状態から遠いのか否か、ということであるが、飽和するということは、CO2濃度がある値を超えれば飽和に近くなる、ということであり、CO2の赤外吸収の中心帯域は既に飽和しているのだから、CO2の温室効果(15μm帯域全体)が飽和に近いことは明らかである。

fig 05-06
図4-5 「名古屋大学の講義録」より

実際、第3章で解説したとおり、「吸収、放出がくりかえされる回数」は80に達しており、従って、(2-4)式から判るとおり、15μm帯域の温室効果は既に7℃に達しており、そして、(1-15)式で導いたとおり、上限は8℃だから、15μm帯域の温室効果が上がる余地は1℃しか残っていない。
しかも、次章で解説するとおり、実は、0.5℃しか残っていない。
CO2の温室効果は既にほぼ飽和しているのだ。

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