「昨年の気温、史上2位の高さ」、そして、神戸

今日今晩は。
「国際環境NGO(嘘)RealCrazyClimate」の会員某で~~~す。

前回の投稿で紹介したとおり、「実際に温暖化の進行や影響は、ほぼIPCCの指摘通りになっている」と喚き立ててやがったけど、今度はこれ。


2020年1月16日の朝鮮日刊新聞関西版夕刊紙面より

ネットでも全文公開。


昨年の気温、史上2位の高さ 温室効果ガス濃度は最高に
ワシントン=香取啓介
2020年1月16日 10時44分
世界気象機関(WMO)は15日、2019年の世界の平均気温が観測史上2番目に高かったと発表した。過去5年(15~19年)、過去10年(10~19年)の平均気温はともに過去最高。大気中の二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガス濃度も過去最高を記録しており、気温の上昇傾向に歯止めがかからない。
WMOは、米航空宇宙局(NASA)などの記録を使った。19年の平均気温は、19世紀末より1.1度高く、1.2度高かった16年に次ぐ暑さだった。1980年代以降10年ごとの平均気温は最高を常に更新している。
地球温暖化の国際ルール「パリ協定」では、気温上昇を2度未満、できれば1.5度に抑えることを目指す。しかし、WMO
のペッテリ・ターラス事務局長は「現在のCO2排出では今世紀末に3~5度上昇してしまう」と危惧する。
ターラス氏によると、大規模森林火災が続く豪州は2019年が最も暑く、最も乾燥した年だったという。米海洋大気局(NOAA)などによると、19年の世界の海水温は史上最高になった。海洋は地球温暖化でもたらされる熱の大部分を吸収するが、海水温が上がれば水蒸気が増え、降水量の増加や干ばつの深刻化につながるとされる。「過去最高の温室効果ガス濃度のせいで、20年とこれからの10年はより過酷な気象に直面する」と警告する。

1951~80年の平均値をゼロとした場合の世界の平均気温の推移。NASAなど世界の5機関のデータは、いずれも過去数十年で急激な気温上昇が起きていることを示している=NASA提供


(朝日新聞デジタル)

ふ~~~ん、そうか。
「米航空宇宙局(NASA)などの記録を使った」を見てみると、

図1 NASA(GISS)による全球平均気温偏差の推移(三角印)とIPCCの人為的温暖化説(赤線)、及び、「地球は水の惑星」の(3-1)式(青線)との比較

IPCCに依れば、CO2が倍増すれば、それだけで気温は1℃上がり、それがフィードバックで3倍に増幅される。
それを数式で表したのが赤い実線で、IPCCの気候モデルの中央値に当たる。
1月14日の投稿で紹介したとおり、「若者たちへ。誰かではない、自分たちの未来を守るために一緒に声を上げて欲しい」だの、「日本の若者の意識の低さも、思い知らされました」だのと泣き喚いてたけど、その学生らはこんな基本的なことも知らないだろう。)
20世紀第4四半期の気温上昇をほぼ再現できる。
それが、IPCCが人為的(排出CO2)温暖化を煽り立てる拠り所。
だから、2000年以降の気温も赤線に沿って上がり続けていなければならない。
昨年の気温も赤線上に乗ってる。

けれど、昨年は、2016年のように強くはなかったけど、エルニーニョだった。


図2 「エルニーニョ現象 来春にかけて平常の状態が続く予想」より

だから、データは赤線の上に出ていなければならないのに、赤線上に乗ってる。
2010年もエルニーニョだったのに、赤線より僅かに下。
しかも、赤線は20世紀第3四半期までの気温を全く再現できない。
そんなのが正しいはずねえだろ。
「実際に温暖化の進行や影響は、ほぼIPCCの指摘通りになっている」はずねえだろ!

一方、青線は2012年までの気温を比較的良く再現できる。
ところが、NASAのデータ(と称する数値)は2013年以降に青線から大きく乖離し始める。
「気温の上昇傾向に歯止めがかからない」と見せかけるために、データを改竄・捏造したんだね。
「ほぼIPCCの指摘通りになっている」ように改竄・捏造したから、「昨年の気温、史上2位の高さ」になっただけ。

って言うと、そんなの嘘ですぅぅぅ~、青線なんか正しくありまシェ~~~ン、「ほぼIPCCの指摘通りになっている」カム・バッ~~~ク、と泣き喚くだろうけど、だったら、これは何だ?


図3 陸上の下向き赤外放射の推移(「J.Clim.31(2018)4501」の図15より)

前回の投稿で紹介したとおり、「抗議行動やデモ行進に恐る恐る参加する若者たちの姿は、日本社会の窮屈さや息苦しさを体現しているようで痛々しかった」と泣き喚いてやがったけど、その学生らは、CO2が増加して気温が上がるメカニズムを、どのように教わった?
こんなの教わっただろ。


図4 「全国地球温暖化防止活動推進センター」より

IPCCの人為的(排出CO2)温暖化説では、下向き赤外放射が増えるから気温が上がる。
「実際に温暖化の進行や影響は、ほぼIPCCの指摘通りになっている」のなら、下向き赤外放射が減ることはない。
ところが、全く逆に、下向き赤外放射は2013年から減少した。
「米海洋大気局(NOAA)などによると、19年の世界の海水温は史上最高になった。海洋は地球温暖化でもたらされる熱の大部分を吸収するが、海水温が上がれば水蒸気が増え、降水量の増加や干ばつの深刻化につながるとされる」と泣き喚いてるけど、海上も同じ。


図5 海上の下向き赤外放射の推移(「J.Clim.31(2018)4501」の図14より)

「実際に温暖化の進行や影響は、ほぼIPCCの指摘通りになっている」のなら、下向き赤外放射が増すから海水温が上がる。
下向き赤外放射が減ってるのに、「19年の世界の海水温は史上最高になった」はずねえだろ。
1月5日の投稿の図5に見えるとおり、エネルギー収支も増加するどころか減少してるけど、それは下向き赤外放射が減ったからに他ならない。
図1のように気温が上がるはずねえだろ。

科学的に最も信頼性の高い人工衛星の観測では、昨年は1998年より低い。


図6 「UAH Global Temperature Update for December 2019: +0.56 deg. C」より

ところが、図1では昨年が1998年より0.4℃近く高い。
「ほぼIPCCの指摘通りになっている」ように改竄・捏造したから、「昨年の気温、史上2位の高さ」になっただけ。

その証拠に、「IPCC『1.5℃特別報告書』の全く不都合な真実」の図13-21は昨年1月にダウンロードしたデータだけど、1998年以降を今年1月の、つまり、図1のデータと比べてみると、

表1 2019年1月にダウンロードしたGISTEMPと2020年1月にダウンロードしたGISTEMPの比較

0.02℃の差は寒暖計で測定できないけれど、塵も積もれば山となる。
こんな改竄を5年続けたら0.1℃上がる。
10年続けたら0.2℃上がる。
その一方で、1998年は下げ続けてた、と。
IPCC『1.5℃特別報告書』の全く不都合な真実」の図13-3に見えるとおり、1998年を除けば気温は上がり続けているんですぅぅぅ~、と泣き喚きながら、1998年の気温を下げ続けてやがったんだよ。

「米海洋大気局(NOAA)などによると、19年の世界の海水温は史上最高になった」けれど、NOAA(NCEI)も同じ。

図7 NOAA(NCEI)による全球平均気温偏差の推移(三角印)とIPCCの人為的温暖化説(赤線)、及び、「地球は水の惑星」の(3-1)式(青線)との比較

昨年はエルニーニョだったのに、データは赤線より僅かに下。
2013年以降は青線から大きく乖離し始める。
昨年は1998年より0.3℃高い。

先のデジタル版記事のグラフに「Cowtan & Way」が見えるけど、「IPCC『1.5℃特別報告書』の全く不都合な真実」の第4節で解説しているとおり、ハイエイタス消去の口火を切ったのが「Cowtan & Way」。
NASAやHadCRUやNOAAという組織名に伍して、個人名の「Cowtan & Way」を採用してるのは、しかも、NASAやHadCRUやNOAAが判別できなくなってしまうにもかかわらず、敢えて赤線で強調してるのは、ハイエイタス消去の口火を切った「功績」があるからに他ならない。
Kevin Cowtan も Robert Way も気候学者じゃない。
IPCCがハイエイタスに窮したのを見て、「Cowtan & Way」やナオミ・オレスケスのような門外漢が、ハイエイタスなんて存在しないんですぅぅぅ~、ギャァ~、ギャァァ~、ギャァァァ~、と喚き立て、NASAやNOAAがそれに追随したわけで、「江守正多の全く不都合な真実」の第4節と第5節でも指摘したけど、IPCCが素人に指導されていることを露呈してるな。
前回の投稿で紹介したとおり、「だが、『科学の声』は事実上放置された」と泣き喚いてやがったけど、「Cowtan & Way」を赤線で強調したのは、「『科学の声』は事実上放置された」結果、「昨年の気温、史上2位の高さ」になったことを、ハッキリと示してるんだね。

「ターラス氏によると、大規模森林火災が続く豪州は2019年が最も暑く、最も乾燥した年だったという」と泣き喚いてやがるけど、翌朝もこんな記事を掲載してやがった!


2020年1月17日の朝鮮日刊新聞朝刊紙面より

「しかし近年、気候研究者たちは・・・これは確率に注目する」は「イベントアトリビューション」のことだけど、「異常気象の全く不都合な真実」の第4節で解説しているとおり、そして、昨年5月23日の投稿7月10日の投稿8月9日の投稿で解説したとおり、「気候変動がある特定の熱波を引き起こしたとは必ずしも言えなくても・・・そして答えは、概して『大きい』だ」は全く非科学的で、全くナンセンス。

確かに、豪気象庁の記録では「豪州は2019年が最も暑く、最も乾燥した年だった」。


図8 豪州気象庁のホームページより

けど、これを見て、「気候変動と関係している」と思うか?
もちろん、イベントアトリビューションで、「地球温暖化が『豪州は2019年が最も暑く、最も乾燥した年だった』が起こる確率にどれくらいの違いをもたらしたかを問うことはできる」。
もちろん、「答えは、概して『大きい』だ」。
(現に、コチラでは、「このハゲーーっ!」が、「豪大規模森林火災が続く豪州は2019年が最も暑く、最も乾燥した年だった」のは「気候変動と関係している」と、喚き立ててる。1月11日の投稿で紹介したとおり、「『転換点』越える前に」と泣き喚いてやがったけど、コチラでは、「このハゲーーっ!」に劣らず悪名高い「Ed Hawkins」が、すでに「転換点」を超えたから「豪大規模森林火災が続く豪州は2019年が最も暑く、最も乾燥した年だった」んだ、と泣き喚いてる。)
「そして、上図を見れば、その答えは全く『無意味』だ」!

下図に見えるとおり、「大規模森林火災が続く」豪州南東部の春から夏の降水量はむしろ増加気味。


図9 「Environ.Res.Lett.,14(2019)124035」の図3より

真っ先に「先日の豪州からの映像は悪夢のようだった」と泣き喚いたのは、「だが、『科学の声』は事実上放置された」ことをハッキリと示してるな。

1月14日の投稿で紹介したとおり、「過去に類を見ない災害が次々と襲う現状から目を背け、利益を優先し、化石燃料を燃やしてCO2を排出し続ける企業や政府には、怒りがわく」と泣き喚いてたけど、「米国中西部では過去に例のない洪水が起き」と泣き喚くのは、それと全く同じ。
CO2排出が招く諸々の不都合の全く不都合な真実」の第13節と第14節で解説しているとおり、米国の気候にCO2排出の大きな影響は認め難い。
「このままだとフロリダ州全体が海にのみ込まれることになる」と泣き喚いてるけど、「『温暖化で沈む国』の全く不都合な真実」の第12節で解説しているとおり、マイアミの潮位変化とCO2増加の因果関係は弱く、乱開発こそが問題。
「カ氏123度(セ氏約50度)にのぼった熱波がインドを襲った」と泣き喚いてるけど、「CO2排出が招く諸々の不都合の全く不都合な真実」の第16節で解説しているとおり、それも乱開発が原因。
(「聞いたことのない気温をもたらしたもう一つの熱波が欧州の大半を襲った」と泣き喚いてるけど、昨年7月28日の投稿で解説したとおり、ヒートアイランドと大気汚染が原因。)

オーストラリアの「大規模森林火災」も実は同じ。


原生林の保護、カギは先住民に 研究
2020年1月8日 11:49 発信地:パリ/フランス
失われつつある世界の原生林の3分の1以上を先住民が管理しているとの調査結果が7日、発表された。先住民らは開発や森林破壊の脅威にさらされており、保護強化が必要だと研究チームは訴えている。
オーストラリア東海岸では今、破滅的な森林火災が猛威を振るっている。このような中、実施された森林維持に関する最新調査では、残存する手付かずの森林の36%は先住民に所有権があることが明らかになった。
開発されておらず、生息地が保たれているこれらの森林と隣接地は、気候変動や生物多様性の損失に対抗する上で重要となる。
先住民は生態系の維持において極めて重要な役割を果たしている。先住民の伝統的な森林管理方法は、現代の保護技術よりも多くの場合において効果的なことが判明している。
しかし先住民は現在、ブラジルをはじめとする複数の国で攻撃されている。例えばブラジルのジャイル・ボルソナロ(Jair Bolsonaro)政権は、先住民の土地での採掘を合法化しようとしている。
国際研究チームは今回、50か国の原生林の地理空間分析を実施、分析結果を先住民が所有する土地の地図と重ね合わせた。
その結果、先住民の土地では未開発の森林地帯が2000年以降8.2%減少していることが分かった。一方、先住民の管理域外の土地の2000年以降の減少率は10%だった。
論文の執筆者らは各国政府に対し、先住民の権利を保護し、気候変動との闘いに先住民を参加させるよう呼び掛けている。
論文の執筆者で、英マンチェスター・メトロポリタン大学のジョン・ファ(John Fa)氏は、オーストラリア南東部一帯の動植物生息地を破壊している現在の火災がこれほどの規模になったのは、歴代政府の資源管理計画が不十分であることに一部起因している可能性があると指摘している。
ファ氏はAFPの取材に対し、「伝統的な森林火災管理とされる手段が講じられていれば、最近の火災はこれほど壊滅的な状態にはならなかったと指摘するオーストラリア先住民もいる」と述べた。
論文は学術誌「フロンティアズ・イン・エコロジー・アンド・ザ・エンバイロメント(Frontiers in Ecology and the Environment)」に掲載された。


(AFP/Patrick GALEY)

昨年9月22日の投稿で紹介したとおり、「豪州 リンゴの収穫量『平年の2割かも』」と泣き喚いてやがったけど、森林を伐採して農地にし、我国の「フジ」まで盗んで栽培してるから「大規模森林火災」が起こったんだね。
「豪州の火災があっても、同国の現政権は石炭重視を再確認し、環境を破壊する企業への不買運動を犯罪とみなすと脅している」と泣き喚いてやがるけど、「環境を破壊する企業」を正当化してるのはテメエらだろ!

2013年12月5日の投稿で紹介したとおり、「彼らは景気刺激策が(彼らにとり)都合がいい危機を無駄にしてしまうことを恐れているのではないか」と言ってたけど、そして、その言葉自体は間違っていないけれど、狂愚マンがそう言ったのは、ガス抜きのためにすぎない。
前回の投稿で紹介したとおり、「スキャンダルを仕掛けられたりするなど、科学は常に脅かされてきた」と泣き喚いてやがったけど、狂愚マンが「右派はこれまで、地球温暖化の実情とその原因について、まじめな科学的論争があるかのごとくに見せかけていた」と泣き喚いてるのはそれと同じであり、「世界最上位の富裕層国際主義エリート貴族」の誤用学者にすぎないことを露呈してる。
昨年11月13日の投稿で指摘したとおり、マルクス経済学者ですら「世界最上位の富裕層国際主義エリート貴族」の犬なのだから、ノーベル経済学者が「世界最上位の富裕層国際主義エリート貴族」の誤用学者なのは当たり前だな。
2015年11月25日の投稿で紹介したとおり、「一方、ぼくがすっごくすっごく嫌ってるタイプの批判もある」と喚いてやがったけど、その台詞はそのままテメエにつき返してやるぜ。


一方、ぼくがすっごくすっごく嫌ってるタイプの批判もある。これは日本に関する議論にかぎらない――で、とくにこのタイプの批判のなにがイヤって、《クソ真剣ぶったみなさま》が全面的に受け入れつつ、それでいて、じぶんが《真実》を語ってるんじゃなくて疑わしい仮説をまくしたててるってことに気づいていないところだ。ぼくが言ってる批判は、「米の環境政策 最悪と知れ」っていう主張のこと。


(「苦しむ日本がとるべき道筋」より)

1月5日の投稿でも指摘したとおり、再エネと称する紛い物のために負担させられている金額の10分の1を自然災害基金として徴収し積み立てていれば、熊本や北海道の震災被災者にも、一昨年の西日本豪雨や台風21号の被災者にも、昨年の台風15号と19号の被災者にも十分な手当てができた。
気候危機と煽り立てて、その実は、自然災害の被災者を苦しめて利を貪ってるんだよ。
前回の投稿で紹介したとおり、「『2度目標』の必要性が言われ始めたのも25年前だ」と泣き喚いてやがったけど、当に25年前の1995年1月17日に阪神・淡路大震災が起こった。
阪神・淡路大震災を尻目に「1995年にベルリンで開かれた枠組み条約第1回締約国会議(COP1)に向けたドイツの諮問委員会の中で彼が提案、翌年には欧州理事会で決議された」のが、自然災害の被災者を苦しめて利を貪る原点だったんだね。
昨年12月9日の投稿で「脱炭素社会主義者は、貨幣蓄蔵者とは違って、彼自身の労働や彼自身の非消費に比例して富をなすのではなく、労働者(市民)が不幸になる程度にしたがって、富をなすのである」と指摘したけれど、阪神・淡路大震災を尻目にCOPが始まったこと、その25年後の1月17日の前日に「昨年の気温、史上2位の高さ」と煽り立て、震災の日に入浴時間のコラムを掲載したことは、その事実をハッキリと示してるな。